恋のドキドキの正体とは?結婚相手は「胸なぎ」で選ぶ
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こんにちは。恋愛心理研究家の関口美奈子です。
あの人の名前が通知に出ただけで、胸がきゅっとなる。
会う前の日は、なかなか眠れない。
反対に、条件も人柄も申し分ないのに、会ってもまったくドキドキしない相手もいる。
「ドキドキしないのは、好きじゃないから?」と悩む方は、婚活の現場で本当に多いんです。
最初に、少し意外な結論をお伝えします。
恋のドキドキは、好きの量ではありません。
体が「この人との答えは、まだ出ていない」と知らせている音です。
だから、答えが見えてくるほどドキドキは静まり、その代わりに胸がすっと凪いでいく「胸なぎ」が訪れます。
のべ3万人以上の男女と向き合ってきた中で、幸せな結婚にたどり着いた方の多くは、ドキドキを追いかけた人ではなく、ドキドキと胸なぎの両方を知っている人でした。
この記事では、恋のドキドキの正体を、体・脳・心の3つの面から研究をもとに整理し、婚活で感じるドキドキを8つに分けて、見分け方と付き合い方をお伝えします。
この記事の結論
・恋のドキドキの正体は、心拍や呼吸を高める体の覚醒と、脳の「ごほうびを求める回路」の働きが重なったものです。そこに「相手の気持ちがまだわからない」という不確かさが加わると、さらに強くなります。
・ドキドキには「期待のドキドキ」と「不安のドキドキ」があり、体の反応は似ていても、中身はまったく違います。
・恋が深まるとドキドキは落ち着いていきますが、それは愛が冷めたのではなく、安心の形に変わっていくことが研究でも示されています。
・婚活では「ドキドキの強さ」で相手を選ばず、「一緒にいて胸が凪ぐか」「新しい体験を一緒に楽しめるか」を見るのがおすすめです。
この記事を書いた人:関口美奈子(恋愛心理研究家・作家)
著書『最初の男になりたがる男 最後の女になりたがる女』『気遣いを恋と勘違いする男 優しさを愛と勘違いする女』『働く人の悩みを89%解決する コミュニケーションの極意』。KADOKAWAほかより刊行し、中国・韓国・台湾で翻訳出版。TBS「王様のブランチ」のBOOKランキングにも掲載されました。結婚相談所エースブライダルを主宰し、のべ3万人以上の男女と向き合ってきた経験と心理学から書いています。
恋のドキドキの正体は?
恋のドキドキの正体は、体の覚醒反応と、脳の報酬に関わる仕組みが同時に動いている状態です。
さらに「この人は私をどう思っているんだろう」という不確かさが、その反応を強めます。
わかりやすく言うと、ドキドキには3つの層があります。
・体の層:心臓が速く打つ、顔が熱くなる、手に汗をかく。体が「大事な場面だ」と準備している反応です。
・脳の層:相手に会いたい、もっと知りたい、という「欲しい」気持ちを生む仕組みが働いています。
・心の層:まだ答えがわからないことが、期待と不安の両方をかき立てます。
この3つが重なったとき、私たちは「胸がドキドキする」と感じます。
順番に見ていきますね。
ドキドキしているとき、体では何が起きている?
ドキドキしているとき、体は「大事な場面に備える」モードに切り替わっています。
心拍が上がり、呼吸が浅く速くなり、手のひらに汗をかく。これは、緊張する場面や楽しみな場面で体が動く準備をするときの、自然な反応です。
恋に落ちたばかりの人のホルモンを調べた研究があります。
恋をして半年以内の人は、そうでない人と比べて、ストレスや覚醒に関わるコルチゾールというホルモンの値が高くなっていました(Marazziti & Canale, 2004)。
研究者たちは、これを新しい関係の始まりにともなう「ストレスがかかって、気持ちが高ぶった状態」を示すものと考えています。
そして興味深いのは、12〜24か月後に同じ人たちを測り直すと、こうした差は見られなくなっていたことです。
恋の始まりは、うれしいだけでなく、体にとっては少し負荷のかかる時期でもある。
そして、その状態はずっとは続かない。
この2つを知っておくだけで、ドキドキが落ち着いてきたときに「冷めたのかな」と慌てずにすみます。
脳では何が起きている?ドーパミンやノルアドレナリンとの関係は?
恋をしているときの脳では、ドーパミンという物質に関わる「ごほうびと意欲」の回路が強く働いています。
恋に落ちて間もない男女に、好きな人の写真と知人の写真を見てもらい脳の活動を調べた研究では、好きな人の写真を見たときに、ドーパミンが多く関わる報酬と意欲の領域が活発になっていました(Aron et al., 2005)。
ここで大事なのは、この回路が「満たされた」ときより「欲しい」ときに働く仕組みだということです。
会いたい、連絡がほしい、もっと近づきたい。恋の初期のあの落ち着かなさは、脳が相手を「追いかける価値のあるもの」として扱っている状態なんです。
ノルアドレナリンは、体と頭を覚醒させる働きを持つ物質で、恋の高ぶりにも関わると考えられています。
ただし、恋愛中の人のノルアドレナリンを直接測って確かめた研究は多くありません。「ドキドキはノルアドレナリンのせい」と言い切るより、「体と頭が覚醒している状態」と理解しておくのが正確です。
もうひとつ、恋の初期には「頭からあの人が離れない」状態も起こります。
恋をして間もない人の血液を調べた研究では、気分や考えの切り替えに関わるセロトニンの働きに、こだわりが強く出る状態の人と似た変化が見られました(Marazziti et al., 1999)。
同じ場面を何度も思い返してしまうのは、あなたが重いからではなく、恋の初期によくある脳の状態なんですね。
なぜ「気持ちがわからない」ほどドキドキするの?
答えは、わからないことほど、人は何度も考えてしまうからです。
女子大学生に、自分のプロフィールを見た男子学生について「あなたをとても気に入っている」「普通くらいに気に入っている」「どちらかわからない」のいずれかを伝えた実験があります(Whitchurch et al., 2011)。
とても気に入ってくれている相手は、普通くらいの相手より好まれました。好意を返してくれる人を好きになるのは自然なことです。
ところが、いちばん惹かれたのは「どちらかわからない」相手でした。しかも、その男性のことを考えた時間もいちばん長かったのです。
ここに、婚活の落とし穴があります。
連絡が気まぐれな人、好意がはっきりしない人に強くドキドキするのは、その人が特別だからとは限りません。
答えが出ないから、頭が考え続けてしまう。そのドキドキは、恋の強さというより「未解決の強さ」であることが多いんです。
ドキドキと不安は、同じもの?
体の反応としてはよく似ていますが、心の受け止め方でまったく違う体験になります。
人前で話す、歌うといった緊張する課題の前に、「落ち着こう」とするより「わくわくしている」と自分に言い聞かせたほうが、実際にわくわくを感じ、うまくいきやすかったという研究があります(Brooks, 2014)。
試験の前に「体の高ぶりは力になる」と伝えられた人たちが、実際の試験で良い成績をとったという研究もあります(Jamieson et al., 2010)。
どちらも、心臓が速く打つという同じ体の状態が、受け止め方しだいで「不安」にも「期待」にもなることを示しています。
恋のドキドキも同じです。
会う前に胸が高鳴るのは同じでも、「会えるのが楽しみ」のドキドキと、「嫌われたらどうしよう」のドキドキでは、心の中身が正反対です。
前者は相手に近づく力になり、後者はあなたを消耗させます。
ドキドキの量ではなく、ドキドキの種類を見分けることが、婚活ではとても大切です。
婚活で感じるドキドキには、どんな種類がある?
婚活で感じるドキドキは、大きく8つに分けられます。
それぞれ、心の中で起きていること、婚活の場面、見分け方と付き合い方の順に紹介します。
①会う前の「楽しみ」のドキドキ
心の中で起きていること:次に会える時間を思い描いて、脳のごほうびの回路が先回りして動いている状態です。
婚活の場面では:デートの前日、服を選びながら「あの話の続きを聞きたいな」と考えてわくわくする。
見分け方:頭に浮かんでいるのが「相手と過ごす場面」なら、このドキドキです。いちばん素直に育てていいドキドキなので、そのまま楽しんでください。
②評価される場の「緊張」のドキドキ
心の中で起きていること:初対面で「どう見られるか」が気になり、体が身構えている状態です。相手への好意とは別のものです。
婚活の場面では:お見合いの待ち合わせ、ラウンジに入る直前に心臓がばくばくする。
見分け方:相手が誰であっても同じように緊張するなら、場への緊張です。これを「この人にときめいた」とも「この人とは合わない」とも読まないでください。お見合いの前には「緊張している」より「楽しみにしている」と心の中で言い換えてみると、表情がやわらぎます。
③返事を待つ「宙ぶらりん」のドキドキ
心の中で起きていること:答えがまだ出ていない不確かさが、何度も考えさせる状態です。Whitchurchらの実験と同じ構造です。
婚活の場面では:お見合い後の交際希望の返事を待つ時間、LINEの既読がついたまま返事がない時間。
見分け方:返事が来た瞬間にすっと静まるなら、このドキドキです。答えが出たら消えるドキドキは、恋の強さの証拠にはなりません。待つ時間には期限を決めて、担当カウンセラーに相談すると心が軽くなります。
④つれない相手を追いかける「不安」のドキドキ
心の中で起きていること:相手の好意が見えないことで、嫌われる不安と、振り向かせたい気持ちが入り混じった状態です。
婚活の場面では:日程をなかなか出してくれない彼、返事がまちまちな彼のことばかり考えてしまう。優しくて誠実な人より、気持ちの読めない人に惹かれる。
見分け方:会ったあとに「楽しかった」より「大丈夫だったかな」が残るなら、このドキドキです。会うたびに疲れるドキドキは、恋ではなく警報だと考えてください。
⑤初めての場所や体験の「新鮮さ」のドキドキ
心の中で起きていること:新しいことを一緒にすると、その高揚感がふたりの時間の楽しさとして記憶されます。
婚活の場面では:初めて行く街を歩く、ふたりとも経験のないワークショップに参加する、話題の展示を見に行く。
見分け方:このドキドキは相手への不安を含まず、「一緒だと楽しい」に変わっていきます。落ち着いた関係にドキドキを足したいときに、いちばん安全で効果的なドキドキです。
⑥距離が縮まる瞬間の「照れ」のドキドキ
心の中で起きていること:相手を異性として意識し、関係が一段近づくことへの期待と照れが重なっている状態です。
婚活の場面では:並んで歩いていて手が触れたとき、名前で呼ばれたとき、「また会いたい」とまっすぐ言われたとき。
見分け方:ドキドキのあとに、うれしさや温かさが残るなら、好意が育っているサインです。反対に、落ち着かなさや居心地の悪さが残るなら、距離の詰め方が早すぎるのかもしれません。その場合は「少しゆっくり知っていきたいです」と伝えて大丈夫です。
⑦理想に重ねた「高揚」のドキドキ
心の中で起きていること:相手そのものより、相手に重ねた理想や物語にときめいている状態です。
婚活の場面では:写真やプロフィールを見た段階で強く惹かれる。会う前から「この人かもしれない」と思う。
見分け方:会うたびにドキドキが強まるなら相手への好意、会うたびに少しずつしぼむなら理想への好意です。2回目、3回目のデートで確かめてください。
⑧将来を具体的に話すときの「決断」のドキドキ
心の中で起きていること:人生の大きな選択を前にして、体が本気モードになっている状態です。迷いと覚悟が同時にあります。
婚活の場面では:真剣交際の申し出を受けるとき、住む場所や仕事の話を具体的にするとき、プロポーズの前後。
見分け方:話し合ったあとに「この人となら大丈夫」と感じるなら、前向きな決断の緊張です。話し合うたびに不安が増えるなら、その不安の中身を担当カウンセラーと一緒に言葉にしてみてください。
ドキドキしない相手は、恋じゃないの?
ドキドキしないからといって、恋や愛がないとは限りません。
長く続く関係の恋愛感情を調べた研究者たちは、恋の初期に見られる「頭から離れない」という執着の要素がなくても、強さや関わりの深さをともなう恋愛感情は長い結婚生活の中でも続きうること、そしてそれが結婚の満足度や幸福感と結びついていることを示しました(Acevedo & Aron, 2009)。
つまり、落ち着かなさがないことと、愛がないことは別の話です。
恋の初期に脳のごほうびの回路が強く反応していた人ほど、その後も長続きするとは限らない、という小さな予備的研究もあります(Xu et al., 2012)。
参加者が少なく、結論はまだ出ていませんが、少なくとも「最初のドキドキが強いほど、うまくいく」とは言えません。
婚活の現場でも、「最初はまったくドキドキしなかった」と話すご夫婦はとても多いんです。
一緒にいて楽、話が途切れても気まずくない、会ったあとに疲れていない。そうした「胸なぎ」の感覚が、あとからじわじわと「この人がいい」に変わっていきます。
ただし、ドキドキしないことと、嫌悪感があることは違います。
触れられるのが嫌、会うのが苦痛、というはっきりした拒否感があるなら、それは無理に育てるものではありません。担当カウンセラーに正直に相談してくださいね。
恋のドキドキは、いつ安心に変わる?
ドキドキは、関係が確かになるにつれて、少しずつ安心の形に変わっていきます。
婚活の流れに沿って見ると、次のような変化をたどることが多いです。
お見合い:緊張のドキドキが中心です。相手へのときめきより、場への緊張のほうが大きい時期です。
仮交際の初め:期待と宙ぶらりんのドキドキが混ざります。複数の方と並行できる期間なので、不確かさも大きくなりがちです。
仮交際の後半:会う回数が増え、相手の人柄がわかってくると、不安のドキドキが減り、楽しみのドキドキと胸なぎが増えていきます。
真剣交際:おひとりに絞ることで、不確かさが大きく減ります。代わりに、将来を決める決断のドキドキが出てきます。
成婚のあと:ドキドキはさらに落ち着き、そばにいることで気持ちが整う関係になっていきます。
恋愛感情は、人が大切な相手との間に心の拠りどころとなる絆を作っていく過程として理解できる、という考え方があります(Hazan & Shaver, 1987)。
ドキドキから安心への変化は、恋が終わっていく道ではなく、絆が形になっていく道なんです。
安心の力を示す研究もあります。
既婚女性に弱い電気ショックが来るかもしれないという状況をつくり、夫の手、見知らぬ人の手を握ったとき、何も握らないときの脳の反応を比べた実験では、夫の手を握ったときに脅威への反応がもっとも抑えられていました。しかも、その効果は夫婦関係の質が高いほど大きかったのです(Coan et al., 2006)。
長く一緒にいる夫婦の脳を調べた研究では、パートナーの写真を見たときに、恋の初期と同じ報酬の領域に加えて、絆や愛着に関わる領域も働いていました(Acevedo et al., 2012)。
ドキドキは消えるのではなく、そばにいるだけで心が落ち着く力に形を変えていく。
婚活で探しているのは、この変化を一緒にたどれる相手なんですね。
安心できる相手に、ドキドキを足すことはできる?
できます。いちばん確かな方法は、ふたりで「新しいこと」をすることです。
カップルに、少し変わった新しい課題を一緒にやってもらうと、ありふれた課題をしたカップルより、関係への満足度が上がったという実験があります(Aron et al., 2000)。
アンケート調査でも、わくわくする活動を一緒にしているカップルほど満足度が高く、その理由として「関係の退屈さ」が減っていることが示されていました。
婚活のデートに置き換えると、こんな工夫ができます。
・ふたりとも行ったことのない街を、地図を見ながら歩いてみる
・陶芸や料理など、その場で一緒に何かを作る体験に参加する
・いつものカフェではなく、季節の催しや展示に出かける
・お互いの「最近はまっているもの」を、実際に一緒にやってみる
ポイントは、危険なことや無理をすることではなく、ふたりとも初めてで、少しだけ心が動くことを選ぶことです。
新しさのドキドキは、不安を含まないので、安心の関係を壊さずに温度だけを上げてくれます。
「胸なぎの相手に、どうしたらときめけるかわからない」というときは、担当カウンセラーと一緒にデートの組み立てを考えるのもおすすめです。
ドキドキを作ろうとして、やってはいけないことは?
いちばん避けたいのは、わざと相手を不安にさせてドキドキを作ろうとすることです。
不確かさが気持ちを強めるのは確かですが、婚活でそれを使うと、信頼が先に削れていきます。
・わざと返信を遅らせる、既読のまま放っておく
相手のドキドキは「不安」の側に振れます。気持ちより先に、疲れと不信感が育ちます。
・ほかのお相手の存在をにおわせる
仮交際で並行しているのはお互いさまです。それを焦らせる材料に使うと、誠実さを疑われます。
・好意をわざと隠して、気持ちを試す
婚活では、相手も限られた時間の中で判断しています。好意が伝わらなければ、ドキドキする前に「脈なし」と判断されて終わることもあります。
・ドキドキしない相手を、会ってすぐに切る
1回目で判断してしまうと、胸なぎから育つ縁を逃します。明らかな拒否感がないなら、2〜3回は会ってみてください。
ドキドキを読み違えやすいケースは?
読み違えやすいのは、ドキドキの「強さ」を、相手との「相性」だと思ってしまうケースです。
現場でよく見るのは次の4つです。
・不安のドキドキを「好きの強さ」と思ってしまう
気持ちの読めない相手ほど頭から離れないのは、不確かさの働きです。会ったあとに疲れているなら、好きの強さではなく未解決の強さを疑いましょう。
・緊張のドキドキを「合わない」と思ってしまう
お見合いで緊張して話せなかったことを、相手との相性のせいにしてしまう方がいます。場への緊張と相手への気持ちは分けて考えてください。
・落ち着く感覚を「恋愛感情がない」と思ってしまう
胸なぎは、恋がない状態ではなく、安心して素の自分でいられる状態です。「会ったあとに元気になっているか」を見てください。
・最初のときめきを「運命」と思ってしまう
理想に重ねた高揚は、会う回数とともに本当の相手の姿と入れ替わっていきます。運命かどうかは、3回目以降のデートで決めても遅くありません。
ドキドキと上手に付き合える人は、何が違う?
ドキドキと上手に付き合える人は、ドキドキを「もらうもの」ではなく「一緒に作るもの」だと知っています。
相手にドキドキさせてもらうのを待っている人は、どうしても、刺激の強い相手や、気持ちの読めない相手に引き寄せられます。
一方で、自分から新しい場所を提案し、相手の話に心から笑い、会うたびに小さな「初めて」を持ち込める人は、穏やかな相手とでも、ちゃんとときめきを育てられます。
そして、相手を不安にさせてドキドキさせるのではなく、先に安心を渡せる人のところに、長く続く恋は集まります。
胸なぎを退屈と呼ばずに、そこに小さな新しさを足していける。それが、結婚まで恋を運べる人の器だと思います。
あなたのドキドキは、どっち?チェックリスト
いま気になっている相手について、当てはまるものに印をつけてみてください。
期待と胸なぎのサイン
□ 会う前に、相手と話したいことが浮かぶ
□ 会ったあと、疲れより元気が残っている
□ 沈黙があっても、気まずくない
□ 相手の返事を待つ時間を、そこまで苦しく感じない
□ 一緒に新しいことをすると、素直に楽しい
不安と消耗のサイン
□ 会う前に「嫌われたらどうしよう」ばかり考える
□ 会ったあと、「大丈夫だったかな」と反省会をしてしまう
□ 返事が来るまで、何度もスマホを確認する
□ 相手の好意が、いまだにはっきりわからない
□ ドキドキはするのに、一緒にいて楽だと感じたことがない
上の5つに多く当てはまるなら、その関係は育てがいがあります。
下の5つに多く当てはまるなら、そのドキドキは不安の側に傾いています。ひとりで抱えず、担当カウンセラーに状況を話してみてください。
よくある質問
Q.恋のドキドキは、どのくらい続くものですか?
A.人によって違うので、はっきりした期間は言えません。恋に落ちたばかりの人に見られたホルモンの変化が、12〜24か月後には見られなくなっていたという研究はあります。ただ、落ち着くのは愛がなくなるからではなく、安心の形に変わっていくからです。
Q.仮交際の相手にまったくドキドキしません。お断りしたほうがいいですか?
A.嫌悪感がなく、一緒にいて楽で、会ったあとに疲れていないなら、急いで決めなくて大丈夫です。新しい場所に出かけるなど、デートの形を変えて2〜3回会ってみてください。それでも会うのが苦痛なら、担当カウンセラーに相談しましょう。
Q.ドキドキするのは、いつも脈のなさそうな相手ばかりです。なぜですか?
A.相手の気持ちがわからない状態は、何度も考えさせるので、ドキドキが強くなりやすいからです。そのドキドキは相性より不確かさから来ていることが多いです。会ったあとに疲れていないか、安心できる時間があるかを見てください。
Q.ドーパミンが出ると、恋に落ちるのですか?
A.恋をしている人の脳では、ドーパミンが多く関わる報酬と意欲の領域が働いていることがわかっています。ただ、それだけで恋が生まれるわけではありません。相手を知り、関わりを重ねる中で、気持ちは形になっていきます。
Q.お見合いで緊張して、うまく話せません。相手に好意がない証拠ですか?
A.お見合いの緊張は、ほとんどが場への緊張で、相手への気持ちとは別です。「緊張している」を「楽しみにしている」と心の中で言い換えてみてください。表情がやわらぎ、会話もしやすくなります。
Q.結婚後も、ドキドキは取り戻せますか?
A.ふたりで新しいことを一緒にすると、関係の満足度が上がるという研究があります。旅行や新しい趣味など、ふたりとも初めてのことを定期的に取り入れると、落ち着いた関係に新鮮さを足せます。婚活中から、そうした体験を一緒に楽しめる相手かを見ておくのもおすすめです。
Q.ドキドキと安心、結婚相手を選ぶならどちらを重視すべきですか?
A.どちらか一方ではなく、「安心の上に、ときどきドキドキを足せる相手か」を見てください。安心は長く続く関係の土台で、ドキドキは新しい体験で一緒に作っていけます。不安のドキドキだけが強い相手は、結婚生活では消耗しやすいので注意しましょう。
まとめ:恋のドキドキは入口、結婚は「胸なぎ」で決まる
恋のドキドキの正体は、体の覚醒と、脳の「欲しい」の回路と、答えのまだ出ていない不確かさが重なったものです。
だから、強いドキドキが必ずしも相性の良さを意味するわけではありません。
見るべきは、ドキドキの量ではなく種類です。
楽しみのドキドキは大切に育てて、不安のドキドキには期限をつける。
そして、ドキドキが静まったあとに訪れる胸なぎを、退屈と間違えないでください。
そばにいるだけで、ふっと気持ちが整う人。
その人と、新しいドキドキを一緒に作っていけるなら、それはもう、結婚まで続く恋のかたちです。
参考にした研究・資料
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・Aron, A., Fisher, H., Mashek, D. J., Strong, G., Li, H., & Brown, L. L. (2005). Reward, motivation, and emotion systems associated with early-stage intense romantic love. Journal of Neurophysiology, 94(1), 327-337.
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・Acevedo, B. P., & Aron, A. (2009). Does a long-term relationship kill romantic love? Review of General Psychology, 13(1), 59-65.
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・IBJ「お見合いと交際のルール&マナー」https://www.ibjapan.com/success/manners/
この記事を書いた人
関口美奈子(せきぐち みなこ)
恋愛心理研究家・作家。結婚相談所エースブライダルとメンズ眉毛サロンWinsome(新宿・吉祥寺・高円寺)を運営。のべ3万人以上の男女と向き合ってきた現場経験と心理学をもとに恋愛・結婚・人間関係・コミュニケーションを執筆し、自治体や企業、官公庁でも講演。著書はKADOKAWAほかより刊行、中国韓国台湾で翻訳出版。
公式サイト https://sekiguchiminako.com/
著書:『最初の男になりたがる男 最後の女になりたがる女』『気遣いを恋と勘違いする男 優しさを愛と勘違いする女』『働く人の悩みを89%解決する コミュニケーションの極意』
「ドキドキしない相手を、このまま断っていいのかな」とひとりで迷っているなら、一度プロと一緒に気持ちを整理してみませんか。
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