デートで会話が続かない・沈黙が怖い|鍵は「三人目」
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こんにちは。恋愛心理研究家の関口美奈子です。
先に答えをお伝えしますね。
デートで会話が続かないのは、話題が足りないからではありません。
向かい合って「次は何を聞こう」と話題を探しているから、続かなくなるんです。会話を助けてくれるのは、準備した質問リストよりも、ふたりの目の前にある料理や景色や展示のような「三人目」です。ふたりで同じものを見て、同じものに反応する時間があれば、会話は探さなくても生まれてきます。
「お見合いではなんとか話せたのに、2回目のデートで急に話すことがなくなった」
「食事の途中で沈黙が続いて、帰り道まで気まずかった」
「相手が退屈していないか、ずっと顔色を見てしまう」
仮交際に入った方から、本当によくいただくご相談です。
お見合いの1時間は、仕事や休日や趣味など、聞くことがたくさんあります。ところが仮交際のデートに入ると、プロフィールで聞ける話はひと通り終わっていて、ここからは「情報を交換する会話」ではなく「ふたりの時間をつくる会話」に切り替わっていきます。
この切り替えの継ぎ目で、多くの方がつまずきます。のべ3万人以上の男女と向き合ってきた中で、会話が続かないと悩む方の多くは、話し下手なのではなく、この継ぎ目で「まだ面接を続けようとしていた」方でした。
この記事では、仮交際のデートで会話が続かないときの原因と立て直し方を、デートの種類別の例文、沈黙の見分け方まで含めてまとめました。お見合い当日の会話ではなく、2回目以降のデートが中心です。
この記事の結論
・デートで会話が続かない原因は、話題不足より「向かい合って話題を探し続けている」ことです。目の前の料理・景色・展示という「三人目」を会話に入れると、話題は探さなくても生まれます。
・沈黙を怖がるのは自然なことです。研究でも、会話の流れが止まると人は拒まれたように感じやすいとわかっています。ただ、話し終えたあとの人は、相手から実際に好かれている度合いを低く見積もりがちです。
・続けるコツは、事実の質問より「感想に感想を返す」こと、相手のうれしい話に全力で乗ること、自分の話を半歩だけ先に出すことです。
・会話の量で脈を判断しないでください。見るべきは、次のデートの日程が具体的に進むかどうかです。
この記事を書いた人:関口美奈子(恋愛心理研究家・作家)
著書『最初の男になりたがる男 最後の女になりたがる女』『気遣いを恋と勘違いする男 優しさを愛と勘違いする女』『働く人の悩みを89%解決する コミュニケーションの極意』。KADOKAWAほかより刊行し、中国・韓国・台湾で翻訳出版。TBS「王様のブランチ」のBOOKランキングにも掲載されました。結婚相談所エースブライダルを主宰し、のべ3万人以上の男女と向き合ってきた経験と心理学から書いています。
デートで会話が続かないのは、なぜ?
いちばん多い理由は、デートの会話を「お見合いの続き」として進めているからです。
お見合いのときの会話は、相手を知るための質問と答えでできています。「お休みの日は何をされていますか」「お仕事はどんな内容ですか」。これはこれで必要な会話です。
でも、2回目、3回目のデートでこれを続けると、すぐに聞くことがなくなります。そして、聞くことがなくなった瞬間に「話題がない」と感じてしまう。
実際には、話題がないのではありません。質問と答えの形でしか会話をしていないから、質問が尽きると会話も尽きてしまうんです。
デートの会話が続くふたりは、質問をたくさん持っているふたりではなく、同じものを見て「これ、おいしいですね」と感想を言い合えるふたりです。感想は、目の前にあるものがある限り尽きません。
会話が続かない原因を、もう少し細かく分けると、次の4つに整理できます。
・面接の続き:質問と答えの形から抜け出せず、プロフィールの確認が終わると話が止まる
・頭の中の実況:相手の話を聞きながら「次に何を聞こう」と考えていて、相手の言葉が耳に入っていない
・場のつくり:向かい合って座るだけの場所で、見るものや話のきっかけがない
・正解探し:「つまらない話をしたら嫌われる」と思い、言いかけた言葉を飲み込んでいる
どれも話し下手だから起きていることではなく、形と場所と気持ちの向け方で変えられます。
沈黙が怖いのはなぜ?相手も気まずいと思っている?
沈黙が怖いのは、人の心がもともと「会話の流れ」から安心を受け取るようにできているからです。あなたが特別に気にしすぎているわけではありません。
オランダの研究者たちがグループの会話を使って行った実験では、会話がなめらかに流れているとき、人は「自分はこの場に受け入れられている」と感じ、ほんの短い沈黙で流れが途切れると、居心地の悪さや拒まれたような気持ちが生まれることが示されました。しかも、参加者本人が沈黙に気づいていないときでも、その影響ははっきり出ていたそうです(Koudenburg et al., 2011)。
デートの沈黙で胸がざわつくのは、ごく自然な反応です。そして、それは相手も同じです。
もうひとつ、知っておいてほしい研究があります。
初対面の人同士が話したあと、「相手は自分をどれくらい好きだと思うか」を予想してもらうと、多くの人が実際に相手から好かれている度合いより、低く見積もっていました。この思い込みは、短い会話でも長い会話でも見られ、寮で知り合った学生同士では数か月続いていたそうです(Boothby et al., 2018)。
デートのあと「今日は全然話が盛り上がらなかった」と落ち込んでいる方に、お相手側の感想を聞いてみると、「落ち着いていて楽しかったです」と返ってくることが本当によくあります。
あなたが感じた沈黙の重さは、相手が感じた重さより、たいてい大きいんです。
会話が続かないデートを救う「三人目」とは?
「三人目」とは、ふたりの目の前にあって、一緒に見たり味わったりできるもののことです。料理、景色、展示、お店の雰囲気、すれ違った犬、季節の花。これが会話に入ってくると、話題を自分の頭から絞り出す必要がなくなります。
向かい合って座り、相手の顔だけを見ながら話すと、会話のきっかけは「相手」と「自分」のふたつしかありません。そこに質問が尽きると、沈黙になります。
でも、目の前に三人目がいれば、「これ、何が入っているんでしょうね」「あ、あの犬かわいい」と、どちらからでも自然に口を開けます。話題を用意するのではなく、話題が生まれる場所を用意する。これが、会話が続かない人にいちばん効く考え方です。
・沈黙がこわくなくなる:一緒に景色を見ている間の沈黙は、「同じものを味わっている沈黙」になります。
・価値観が見える:同じ絵を見て、どこに目が止まるか。同じ料理で、何をおいしいと言うか。そこに、プロフィールには書かれていないその人らしさが出ます。
IBJの交際マナーでも、初デートの時間は2時間程度に抑えることがすすめられています。会話に不安がある方ほど、長い食事だけのデートより、「少し歩く+軽く食事」のように三人目がたくさんいる組み立てにしてみてください。それだけで、話すことを探す時間がぐっと減ります。
仮交際のデートで会話を続けるコツは?
コツは、質問の数を増やすことではなく、「感想を交わす」「相手の気持ちに乗る」「自分も少し出す」の3つを回すことです。
具体的には、次の8つを意識してみてください。どれも特別な話術はいりません。
①目の前の「三人目」を、まず言葉にする
何が起きているか:ふたりが同じものに注意を向けると、それだけで「同じものを見ている」という小さな一体感が生まれます。そこに言葉をひとつ置くと、相手は答えやすい入口を受け取れます。
デートの場面:席に着いたとき、料理が運ばれてきたとき、お店を出て歩き始めたとき。場面が変わるたびに、目に入ったものをひと言だけ言葉にします。
例文:「わあ、思っていたより大きいですね」「この席、窓から緑が見えていいですね」「このお店、〇〇さんが選んでくださったんですよね。雰囲気がすごく好きです」
②質問より「感想に感想を返す」
何が起きているか:「お仕事は何時までですか」のような事実の質問は、答えが出たところで終わります。一方、「おいしいですね」に「本当に。このソース、少し甘いのがいいですね」と感想を重ねると、会話は横に広がっていきます。
デートの場面:仮交際のデートで話が止まるのは、多くが「質問して、答えて、終わり」の繰り返しになったときです。感想のやりとりには終わりがありません。
例文:相手「この映画、最後ちょっと泣きそうになりました」
あなた「わかります。私はお父さんが駅で待っている場面がだめでした。〇〇さんはどこでしたか?」
③相手のうれしい話には、全力で乗る
何が起きているか:うれしい出来事を話したとき、相手がどう反応するかで、関係の満足度が変わることがわかっています。とくに、関心をもって、前向きに、くわしく聞き返す反応は、関係の良さや信頼と結びついていました。反対に、話を流したり、自分の話にすり替えたりする反応は、関係にとってマイナスでした(Gable et al., 2004)。
デートの場面:「最近、仕事で企画が通って」「週末、ずっと行きたかったお店に行けたんです」。こういう話が出たら、それはデートでいちばんの話題です。
例文:「えっ、すごいですね。どんな企画なんですか?」「通ったとき、どんな気持ちでしたか?」
「私も前に似たことがあって」と自分の話に移るのは、相手が話し終えてからにしましょう。
④質問は、一問ではなく「場面」で聞く
何が起きているか:「趣味は何ですか」のような大きな質問は、答えが一言で終わりがちです。場面を指定すると、相手の頭に映像が浮かび、話しやすくなります。
デートの場面:2回目以降のデートでは、プロフィールで知っていることを、場面の質問に変えて聞き直すと、同じ話題でも新しい会話になります。
例文:「料理がお好きって書いてありましたよね。最近、自分でも上手くできたと思った一品ってなんですか?」「休日の朝って、起きて最初に何をしますか?」
⑤自分の話は「半歩だけ」先に出す
何が起きているか:自分のことを打ち明けると、相手からも打ち明けてもらいやすくなり、お互いの好意も深まりやすいことが、多くの研究をまとめた分析で示されています(Collins & Miller, 1994)。ただし、一方的に長く話すのではなく、相手が乗りやすい小さな話を先に出すのがコツです。
デートの場面:相手が無口なタイプのとき、質問ばかりだと相手は尋問のように感じてしまいます。まず自分の小さな話を出してから、同じ質問を相手に渡します。
例文:「私、実は方向音痴で、今日もここに来るまで一回迷いました。〇〇さんは、道は強いほうですか?」
⑥返しの速さは、うなずきで生まれる
何が起きているか:友人同士と初対面同士の会話を分析した研究では、相手の話が終わってから返事が始まるまでの間が短い会話ほど、「通じ合っている」と感じられていました。この差は0.25秒より短いレベルで、意識して速く返せるものではなく、相手の話に入り込んでいるときに自然に生まれるものだと考えられています(Templeton et al., 2022)。
デートの場面:だからこそ、相手が話している間に「次の質問」を考えないでください。次の質問を考えていると、耳が半分お留守になり、返しが遅れます。相手の話そのものに集中して、うなずきと小さなあいづちを返しているほうが、会話は自然に速く、なめらかになります。
例文:「うんうん」「へえ、それで?」「えっ、そうなんですか」。これだけで十分です。
⑦前回のデートの「続き」を持っていく
何が起きているか:何度か顔を合わせて話すほど、相手への好意は育ちやすくなります。初対面の同性ペアに実際に会話をしてもらった実験では、話す回数が多いほど相手への好意が高まり、その理由として「ちゃんと応えてもらえた感覚」「一緒にいる心地よさ」「相手をわかってきた感覚」が挙げられていました(Reis et al., 2011)。前回の話を覚えていることは、この3つを一度に満たします。
デートの場面:デートのあと、相手が話していたことを1〜2行メモしておき、次のデートの前に読み返してください。これだけで、次の会話の最初の一言が決まります。
例文:「前に話していた資格の勉強、その後どうですか?」「先週言っていたパン屋さん、行けましたか?」
⑧話題が尽きたら、「ふたりの次」を話す
何が起きているか:過去や現在の話は、いつか尽きます。でも「次にどこへ行きたいか」「今度やってみたいこと」は、ふたりで一緒に考えられる話題なので、いくらでも広がります。
デートの場面:デートの後半で話が止まったら、次のデートの話に切り替えます。自然に次の約束も決まるので、一石二鳥です。
例文:「〇〇さん、秋になったら行きたいところってありますか?」「次は、〇〇さんのおすすめのお店に連れて行ってほしいです」
デートの種類別、会話が続かないときの立て直し方は?
立て直しのコツは、デートの種類ごとに「三人目」がどこにいるかを知っておくことです。場所が変われば、使える三人目も変わります。
食事・カフェデート
三人目は、料理とお店です。メニューを選ぶ時間から会話は始まっています。「どれにするか迷いますね。〇〇さんは甘いもの派ですか、しょっぱいもの派ですか」。
料理が来たら、まず見た目、次に味の感想を言い合います。食べ終わったあとに話が止まったら、「食べものの思い出」に移ると広がりやすいです。「子どものころ、特別な日に食べていたものってありますか?」
席は、真正面より、カウンターやL字に座れる席のほうが、会話に慣れていない方には楽なことが多いです。目線を合わせ続けなくてよく、同じ方向を見ていられるからです。
散歩・街歩きデート
歩いているときは、沈黙がいちばん自然になる時間です。無理に話し続けなくて大丈夫です。
三人目は、景色とすれ違うものすべて。「このあたり、来たことありますか?」「あのお店、気になりませんか?」と、目に入ったものを拾うだけで会話になります。歩くスピードを相手に合わせることも、言葉にしない会話のひとつです。
美術館・水族館・映画
見ている最中は、話さなくていいデートです。会話が苦手な方にはいちばんおすすめしたい場所です。
ポイントは、見終わったあとのカフェ。「いちばん印象に残ったのはどれでしたか?」と聞くと、同じものを見たのに違う答えが返ってきて、そこから価値観の話に自然に進めます。
帰り道・解散の前
最後の5分で、「今日いちばん楽しかった場面」をひとつ言葉にしてください。「〇〇さんが〇〇していたとき、すごく楽しそうで、見ていてうれしかったです」。うまく話せなかった日でも、相手の記憶に残るのはこの終わり方です。
2回目・3回目のデートで話題が尽きたら?
話題が尽きたと感じたら、会話を「浅いところから深いところへ」ひとつだけ降りてみてください。話題そのものを変えるのではなく、同じ話題の深さを変えるのです。
・今ここ:目の前の料理、景色、お店
・最近:この1週間にあったこと、最近はまっていること
・好き:好きな場所、好きな季節、好きな過ごし方
・なぜ:それが好きな理由、そのときの気持ち
・これから:やってみたいこと、行ってみたい場所
たとえば、「最近はまっていること」でキャンプの話が出たら、「なぜキャンプが好きなんですか?」とひとつ深く聞く。「何もしない時間が好きなんです」と返ってきたら、それは休日の過ごし方や、結婚後の暮らし方にもつながる大事な答えです。
話題の数を増やすより、ひとつの話題を一段深くするほうが、デートの会話はずっと豊かになります。
「居られる沈黙」と「詰まる沈黙」は、どう見分ける?
沈黙には2種類あります。ふたりが同じ時間を味わっている「居られる沈黙」と、どちらも話題を探して焦っている「詰まる沈黙」です。怖がるべきなのは後者だけで、前者はむしろ関係が深まっているサインです。
見分けるポイントは、沈黙そのものの長さではなく、沈黙の間の相手の様子です。
・居られる沈黙:相手の表情がやわらかい、景色や料理を見ている、目が合うとほほえむ、沈黙のあと相手から話し始める
・詰まる沈黙:相手がスマホや時計を気にする、目線が落ち着かない、沈黙のあと「えっと」と言葉を探す、会話を終わらせようとする
居られる沈黙は、無理に埋めなくて大丈夫です。詰まる沈黙のときは、「三人目」に目を向けるか、前回の続きの話を出してみてください。どちらもすぐに使えます。
そして、何度かデートを重ねたふたりの間で、居られる沈黙が増えてきたら、それは相手があなたの隣で緊張しなくなってきた証拠です。結婚生活は、毎日話し続ける時間より、黙って隣にいる時間のほうがずっと長いもの。居られる沈黙は、結婚後の居心地のよさを先に試している時間でもあります。
会話が続かないのは脈なし?誤読しやすいケースは?
会話が続かないことだけで、脈なしと判断するのは早すぎます。
会話の量は、好意の量より、その人の性格や緊張の度合いに大きく左右されるからです。とくに次の3つは、脈なしと誤読されやすいケースです。
・緊張で言葉が出てこないタイプ
好意がある相手の前ほど、うまく話せなくなる方は男女ともにいます。会話は少なくても、デートの誘いに前向きで、別れ際に名残惜しそうなら、緊張の可能性が高いです。
・聞き役が得意なタイプ
自分からはあまり話さず、あなたの話をよく聞いてくれる方です。質問は少なくても、あなたの話を覚えていてくれるなら、ちゃんと関心を持っています。
・もともと静かな人
にぎやかに話すことより、静かに一緒にいることに心地よさを感じる方もいます。こういう方との「居られる沈黙」は、むしろ相性のよさかもしれません。
反対に、脈なしの可能性が高いのは、会話の量ではなく、次の日程の話になると返事があいまいになるときです。会話が盛り上がっても、日程が決まらなければ関係は進みません。会話が少なくても、日程が決まるなら関係は進んでいます。
仮交際では、担当カウンセラーを通じてお相手の気持ちを確かめてもらえることもあります。ひとりで悩み続ける前に、ぜひ相談してみてください。
デートの会話で、やってはいけないことは?
いちばん避けたいのは、沈黙を埋めるために、相手のことを考えずに話し続けることです。
ほかにも、次のような会話は、好意があっても逆効果になりやすいので気をつけてくださいね。
・質問を次々に並べる「面接デート」
「兄弟は?」「出身は?」「休日は?」と、答えを受け止める前に次の質問に進むと、相手は尋問されている気持ちになります。
・沈黙がこわくて、自分の話を長く続ける
仕事の実績や知識の話が長くなると、相手は「聞かされている」と感じます。話したら、相手にボールを返しましょう。
・デート中にスマホを見る
沈黙の間にスマホを見るのは、「あなたとの時間より、こちらが気になる」というメッセージに見えてしまいます。
・元恋人の話、ほかのお相手の話
仮交際で並行しているのはお互いさまでも、それを会話に出すと信頼を削るだけです。
・相手を「盛り上げ役」にしてしまう
「何か面白い話してください」は、相手にとっていちばん困る依頼です。会話はふたりでつくるもので、どちらか一方に任せるものではありません。
会話が上手な人は、何が違う?
会話が上手な人は、話がうまい人ではなく、沈黙を誰のせいにもしない人です。
沈黙を「自分が面白くないからだ」と自分のせいにすると、焦って話し続けてしまいます。「相手が話してくれないからだ」と相手のせいにすると、表情が硬くなり、相手はますます話しにくくなります。
持てる人は、沈黙を「ふたりで同じ時間を過ごしているだけ」と受け止めます。そして、先に与える側に立ちます。相手が話しやすいように三人目を指さす。相手のうれしい話を一緒に喜ぶ。自分の小さな失敗を笑って話し、相手の番をつくる。
それは話術ではなく、「この人に居心地よく過ごしてほしい」という気持ちの表れです。
デートは、相手に楽しませてもらう場ではなく、ふたりで居心地のいい時間をつくる場です。そう思えると、会話が途切れることはこわくなくなりますし、不思議と会話そのものも続くようになります。
そして、黙って隣にいても安心できる相手こそが、結婚相手としていちばん長く一緒にいられる人なのかもしれません。
デートのたびにひとりで反省会をしてしまうなら、第三者と一緒に振り返るほうがずっと早く楽になります。
エースブライダルでは、仮交際中のデートの組み立てや会話についても、カウンセラーが一緒に考えています。まずは無料相談で、今の状況をお話ししてみてくださいね。
デート前にできる、会話のチェックリスト
デートの前日に、次の項目を確認してみてください。全部できなくても、2〜3個意識するだけで会話はぐっと楽になります。
□デートの場所に、一緒に見られる「三人目」(景色・展示・料理)がある
□前回のデートで相手が話していたことを、2つ思い出せる
□相手に聞きたい「場面の質問」を1つ用意した
□自分が話せる小さな失敗談や最近の出来事が1つある
□相手がうれしい話をしたら、くわしく聞き返すと決めている
□沈黙が来たら「三人目を見る」と決めている
□デートの最後に言う「今日楽しかった場面」をひとつ探すつもりでいる
□次に行きたい場所の候補を、1つ持っている
まとめ:会話は探すものではなく、三人目と一緒に生まれるもの
デートで会話が続かないのは、話題が足りないからではなく、向かい合って話題を探し続けているからです。
目の前の料理や景色という「三人目」を会話に入れ、事実の質問より感想を交わし、相手のうれしい話に全力で乗り、自分の話を半歩だけ先に出す。これだけで、会話は探さなくても続くようになります。
沈黙は、必ずしも悪いものではありません。居られる沈黙は、ふたりが打ち解けてきたサインです。
そして、話し終えたあとのあなたは、自分で思っているよりずっと好かれています。会話の量より、次の日程が進むかどうかを見ながら、ふたりの居心地のいい時間を少しずつ育てていってくださいね。
よくある質問
Q.デート中の沈黙は、何秒くらいまでなら大丈夫ですか?
A.研究で決まった秒数はありません。私が現場で見てきた目安では、食事中なら数秒から10秒ほど、散歩中ならもっと長くても自然です。長さよりも、相手の表情がやわらかいかどうかを見てください。表情が穏やかなら、無理に埋める必要はありません。
Q.会話が続かない相手とは、相性が悪いのでしょうか?
A.会話が続かないことだけで、相性が悪いとは言えません。緊張や性格で会話の量は大きく変わります。会話が少なくても、一緒にいて疲れない、沈黙が苦にならないなら、むしろ相性がいい可能性もあります。何回かデートを重ねてから判断してください。
Q.デートの前に話題を準備しておいたほうがいいですか?
A.少しだけ準備しておくと安心です。前回の続きの話を2つ、場面の質問を1つ、自分の小さな話を1つ。このくらいを頭に入れておき、あとは目の前の三人目に任せるくらいがちょうどいいと思います。
Q.相手が無口で、何を聞いても一言で終わってしまいます。
A.質問の形を変えてみてください。大きな質問より、二択や具体的な場面の質問のほうが答えやすくなります。それでも短い場合は、先に自分の小さな話を出してから同じ質問を渡すと、相手は答え方の見本がわかって話しやすくなります。
Q.会話が盛り上がらなかったデートのあと、お礼LINEはどうすればいいですか?
A.いつもどおり、その日のうちに送ってください。盛り上がらなかったと感じていても、相手はそう思っていないことがよくあります。その日の具体的な場面をひとつ入れ、次につながる一文を添えるのがおすすめです。「〇〇のパスタ、本当においしかったですね。次は〇〇さんのおすすめのお店も教えてください」。
Q.会話が苦手でも、真剣交際に進めますか?
A.進めます。真剣交際に進むふたりは、話がうまいふたりではなく、一緒にいて安心できるふたりです。会話の上手さより、相手の話を覚えている、相手のうれしい話を一緒に喜べる、といった積み重ねのほうが、ずっと大事にされます。
参考にした研究・資料
・Koudenburg, N., Postmes, T., & Gordijn, E. H. (2011). Disrupting the flow: How brief silences in group conversations affect social needs. Journal of Experimental Social Psychology, 47(2), 512-515.
・Boothby, E. J., Cooney, G., Sandstrom, G. M., & Clark, M. S. (2018). The liking gap in conversations: Do people like us more than we think? Psychological Science, 29(11), 1742-1756.
・Gable, S. L., Reis, H. T., Impett, E. A., & Asher, E. R. (2004). What do you do when things go right? The intrapersonal and interpersonal benefits of sharing positive events. Journal of Personality and Social Psychology, 87(2), 228-245.
・Collins, N. L., & Miller, L. C. (1994). Self-disclosure and liking: A meta-analytic review. Psychological Bulletin, 116(3), 457-475.
・Templeton, E. M., Chang, L. J., Reynolds, E. A., Cone LeBeaumont, M. D., & Wheatley, T. (2022). Fast response times signal social connection in conversation. Proceedings of the National Academy of Sciences, 119(4), e2116915119.
・Reis, H. T., Maniaci, M. R., Caprariello, P. A., Eastwick, P. W., & Finkel, E. J. (2011). Familiarity does indeed promote attraction in live interaction. Journal of Personality and Social Psychology, 101(3), 557-570.
・IBJ「お見合い・交際のマナー」https://www.ibjapan.com/success/manners/
この記事を書いた人
関口美奈子(せきぐち みなこ)
恋愛心理研究家・作家。結婚相談所エースブライダルとメンズ眉毛サロンWinsome(新宿・吉祥寺・高円寺)を運営。のべ3万人以上の男女と向き合ってきた現場経験と心理学をもとに恋愛・結婚・人間関係・コミュニケーションを執筆し、自治体や企業、官公庁でも講演。著書はKADOKAWAほかより刊行、中国韓国台湾で翻訳出版。
公式サイト https://sekiguchiminako.com/
著書:『最初の男になりたがる男 最後の女になりたがる女』『気遣いを恋と勘違いする男 優しさを愛と勘違いする女』『働く人の悩みを89%解決する コミュニケーションの極意』
「会話が続かない自分は、結婚に向いていないのかも」と思っているなら、それは違います。会話は才能ではなく、場のつくり方と気持ちの向け方で変わります。
デートの組み立てから、会話の振り返りまで、一緒に考えてみませんか。無理な勧誘はしませんので、気軽にお話しにいらしてくださいね。