「キュンとしないから、やめたほうがいい?」
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「何かが足りない」と思ってしまう
37歳のある女性は、真剣交際を前に迷っていました。
お相手は誠実な方で、毎週きちんと会い、約束も守る。
彼女の話も丁寧に聞いてくれます。
友人に相談すると、「そんな人、なかなかいないよ」と言われます。
頭では、その通りだと思うのです。
それなのに帰宅すると、こんな考えが浮かびます。
「この人で本当に決めてしまっていいのかな。」
「もっとドキドキする人がいるんじゃないかな。」
その迷いが消えませんでした。
アプリで感じていた「恋愛」とは違いました
面談で、私は以前の恋愛について尋ねました。
すると彼女は、少し笑いながら話してくれました。
「アプリで好きになる人って、いつも同じタイプなんです。」
女性の扱いが上手で、会話が弾む。
LINEが来るだけでうれしくなり、次のデートが待ち遠しい。
でも、その恋は長続きしませんでした。
連絡が減り、自然消滅したこともあります。
真剣交際を望んでいると言いながら、実は他にも女性がいたこともありました。
「毎回傷つくのに、また同じタイプを好きになるんですよね。」
彼女は苦笑いしていました。
仲人が解いていたのは、「相性」ではありません
私は彼女に、こう尋ねました。
「その男性たちと会った日の夜は、どんな気持ちでしたか?」
「ずっとスマホを見ていました。返信が来るか気になって。」
「では、今の彼と会った日は?」
彼女は少し考えてから答えました。
「普通に眠れます。」
私は笑って言いました。
「それ、悪いことじゃないですよね。」
刺激が強い恋愛では、脳はドーパミンの影響を強く受けます。
「もっと会いたい」「もっと欲しい」と感じる反面、不安や依存も生まれやすくなります。
一方で、安心できる相手と一緒にいる時間は、オキシトシンが働きやすくなります。
派手な高揚感はありません。
でも、「この人の前では無理をしなくていい」という感覚が、少しずつ育っていくのです。
「退屈」ではなく、「安心」でした
それから彼女は、「キュンとするかどうか」ではなく、別のことを観察するようになりました。
この人と会ったあと、自分は疲れていないだろうか。
つまり、嫌われないように頑張り過ぎていないだろうか。
素の自分で「また会いたい」と思えているだろうか。
そうやって見つめ直すうちに、一つの変化がありました。
「彼といる日は、家に帰っても心が静かなんです。」
以前は、その静けさを「物足りない」と思っていました。
でも実際には、恋愛に振り回されずに済む安心感だったのです。
結婚は、「興奮」より「回復」が続く相手を選ぶこと
彼女は半年後、その男性と成婚されました。
退会の日、私は「何が決め手になりましたか」とお聞きしました。
彼女は少し考えて、こんな言葉を返してくださいました。
「一緒にいると元気になる人はいました。でも、この人は、一緒にいると癒される人だったんです。」
私は、その表現に思わずうなずきました。
恋愛では、興奮させてくれる人に惹かれることがあります。
でも結婚生活は、何十年という日常です。
仕事で疲れた日も、体調を崩した日も帰ってきます。
そんな人生で本当に支えになるのは、「会うたびに心が消耗する相手」ではなく、「会うたびに心が整っていく相手」なのです。
ワーク:
次のデートのあと、自分に一つだけ質問してみてください。
「私は今日、この人といて元気を使っただろうか。それとも、元気を取り戻せただろうか。」
婚活では、「キュンとしたか」よりも、この答えのほうが、十年後の幸せを教えてくれることがあります。
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