第8話 生まれる前から守られていた命
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なぜ私が「逆境は好運の始まり」を書いたのか
第8話 生まれる前から守られていた命
前回、私は
「父がいなかったら
この世に生まれていませんでした」
とお話ししました。
今日は、
その理由をお話しいたします。
私が小学校高学年の頃、
母と大喧嘩をしたことが
ありました。
その時、
母は怒りのあまり
私にこう言いました。
「あなたを産むつもりは
なかった。」
私は言葉を失いました。
母は続けました。
「あなたを産まないために
薬を飲んでいた。」
「あなたは、
お父さんがいなかったら
産まれていない。」
時間が止まりました。
何を言われたのか
理解できませんでした。
私はその話を
ずっと心の中に
しまっていました。
そして数年後、
父に聞きました。
「お父さん、
お母さんから聞いたんだけど、
本当なの?」
父はしばらく黙り、
遠くを見るような目で
話し始めました。
「本当だよ。」
「お前がお腹にいる時な、
お母さんは薬を
飲んでいたんだ。」
「ある日な、
タンスの上に
薬が置いてあったから、
どうしたんだ?
風邪でもひいたのか?
って聞いたんだ。」
「そうしたらな、
お母さんの顔色が
変わったんだよ。」
「どうした?」
「何かあったのか?」
そう聞くと、
お母さんは
お腹をさすりながら
泣き出したんだ。
『赤ちゃんが……』
ってな。」
「できたのか!」
って聞いたら、
お母さんは
泣きながら
うなずいたんだ。
「じゃあ、
この薬は何なんだ?」
そう聞いたら、
お母さんがな、
声をあげて泣きながら
こう言ったんだ。
『この子を
産まないための薬なの。』
って。」
父は少し黙り、
そして続けました。
「だからな、
お父さんは
お願いしたんだよ。」
「頼むから
産んでくれ。」
「頼むから
この子を産んでくれ。」
何度も何度も
お願いしたんだ。」
母は悩みました。
何日も何日も
父と話し合ったそうです。
そして、
母は、産むという決断を
してくれました。
私には
四つ上の兄がいます。
けれど、
それだけでは
ありませんでした。
もし皆が無事に
生まれていたら、
私は二人兄弟ではなく、
六人兄弟でした。
四人の兄弟姉妹は
天国にいます。
今振り返ると、
母も苦しかったのだと
思います。
父も苦しかったと
思います。
それでも二人は、
私をこの世に
送り出してくれました。
生まれる前から、
私は守られていました。
父に守られ、
母に守られ、
たくさんの人に支えられながら、
六十三年間、生かされてきました。
私は今、
強く思います。
人は一人で
生きているのではない。
生かされている。
だからこそ、
この命を
大切にしたい。
そう思うのです。
次回は、
コロナ禍での母との別れ。
そして、
母が私に遺した最後の願い。
さらに、
幼い頃に聞いた不思議な言葉。
私が神職への道を歩むことになった
不思議なご縁についてお話しいたします。
次回へ続く。
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「逆境は好運の始まり」369Hz
https://youtu.be/S-oWP4GZ8wA?si=EsblxVvgQs9yVfri
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