「こんな私を知られたら嫌われるかも」を超えられた日
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好きだからこそ、隠したくなる傷がある
真剣交際へ進むと、多くの人が将来の話を始めます。
住む場所や仕事のこと。
親への挨拶や結婚後の生活。
そうした話題が増える一方で、なかなか口にできないテーマもあります。
それは、自分の弱さや傷についてです。
今回の女性会員さんも、その一人でした。
彼との交際は順調でした。
一緒にいると安心できるし、結婚相手としても信頼できる。
それでも、心のどこかでブレーキが掛かっていました。
過去の経験から、男性と身体的に近づくことに強い恐怖があったのです。
彼のことは好きなのに、距離が近づく場面になると身構えてしまう。
そのたびに、
「こんな私では結婚できないかもしれない」
と自分を責めていました。
彼女が恐れていたのは過去ではなく未来だった
面談で話を聞いていると、彼女は何度もこう言いました。
「昔のことはもう終わったことなんです」
確かに過去そのものは変えられません。
けれど彼女が本当に怖かったのは、過去ではありませんでした。
その話を知った彼が離れていくことでした。
重いと思われるかもしれないし、面倒な女性だと思われるかもしれない。
結婚相手として見てもらえなくなるかもしれない。
そう考えると、なかなか言い出せなかったのです。
婚活では、この不安を抱えている人は少なくありません。
体型へのコンプレックス。
女性特有の病気の経験。
家族の問題。
人によって内容は違いますが、
「知られたら嫌われるかもしれない」
という怖さの構造はよく似ています。
カウンセラーが最初にしたこと
こういう時、私たちはすぐに
「話した方がいいですよ」
とは言いません。
まず行うのは気持ちの整理です。
何が怖いのか。
相手に何を知ってほしいのか。
どこまでなら話せそうなのか。
そこを一緒に言語化していきます。
今回の女性も面談を重ねる中で、自分の本音が見えてきました。
彼に理解してほしい。
でも同情はされたくない。
特別扱いも望んでいない。
ただ、自分の反応には理由があることだけは知っておいてほしい。
そう思っていたのです。
本音が整理できると、不思議なことに少しずつ恐怖も小さくなっていきます。
彼が見ていたのは傷ではなく誠実さだった
その後、彼女は勇気を出して彼に話しました。
もちろん緊張したそうです。
何度も言葉を選びながら、自分の過去と今の気持ちを伝えました。
すると彼はしばらく黙って聞いていました。
そして、
「話してくれてありがとう」
と返したそうです。
さらに、
「勇気が必要だったんだろうね」
とも言いました。
彼女は後から、
「責められなかったことより、分かろうとしてくれたことが嬉しかった」
と話してくれました。
その言葉がとても印象に残っています。
成婚する人は完璧だから結ばれたわけではない
婚活をしていると、もっと痩せたら。
もっと若かったら。
もっと経験があったら。
そんなふうに、自分に足りないものばかり見てしまうことがあります。
でも実際の成婚現場では、完璧な人などほとんどいません。
誰にでも不安があります。
誰にでも弱点があります。
大切なのは、それを安心して話せる関係になれるかどうかです。
そして、その話を聞いた相手がどんな反応をするかです。
今回の男性も、彼女の過去を評価したわけではありませんでした。
むしろ、
「これから一緒に向き合えばいい」
と考えていたのです。
弱みを見せられた時、本当の信頼が始まる
成婚退会の日、彼女はこんな話をしてくれました。
「今思うと、隠していた時の方が苦しかったです」
それはとても本質的な言葉だと思いました。
私たちはつい、自分の弱みを知られないように頑張ります。
でも結婚とは、人生を共有することです。
嬉しいことだけでなく、不安も弱さも持ち寄りながら生きていく関係です。
今回の二人が結婚を決めた理由も、傷が消えたからではありませんでした。
彼女が勇気を出して打ち明けたこと。
そして彼がその傷ごと受け止めようとしたこと。
その経験によって、
「この人となら大丈夫かもしれない」
という信頼が生まれたのです。
ワーク:
もし今、
「相手に知られたくないこと」
を抱えているなら、一度考えてみてください。
それは本当に隠し続けなければならないことでしょうか。
それとも、
「知られたら嫌われる」
と思い込んでいるだけでしょうか。
もちろん無理に話す必要はありません。
ただ、一人で抱え込まずにカウンセラーへ相談することはできます。
弱みや傷は、婚活の不利になるとは限りません。
誠実に向き合った経験そのものが、相手との信頼を深めるきっかけになることもあるのです。
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