真剣交際に進む人が最後に手放すもの
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「この人しかいない」じゃなかった
婚活をしていると、不思議なことが起きます。
お見合いが成立しなかった頃は、
「まずは誰かと交際したい」と思っていたはずなのに、
いざ複数の人と会えるようになると、
今度は決められなくなる。
どの人も悪くない。
でも、決定打もない。
もっと相性のいい人がいるかもしれない。
もう少し活動を続けたら、もっと好きになれる人と出会えるかもしれない。
そんな思いが頭をよぎる。
そして気づけば、何ヶ月も同じ場所をぐるぐる回っている。
これは30代後半の婚活では珍しい話ではありません。
むしろ真面目に活動している人ほど陥りやすい迷路です。
今日は、プレ交際で複数の女性と会いながらも、
なかなか真剣交際へ進めなかった38歳男性が、
最後に何を手放して決断したのかを書いてみたいと思います。
彼は「選ばれない悩み」より、「選べない悩み」を抱えていた
婚活を始めたばかりの頃、彼はなかなかお見合いが成立しませんでした。
だから当時は、
「まずは会えるようになりたい」
と思っていた。
ところが活動を続けるうちに状況が変わる。
プロフィールも改善され、会話にも慣れ、交際へ進めるようになった。
すると今度は別の問題が出てきます。
選べない。
会話が楽しい女性もいる。
価値観が近い女性もいる。
見た目が好みの女性もいる。
誰にも大きな欠点はない。
だからこそ決められない。
一見すると贅沢な悩みに見えますが、本人にとってはかなり苦しい状態です。
なぜなら比較している限り、誰も選べなくなるからです。
比較を続けると、人は目の前の人を見なくなる
婚活で迷い始めた人によく起きる現象があります。
相手を見るのではなく、相手同士を比較し始める。
Aさんより会話が楽しい。
Bさんより価値観が近い。
Cさんより見た目が好み。
すると、目の前の人との関係そのものが見えなくなっていく。
本来、結婚は「誰と人生を作るか」を考える営みです。
ところが比較モードに入ると、
「誰が一番条件が良いか」
を考えるゲームになってしまう。
そして、このゲームには終わりがありません。
なぜなら、いつだって「もっと良いかもしれない人」が存在するからです。
彼女だけが覚えていた
転機は、本当に小さな出来事でした。
ある日のデートで、彼女がふと尋ねたそうです。
「そういえば、お父さまの検査結果どうでしたか?」
彼は一瞬、何の話かわからなかった。
それは一ヶ月以上前のデートで、ほんの少しだけ話した内容だったからです。
父親の体調の話。
自分でも忘れかけていた。
でも彼女は覚えていた。
しかも話題として出したというより、自然に気にかけていた。
その後も、
「前に好きって言っていたお店、今度行ってみませんか?」
と話した。
彼はその時、妙な感覚になったそうです。
嬉しいというより、安心に近かった。
人は「理解された」と感じた時に、初めて未来を想像する
婚活では条件が語られます。
年収。学歴。
職業。住んでいる場所。
もちろん、どれも大切です。
でも成婚した人たちの話を聞いていると、最後の決め手は意外と違う。
「この人は、自分をちゃんと見てくれている(大事にしてくれそう)」
という感覚なんです。
それは派手な愛情表現ではありません。
サプライズでもない。
ただ、自分の話を覚えている。
自分の気持ちを気にかけている。
自分を雑に扱わない。
そんな小さな積み重ねです。
彼が惹かれたのも、まさにそこでした。
他の女性より魅力的だったからではない。
他の女性より美しかったからでもない。
ただ、自分という人間に最も関心を向けてくれていた。
それが伝わってきたんです。
カウンセラーが見ていたのは、彼の言葉ではなく表情だった
面談で彼は言いました。
「まだ迷っています」
婚活ではよく聞く言葉です。
でも担当カウンセラーは少し違うところを見ていました。
彼は他の女性の話をする時と、その彼女の話をする時で表情が違った。
話す量も違う。
声のトーンも違う。
そして何より、
未来の話が自然に出てくる。
どこに住むか。
どんな休日になるか。
結婚後の生活はどうなるか。
本人は迷っていると言う。
でも心は少しずつ決まっていたんです。
最後に手放したのは、「もっと良い人がいるかもしれない」という幻想
面談の終盤で、カウンセラーは彼にこう尋ねました。
「迷っているのは、その女性ですか。それとも他の可能性ですか?」
彼は答えられませんでした。
でも帰宅してから、その言葉が頭から離れなかったそうです。
そして気づいた。
彼は彼女に迷っていたわけではない。
他の選択肢を失うことが怖かった。
もっと良い人がいるかもしれない。
もっと相性の良い人が現れるかもしれない。
その可能性を捨てきれなかった。
でも、その幻想を握り続ける限り、誰とも前へ進めない。
ようやく彼はそこに気づいたんです。
「この人しかいない」ではなく、「この人を逃したくない」
真剣交際へ進んだ後、彼はこんなことを話していました。
「正直、“この人しかいない”と思ったわけじゃないんです」
これはとても正直な言葉だと思います。
結婚する人の多くは、実はそうです。
運命の相手を発見したわけではない。
完璧な確信を得たわけでもない。
ただ、
「この人との縁を、自分の迷いで終わらせたくない」
と正直に思った。
だから一歩踏み出した。
真剣交際とは、ある意味で比較を終わらせる決断です。
そして比較を終えた人だけが、本当の意味で相手と向き合えるようになる。
まとめ
婚活では、「この人でいいのか」と考えてしまいます。
でも成婚する人たちは、どこかで問いを変えています。
「もっと良い人はいるか」
ではなく、
「私はこの人と向き合いたいか」へ。
真剣交際に進む決め手は、完璧な確信ではありません。
自分を理解しようとしてくれる相手と、これからの時間を育てていこうと思えること。
そして、
「この人しかいない」
ではなく、
「この人を逃したくない」
と思えた時、人はようやく比較する旅を終えるのかもしれません。
ワーク:
今、交際中の相手がいる方は、一度ノートに書き出してみてください。
その人は、自分のどんな話を覚えてくれているでしょうか。
また、自分はその人のどんな話を覚えているでしょうか。
そして最後に、
「私は相手を比較しているのか、それとも向き合おうとしているのか」
を自分に問いかけてみてください。
真剣交際への扉は、条件比較の先ではなく、
目の前の一人と「真剣に」向き合う覚悟の先にあるのかもしれません。
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