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私の婚活物語 「え?弟が結婚?」 【3】

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私の婚活物語「え?弟が結婚?」 【3】

今回のブログは、婚活物語の第3です。

 

完全にフィクションの話になります。

 

でも、実際にありそうなエピソードを満載して、日々婚活に奮闘している方々に共感してもらえるようなお話にしていきたいと思っております。

 

それでは、楽しんでいただけると嬉しいです。

 

私の婚活物語

 

「え?弟が結婚?」

【3】

 

 

母と私、そして父が一斉に玄関の方向を見る。ただ、リビングから直接玄関は見えない。

「ただいまあ」

健司の声がした。

はっと、母と私は顔を見合わせる。母が軽く顎を引いてから、玄関に向かった。

「おかえりなさい」

玄関から響く母の声が軽く上ずっている気がする。

「ただいま。こちらが河野香里さん」

「こんばんは。初めまして」

明るい声が聞こえてきた。

「いらっしゃい。お待ちしてたのよ」

「さ、入ろう」

「どうぞどうぞ」

「おじゃまします」

三人の声が混ざり合いながら、近づいてくる。

母に続いて、弟が、そして弟の彼女が居間に入ってきた。

 

「失礼します」

そう言って、リビングに入って来た彼女は、ふわっとした薄ピンク色のワンピースを着ていた。

遠慮がちに視線をめぐらせて、仁王立ちしている私とソファに固まったまま座っている父を確認すると、慌てたように頭を下げる。

「こんばんは。今日はお招きありがとうございます」

「あ、ああ。いらっしゃい」

父がかろうじて応えている。

「河野香里と申します」

顔を上げた彼女が、くりっとした大きな瞳をほんの少し細めて微笑んだ。

うわっ。なに、可愛いじゃないの。

香里さんという小柄な彼女は、りすのような、どこか小動物に似た可愛さがあった。

いや、待て。そんな笑顔にごまかされないからね。

私は軽く自分の頭を振った。

 

「あ、これ。つまらないものですが」

彼女、香里さんが紙袋から有名な和菓子店の包みを差し出して母に渡している。

「あら、ありがとう。ここのお菓子、美味しいのよね」

その言葉に、香里さんが嬉しそうにニコッと笑った。

母が視線でテーブルの方を指し示す。

「さ、座って座って」

 

結局、父が誕生日席に座り、母と私が並んで目の前に健司と香里さん。そう、私の正面には香里さんがいた。

まず、一応、健司が香里さんを紹介した。

「ええっと。職場で知り合って、二年前から付き合ってたんだ。歳は同い年」

二年間かあ、そう思って、思わず二人の顔を見てしまった。

「母さん、全然知らなかったわ」

「いや、でも。付き合っていても、いちいち親に報告しないわよ」

拗ねたように言う母に、思わず私がフォローしてしまった。

「まあ、まあ、とりあえず、乾杯しよう」

父がグラスを持ち上げた。

 

会食は穏やかに、でも少なからず緊張を含んで進んでいった。

香里さんは美味しそうに、見かけによらずたくさん食べた。

ひとくち食べては、おいしい!と感激したように目を見開いている。

「このカプレーゼ、美味しい。絶品ですね。トマトもモッツアレラもすごいフレッシュ」

キラキラした瞳でそんなことを言ってくれる。だから、つい、香里さんの品定めをしているってことを忘れて、私も弾んだ声を出してしまっていた。

「分かる?このトマトもモッツアレラチーズも産地直送なのよ」

「ええっ、どこで売ってるんですか?教えてください」

そんな可愛いこと言ってくれるものだから、つい、私もぺらぺらと喋っちゃって。

 

「ねえ、香里さん、お料理は?」

ふいに、母の声が割って入ってきた。

~ to be continued ~

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