セックスだけが「愛情のバロメーター」じゃない
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先日のブログでは、「身体の相性」について研究をもとに考えてみました。
そこでお伝えしたのは、
身体の相性は、最初から「合う・合わない」だけで決まるものではない。
関係がよく、安心して話し合えるからこそ、身体の相性もよくなっていく。
ということ。
とはいえ、身体のことは「話し合える」だけではなく、実際に触れ合うことで感じられることもありますよね。
手をつなぐ。
ハグをする。
キスをする。
隣に寄り添う。
そんなスキンシップでも、二人の親密さは深まっていくのではないでしょうか。
そして、そこから「この人との身体的な距離を、自分はどう感じるのか」を知ることはできるのでしょうか。
今回は、スキンシップと二人の関係について調べてみました。
こんにちは。
福井の結婚相談所Auspicious、清水です。
スキンシップも、大切なコミュニケーション
研究では、手をつなぐ、ハグをする、キスをするなど、愛情を伝えるための触れ合いを affectionate touch(愛情を伴う触れ合い) と呼びます。
2021年には、39組のカップルを2週間追跡した研究が発表されています。
一部のカップルには、二人が同じ場所にいるとき、スマートフォンを通じてパートナーへの身体的な愛情表現を促しました。
すると、普段自然に行われている触れ合いの影響を考慮しても、身体的な愛情表現を促されたときには、その瞬間に感じる親密さが高くなったことが確認されました。
[この研究を見る]
つまり、触れ合うことそのものが、二人の「近さ」を感じるコミュニケーションになっているということです。
言葉で「大切に思っている」と伝えることもあれば、手をつないだり、そっと触れたりすることで伝わるものもある。
どちらも、二人の関係を深めていく方法なのだと思います。
触れ合うことで「つながっている」と感じる
日常生活の中での触れ合いを調べた研究もあります。
2013年、102組の交際中のカップルに、1週間、1日4回、そのときの二人のやり取りを記録してもらいました。
その結果、パートナーとの触れ合いは、ポジティブな感情と関連していました。
そして、その間をつないでいたのが心理的な親密さでした。
[この研究を見る]
触れ合う。
そこから、「この人とつながっている」「近くにいる」「親しい関係なんだ」という感覚が生まれる。
スキンシップは、ただ身体に触れるだけではなく、二人の心の距離にも関係しているのです。
「手をつなぐ」で感じられること
私は、仮交際が進んできた会員さんに、「そろそろ手をつないでみたら?」とお伝えすることがあります。
恋人らしいことをしてほしいからではありません。
実際に触れ合ったとき、自分がどう感じるのかを知ってほしいからです。
手をつなぐことについて、有名な研究があります。
2006年、16人の既婚女性に、軽い電気ショックを受ける可能性がある状況で、
夫の手を握る
知らない男性の手を握る
誰の手も握らない
という3つの条件で、脳の反応を調べました。
すると、夫の手を握っているときには、脅威に反応する脳領域の活動が弱まっていました。
さらに、夫婦関係の質が高い女性ほど、その効果が強く見られています。
[この研究を見る]
もちろん、手をつないだだけで二人の相性のすべてが分かるわけではありません。
でも、実際に触れてみると、「あ、なんだか安心するな」「思っていたより自然だな」「少しドキドキするけれど、もう少し近づいてみたいな」そんな感覚が生まれることがあります。
反対に、「なんとなく身体がこわばる」「ちょっと離れたいな」と感じることもあるでしょう。
大切なのは、手をつなげたかどうかではなく、そのとき自分がどう感じたか。
そこには、会話だけでは分からなかった自分の感覚があります。
キスも、二人の関係を深めるスキンシップ
キスについて調べた研究もあります。
2009年の研究では、結婚または同棲している52人を二つのグループに分け、一方には6週間、普段よりキスの回数を増やしてもらいました。
その結果、キスを増やしたグループでは、比較対象のグループよりも関係満足度が高まり、感じているストレスも低下しました。
[この研究を見る]
キスも、ただ「恋人だからすること」ではないのですね。
手をつなぐより、もう少し身体的な距離が近くなる。
そのとき、
心地いいと感じるのか。
自然に受け入れられるのか。
もう少し近づきたいと思うのか。
実際に触れ合ってみるからこそ分かる、自分の感覚があります。
「スキンシップの相性」もある
そして、今回調べていて私がとても興味深いと思った研究があります。
2025年には、1,832人を対象にした調査と、86組の実際のカップルを対象にした調査から、パートナーとの身体的な愛情表現をどのくらい心地よいと感じるかと、二人の関係について調べた研究が発表されています。
その結果、二人がスキンシップを心地よいと感じているほど、関係の幸福度も高い傾向が確認されました。
また、「自分と相手ではスキンシップへの心地よさが違う」と感じていることも、関係の幸福度と関連していました。
ただし、単純に二人の好みがぴったり一致すること以上に、二人とも触れ合うことを心地よいと思えていることが大切である可能性も示されています。
[この研究を見る]
これは、婚活でも大切な視点だと思います。
人によって、心地よいスキンシップは違います。
手をつなぐのが好きな人。
ハグが好きな人。
外ではあまり触れ合いたくない人。
二人きりなら、たくさん触れ合いたい人。
どれが正しいということではありません。
「私は、どんな触れ合いを心地いいと感じるんだろう」
それを知ることも、自分の身体的な感覚を知ることです。
触れ合うと、相手のことも見えてくる
スキンシップをしてみると、自分の感覚だけではなく、相手の関わり方も見えてきます。
こちらの様子を見ながら距離を縮めてくれるのか。
自分のペースだけで進んでいくのか。
少し戸惑っていることに気づいてくれるのか。
こちらが「もう少しゆっくりがいい」と伝えたとき、受け止めてくれるのか。
身体の相性というと、「触れたときに心地いいか」だけを考えがちです。
でも私は、お互いの感覚やペースを大切にしながら、二人の身体的な距離をつくっていけるかが、とても大切だと思っています。
それは、先日のブログでお伝えした「話し合える二人」にもつながってきます。
「私は手をつなぐの、好きだった」
「大勢の前での手つなぎはちょっと恥ずかしいな」
「二人だけの時はくっついて座りたい」
「ハグされると包み込まれるみたいで安心する」
自分の感覚を伝える。
相手の感覚も聞いてみる。
そのやり取りを重ねながら、二人にとって心地よい距離を見つけていく。
身体の相性も、そうやって育てていけるものの一つなのだと思います。
小さなスキンシップから、二人を知っていく
身体の相性が気になるときは、二人の間にあるスキンシップにも目を向けてみてください。
手をつないだときの安心感。
ハグをしたときの心地よさ。
キスをしたときの感覚。
隣に寄り添ったときの距離感。
触れられたときに、自分が自然でいられるか。
そして、自分のペースを相手が大切にしてくれるか。
そんな一つひとつの触れ合いの中にも、相手を知るための情報はたくさんあります。
それも、二人の愛情を深め、相性を育てていく大切なコミュニケーションなのです。
身体の相性について不安を感じている方、「こんなこと相談していいのかな?」と思うことも含めて、無料カウンセリングでお話しくださいね。
参考にした研究
**Durbin, K. B., Debrot, A., Karremans, J. & van der Wal, R.(2021)**
*Can We Use Smartphones to Increase Physical Affection, Intimacy and Security in Couples? Preliminary Support From an Attachment Perspective.*
39組のカップルを2週間追跡し、身体的な愛情表現を促すことと親密さとの関係を調べた研究。
[研究を見る]
**Debrot, A., Schoebi, D., Perrez, M. & Horn, A. B.(2013)**
*Touch as an Interpersonal Emotion Regulation Process in Couples' Daily Lives: The Mediating Role of Psychological Intimacy.*
102組のカップルの日常を調査し、触れ合い、心理的な親密さ、ポジティブな感情との関連を調べた研究。
[研究を見る]
**Coan, J. A., Schaefer, H. S. & Davidson, R. J.(2006)**
*Lending a Hand: Social Regulation of the Neural Response to Threat.*
既婚女性16人を対象に、夫と手をつなぐことと、脅威に対する脳反応との関係を調べた研究。
[研究を見る]
**Boren, J. P., Floyd, K., Hannawa, A. F., Hesse, C., McEwan, B. & Veksler, A. E.(2009)**
*Kissing in Marital and Cohabiting Relationships: Effects on Blood Lipids, Stress, and Relationship Satisfaction.*
結婚・同棲中の52人を対象に、キスを増やすこととストレスや関係満足度との関係を調べた実験研究。
[研究を見る]
**Sgambati, S., Holmberg, D. & Blair, K. L.(2025)**
*In Sync? Assessing Partners' Similarities in Comfort With Physical Affection-Sharing as a Predictor of Relationship Well-Being.*
1,832人の個人調査と86組のカップル調査から、愛情を伴うスキンシップへの心地よさと、関係の幸福度との関連を調べた研究。
[研究を見る]
※この記事では、恋愛関係やカップルについての研究から分かっている一般的な傾向をご紹介しています。スキンシップへの感じ方には個人差があります。また、手をつないだりキスをしたときの感覚だけで、その後の身体的な関係まで予測できることを示した研究ではありません。