「体の相性」が結婚の決め手!?
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無料カウンセリングに来られた方から、
「結婚するなら、身体の相性も大切なのではないですか?」という質問をよくいただきます。
そして実際に交際が進んでくると、
「このまま成婚退会して、そのあと身体の相性が合わなかったらどうしたらいいんですか?」と不安を口にされる方もいらっしゃいます。
結婚相談所の活動では、成婚退会まではプラトニックな関係を重視しています。
それは、まだ結婚すると決まっていない段階で身体の関係を持ち、もし交際が終了した場合に、お互いが必要以上に傷ついてしまうことを防ぐためでもあります。
だからこそ、「身体の相性を確かめないまま、結婚を決めて本当に大丈夫なの?」という疑問が出てくるのだと思います。
では、「身体の相性」とは、実際に関係を持ってみなければ分からないものなのでしょうか。
今回は、身体の相性とパートナーとの関係について研究した論文を調べてみました。
こんにちは。
福井の結婚相談所Auspicious、清水です。
「相性」は、最初から決まっているものではない
身体の相性は、最初から「合う・合わない」だけで決まるものではない。
そして、
関係がよく、安心して話し合えるからこそ、身体の相性もよくなっていく。
2017年に発表された研究では、性的な満足について人がどのような考え方を持っているのかを調べています。
研究者たちは、大きく二つの考え方に注目しました。
●「自分と性的に相性のいい相手を見つければ、自然とうまくいく」という考え方で、研究では「sexual destiny beliefs」と呼んでいます。
●「満足できる性的な関係は、お互いを知り、工夫しながら二人で育てていくもの」という「sexual growth beliefs」です。
オンライン調査、21日間の追跡調査、カップルを対象とした研究など6つの研究、合計1,896人を調べた結果、「性的な関係は育てていける」と考える傾向が強い人ほど、性的満足度だけでなく、パートナーとの関係満足度も高い傾向が確認されました。
一方で、「相性のいい相手なら自然とうまくいく」という考えが強い人は、二人の間に性的な意見の違いが生じたとき、関係の質が低くなる傾向も見られました。
[この研究を見る]
「相性は育てられる」と思うだけでは変わらない
では、「身体の相性は二人で育てられる!」と思っていれば、自然とうまくいくのでしょうか。
ここをさらに掘り下げたのが、2024年に発表された研究です。
交際期間2年以上の異性カップル482組、964人を対象に、「性的な関係は育てられる」という考え方が、どのように性的満足度につながっているのかを調べています。
この研究で興味深いのは、「相性は育てられる」という考え方そのものが、直接、性的満足度を高めていたわけではなかったという点です。
「性的な関係は育てていける」という考え方は、性的なコミュニケーションや、相手や自分の感覚への注意、性的な機能などと関連していました。
特に、性的な関係を「育てていくもの」と考えることと、性的なコミュニケーションとの間には強い関連が確認されています。
[この研究を見る]
つまり、「相性は育つ」と思っているからうまくいくのではなく、そう考えているからこそ、違いがあったときに話す。相手を知ろうとする。自分のことも伝える。
その関わり方が大切だということです。
たくさん話すより、「どう話せるか」
では、本当に「話し合えること」は、それほど大切なのでしょうか。
2022年には、これまでに行われた93の研究、現在パートナーがいる38,499人のデータをまとめて分析した研究が発表されています。
一つのカップル調査ではなく、数多くの研究結果をまとめた「メタ分析」です。
その結果、性について良いコミュニケーションができている人ほど、性的満足度も、パートナーとの関係満足度も高い傾向が確認されました。
さらに、とても興味深い結果があります。
「どのくらい頻繁に性について話しているか」よりも、「どんなふうに話せているか」というコミュニケーションの質の方が、満足度との関連が強かったのです。
[この研究を見る]
たくさん話せばいいということではありません。
自分の希望を伝えられる。
嫌なことも言える。
「私はこう感じるけれど、あなたはどう?」と聞ける。
相手から自分とは違う答えが返ってきても、それを否定せずに聞ける。
安心して本音を話せること。そこが重要なのです。
「話し合えること」は気持ちだけの問題ではない
ここまでだと、「話し合えると夫婦関係がよくなるのは、なんとなく分かる」と思われるかもしれません。
でも、もう一つ興味深い研究があります。
2019年には、性的なコミュニケーションと身体的な性的機能との関係について、48の研究をまとめたメタ分析が発表されています。
その結果、性的なコミュニケーションは、性的欲求、興奮、オーガズム、勃起機能、痛みの少なさなど、さまざまな性的機能と正の関連があることが確認されました。
[この研究を見る]
もちろん、「話し合えば、すべての身体的な問題が解決する」という意味ではありません。
体調、病気、年齢、ホルモン、服薬など、身体にはさまざまな要因が関係します。
また、これらの研究の多くは「関連」を調べたものであり、「コミュニケーションが良ければ必ず身体の相性がよくなる」という因果関係を証明したものでもありません。
それでも、複数の研究を見ていくと、「身体の相性」と「二人の関係性」を完全に別の問題として考えるのも違うということが見えてきます。
身体の相性がいいから、関係がよくなる。それだけではない。
一般的には、「身体の相性がいいから、二人の関係もうまくいく」と考えがちです。
もちろん、そういうこともあるでしょう。
でも今回の研究からは、逆の方向も見えてきます。
関係がよく、安心して話し合えるからこそ、身体の相性もよくなっていく。
身体の相性と二人の関係性は、一方通行ではないのです。
カウンセラーとして思うこと
交際中の方から、「成婚退会したあと、身体の相性が合わなかったらどうしよう」と相談されたとき、私はその不安を否定する必要はないと思っています。
結婚を考えているのですから、気になるのは当然です。
ただ、その不安だけに目を向けるのではなく、もう一つ見てほしいことがあります。
それは「身体のことについても、この人とは話し合えそうか」
普段の交際で、自分の意見を言えていますか?
ちょっと嫌だったことを伝えられていますか?
意見が違ったとき、相手はあなたの話を聞いてくれますか?
反対に、相手から自分とは違う意見を言われたとき、あなたは聞くことができていますか?
日頃からそういう関係ができている二人なら、結婚してから身体のことについて違いが出てきたとしても、「じゃあ、どうしようか」と一緒に考えていけそうです。
結婚生活では「今の相性」がずっと続くわけではない
そもそも、結婚生活は長いものです。
結婚したときと、10年後、20年後では、二人を取り巻く環境も身体も変わっていきます。
仕事が忙しくなることもあります。
妊娠や出産を経験するかもしれません。
子育てが始まることもあります。
病気をすることもあれば、年齢によって身体も変化します。
そうなれば、性欲や求めるスキンシップ、心地よいと感じることが変わることもあるでしょう。
結婚前のある一時点で、「この人とは身体の相性がいい」と確認できたとしても、それが30年、40年ずっと同じとは限りません。
長い結婚生活で本当に大切なのは、今、完全に合っていることより、変わったときに更新できることなのではないでしょうか。
成婚退会前に「話し合える二人か」を確かめてみる
身体の関係を持たなくても、「この人とは話し合えるだろうか」は、交際中に確かめることができます。
例えば、
「嫌なことや困ったことがあったとき、ちゃんと話せる夫婦でいたいんだけど、どう思う?」
「二人の意見が違ったら、どうやって決めていきたい?」
「相手から何か言われたとき、どんな伝え方だったら受け取りやすい?」
「夫婦になったら、スキンシップってどのくらい大事だと思う?」
こんな会話からでも、相手がどんなふうに話を聞く人なのかが見えてきます。
大切なのは「正しい答え」を言ってくれるかではありません。
自分とは違う考えだったときに、
●「そうなんだね」と聞いてくれるのか。
●「じゃあ、どうしたら二人にとっていいかな?」と一緒に考えようとしてくれるのか。
●自分と違う意見を、すぐに否定してしまうのか。
そこを見てみてください。
結局、大切なのは「話し合える関係」
「身体の相性が合わなかったらどうしよう」
その不安は、結婚を考えるからこそ出てくるものだと思います。
でも、「相性」は最初から完成しているものだと思わなくてもいいのです。
研究を見ていくと、性的な満足とコミュニケーション、そして二人の関係性は互いに深く関わっていることが分かります。
だから私は、「身体の相性が合う人か」を確かめること以上に、「この人とは、どんなことでも話し合っていけるか」を見てほしいと思います。
何でも話し合える二人だからこそ、二人の相性をつくっていける。
身体の相性も、その一つなのだと思います。
身体の相性について不安を感じている方、「こんなこと相談していいのかな?」と思うことも含めて、無料カウンセリングでお話しくださいね。
参考にした研究
Maxwell, J. A. et al.(2017)
How implicit theories of sexuality shape sexual and relationship well-being.
「相性のいい相手を見つければうまくいく」という考えと、「性的な関係は二人で育てていく」という考えについて、6研究・1,896人を対象に検討した研究。
[研究を見る]
Mallory, A. B.(2022)
Dimensions of couples' sexual communication, relationship satisfaction, and sexual satisfaction: A meta-analysis.
性的コミュニケーションと性的満足度・関係満足度について、93研究・38,499人をまとめたメタ分析。
[研究を見る]
Busby, D. M. et al.(2024)
Sexual beliefs in couple relationships: Exploring the pathways of mindfulness, communication, and sexual functioning on sexual passion and satisfaction.
482組・964人のカップルを対象に、性的な関係に対する考え方、コミュニケーション、性的満足度などの関連を分析した研究。
[研究を見る]
Mallory, A. B., Stanton, A. M. & Handy, A. B.(2019)
Couples' Sexual Communication and Dimensions of Sexual Function: A Meta-Analysis.
性的コミュニケーションと性的機能について48研究をまとめたメタ分析。
[研究を見る]
※この記事では、心理学・カップル研究から分かっている一般的な傾向をご紹介しています。研究結果は「話し合えば必ず身体の相性がよくなる」という因果関係を示すものではなく、身体的・医学的要因や個人差もあります。