なぜ仲人はデートの『距離感』を気にするのか
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順調なのに、なぜか距離が縮まらない
婚活では、交際そのものは順調なのに、関係だけが止まってしまうカップルがいます。
毎週デートをしているし、お互いに好意もある。
それでも数か月経っても敬語が続き、呼び方も変わらず、初対面の頃と距離感がほとんど変わらないのです。
本人たちも、「なぜ前に進まないのだろう」と不思議に感じています。
そんな二人を見ると、私たちは「相性が悪い」とは考えません。
むしろ、お互いが相手を大切に思うあまり、遠慮し過ぎて次の一歩を踏み出せずにいることが少なくないのです。
交際が止まる理由は、気持ちが冷めたからではなく、優しさがブレーキになることもあるのです。
二人とも進みたい。でも進めない
30代半ば同士のカップルがいました。
デートは10回を超えていましたが、お互いに名字で呼び合い、敬語もそのままでした。
面談で話を聞くと、男性は「本当は名前で呼んでみたい」と話します。
一方、先方からも、女性は「もう少し距離が近づいたら嬉しいです」と笑っていたとの情報でした。
つまり、男女の気持ちは同じです。
ただ、「断られたらどうしよう」という不安が、お互いの背中を止めていたのです。
婚活では、この小さな遠慮が停滞を生むことがあります。
相手を思いやる二人ほど、自分から動けなくなる場面を私たちは何度も見てきました。
仲人は「安全な一歩」をつくる
そこで私は男性に、
「次のデートで、お名前で呼んでもいいか聞いてみませんか」
と提案しました。
同時に女性には、
「もし聞かれたら、思ったことを素直に伝えて大丈夫ですよ」
と伝えてもらいました。
どちらにも無理は勧めません。
でも、お互いの気持ちを面談で確認しているからこそ、「今なら大丈夫」というタイミングが分かります。
一方だけに背中を押すことはありません。
双方の温度感を確かめながら、一番傷つきにくいタイミングを見つけることも、仲人の大切な仕事なのです。
距離は、一段飛ばしでは縮まらない
親しくなるときには順番があります。
敬語が減り、呼び方が変わる。
隣を歩く距離が近づく。
自然なスキンシップが生まれる。
そんな小さな変化を重ねながら、信頼は育っていきます。
だから私たちは、「手をつないだか」だけを確認しているのではありません。
二人の関係が、一歩ずつ前へ進んでいるかを見ています。
変化がゆっくりでも構いません。
大切なのは、昨日より今日、今日より次のデートで、二人の距離が少しでも近づいていることなのです。
カウンセラーが見ているのは「歩幅」
数日後、男性から報告がありました。
「名前で呼んでみたら、笑って返事をしてくれました」
女性も、
「急に距離が縮まった気がしました」
と話してくれたそうです。
名前の呼び方が変わっただけです。
でも、その小さな変化が、その後の自然なスキンシップや将来の話へとつながっていきました。
親密な感情は大きな出来事で進むとは限りません。
小さな安心の積み重ねが、やがて結婚を決意する土台になります。
私たち仲人は恋愛を演出しているのではありません。
二人の歩幅が合っているかを確かめながら、安心して前へ進めるよう伴走しているのです。
ワーク:
もし今、「関係が停滞している」と感じるなら、交際初日と比べて何が変わったかを書き出してみてください。
・呼び方
・会話の内容
・歩く距離
・将来の話
どんな小さなことでも構いません。
「まだ何も変わっていない」と思っていても、振り返ると少しずつ変化していることがあります。
結婚へ向かうカップルは、劇的に変わるのではなく、小さな変化を積み重ねています。
その変化に気づくことが、次の一歩への自信につながるはずです。
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