「手を繋いでも何も感じない」は相性が悪い証拠?
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ドキドキしないから、好きではないのか
真剣交際が近づいてくる頃、こんな相談を受けることがあります。
「一緒にいて嫌ではないんです」
「でも、手をつないでもドキドキしないんです」
「これは相性が悪いということでしょうか」
婚活では、この悩みは決して珍しくありません。
相手は優しいし、会話もできる。
条件も合っているし、将来の話をしても違和感はない。
それなのに、過去の恋愛で感じたような強いときめきがない。
そのために、「この人で本当にいいのだろうか」と立ち止まってしまうのです。
大人の婚活では、この「ドキドキしない」を少し丁寧に見ていく必要があります。
なぜなら、それは相性が悪いサインではなく、むしろ安心できているサインかもしれないからです。
手をつないでも何も感じなかった女性
以前、30代後半の女性が真剣交際へ進むかどうかで悩んでいました。
お相手の男性は誠実で、穏やかで、彼女の話をよく聞いてくれる方でした。
デートも安定していましたし、無理に盛り上げなくても会話が続く。
一緒に歩いていても気を遣いすぎなくていい。
客観的に見れば、とても良い関係です。
ところが彼女は不安そうに言いました。
「手をつないでも、何も感じなかったんです」
詳しく聞くと、過去に好きだった男性とは違ったそうです。
その人とは、会う前から緊張し、LINEの返信に一喜一憂し、少し触れただけで胸がざわついた。
だから彼女は、その感覚こそが恋愛なのだと思っていました。
でも私は、彼女にこう聞き返しました。
「その手を繋いだとき、嫌でしたか」
彼女は少し考えてから答えました。
「嫌ではなかったです。むしろ、落ち着いていました」
そこで私はお伝えしました。
「それは、かなり大事な感覚ですよ」
刺激と相性は、同じではない
若い頃の恋愛では、強い刺激を「好き」と感じることがあります。
返信が来るか分からないし、相手の気持ちが読めない。
近づいたと思ったらまた離れたり、
そんな不安定さがあると、心は大きく揺れます。
そして、その揺れを恋愛感情だと勘違いしてしまうことがあります。
もちろん、刺激のある恋愛がすべて悪いわけではありません。
ただ、結婚生活に必要なのは、毎日心を揺さぶられることではありません。
・安心して帰れること
・沈黙していても気まずくないこと
・疲れている日でも一緒にいられること。
・相手の隣で、自分を演じなくて済むこと
そうした感覚の方が、長い結婚生活ではずっと大切になることがあります。
ドキドキは素敵です。
でも、ドキドキだけでは暮らしは続きません。
心臓にも住宅ローンにも、過剰な刺激はあまり優しくないのです。
大人の相性は「嫌じゃない」に宿る
婚活で大切なのは、「強く惹かれるか」だけではありません。
・触れられたときに嫌ではない
・隣にいて緊張しすぎない
・近づかれても身構えない
・一緒にいて呼吸が乱れない
こうした感覚は、とても大事です。
なぜなら身体は、頭よりも正直だからです。
条件では良い人だと思っていても、身体がずっと緊張している相手とは、長く暮らすのが難しいことがあります。
逆に、強い高揚感はなくても、触れたときにホッとする相手なら、そこには安心の土台があります。
恋愛の始まりには刺激が分かりやすい。
でも結婚の相性は、もっと静かなところに出ます。
「嫌じゃない」「落ち着く」
「無理をしなくていい」
その平熱の感覚を、軽く見ないでほしいのです。
カウンセラーが見ているのは、ときめきよりも回復感
この女性にも、私はこうお伝えしました。
「過去の恋愛と比べるより、会った後の自分を見てみましょう」
彼と会った後、疲れ切っているのか。
それとも、気持ちが穏やかになっているのか。
別れた後に不安が増えるのか。
それとも、少し安心して帰れるのか。
恋愛中は、相手を見ているようで、実は自分の反応を見落としていることがあります。
ときめきは分かりやすい反応です。
しかし、安心は静かなので気づきにくい。
だからカウンセラーは、本人が見落としている変化を一緒に確認します。
「楽しかったです」だけではなく、
「疲れませんでした」
「自然体でいられました」
「また会ってもいいと思えました」
こうした言葉の中に、結婚へ向かう大切なサインが隠れていることがあるのです。
彼女が成婚へ踏み切れた理由
その後、彼女はもう一度彼と会いました。
今度は、「ドキドキするか」ではなく、「安心できるか」を意識して過ごしてみたそうです。
すると見えてくるものが変わりました。
彼は歩く速度を自然に合わせてくれる。
彼女が疲れていると、無理に予定を詰め込まない。
手をつないでも、急かすようなところがない。
沈黙しても、気まずくならない。
彼女は面談でこう言いました。
「私は何も感じなかったんじゃなくて、安心していたのかもしれません」
その気づきが、真剣交際へ進む大きな後押しになりました。
もちろん、すべての「ドキドキしない」が良いサインとは限りません。
ただ、嫌悪感がないし、緊張しすぎない。
一緒にいて自分を守らなくていい。
そう感じられるなら、その関係には大切に育てる価値があります。
ワーク:
もしあなたが今、
「手をつないでも何も感じなかった」
と悩んでいるなら、一度こう考えてみてください。
本当に何も感じなかったのでしょうか。
それとも、安心していたのでしょうか。
嫌だったのか。
ホッとしたのか。
早く帰りたかったのか。
もう少し一緒にいてもいいと思えたのか。
大人の婚活では、強い刺激だけを頼りにすると、大切な相性を見逃してしまうことがあります。
平熱の愛は、最初は少し地味に見えます。
けれど長い人生を一緒に歩く相手としては、その静かな安心感こそが、何より頼もしい土台になるのだと思います。
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