年収1000万は5職種だけ!婚活における年収条件とは
- 男性向け
- 女性向け
- 婚活のお悩み
年収1000万はわずか5職種だけ!婚活における年収条件とは?
「年収1000万円」は143職種のうち5つだけ。婚活で"年収条件"をどう考えるか
婚活のヒアリングシートで、必ずと言っていいほど話題にのぼるのが「年収」です。
「できれば600万円以上」「1000万円あると安心」——。数字で書くと明確な条件に見えます。けれど、その数字が現実の労働市場のなかでどのくらいの位置にあるのか、正確にイメージできている方は、実はそう多くありません。
先日、厚生労働省の「令和7年賃金構造基本統計調査」をもとにした職種別の平均年収ランキングが公表されました。今回は、このデータを手がかりに、婚活における「年収条件」との向き合い方を考えてみたいと思います。
まず、日本の賃金の"いま"
同調査によると、一般労働者の所定内給与額は月34万600円。過去最高を更新しました。賃上げの流れは、たしかに数字にも表れています。
そのうえで、143の職種について推計年収を算出したランキングの上位は次のとおりです。
1位 航空機操縦士 1632万円
2位 医師 1512万円
3位 その他の経営・金融・保険専門職業従事者 1135万円
4位 大学教授(高専含む)1083万円
5位 歯科医師 1063万円
6位以下は、法務従事者981万円、システムコンサルタント・設計者889万円、大学准教授876万円、公認会計士・税理士811万円、研究者802万円と続きます。
ここで注目していただきたいのは、平均年収1000万円を超えたのは143職種のうち、上位5職種だけだったという点です。
「1000万円以上」という条件が意味すること
パイロット、医師、金融・保険の専門職、大学教授、歯科医師。
つまり「年収1000万円以上の方と結婚したい」という条件は、日本の職業のうちごく一部の領域だけを見る、ということとほぼ同義になります。しかもこれはその職種の平均値であって、20代・30代の若手や、勤務先の規模によっては、同じ職種でもその水準に届いていないケースは珍しくありません。
逆に言えば、この事実を知ったうえで条件を設定するのか、なんとなくの印象で設定するのかで、婚活の進み方はまったく変わります。
平均値には"背景"がある
もうひとつ大切なのが、ランキングの数字はあくまで推計の平均だという点です。
平均年齢、勤続年数、企業規模、雇用形態、担当する職務内容——これらは職種ごとに大きく異なります。年収が高い職種は、そこに到達するまでの教育投資期間が長かったり、勤続年数が長かったり、拘束時間や責任が重かったりすることも少なくありません。
「年収が高い」の裏側には、たいてい「時間」「体力」「資格」「転勤」といったコストが隠れています。婚活で本当に確認すべきなのは、額面の数字ではなく、その数字と生活がどうつながっているかです。
年収1200万円でも、月の半分が出張で家にいない人。年収600万円でも、毎日18時に帰宅して家事も育児も一緒に担える人。どちらが「幸せな結婚生活」かは、ご本人がどんな暮らしを望むかによってまったく変わります。
「休みって、何?」——ある経営者夫婦の話
この話をするとき、いつも思い出す友人がいます。
彼女は、中小企業の経営者と結婚しました。周りからは羨ましがられる結婚でした。
ただ、ご主人はいつもスマホを手放さない人でした。お風呂でも、トイレでも、旅行先でも。ある日、彼女はつい、そのスマホを覗いてしまったそうです。
画面には、同時進行の10個以上のタスクが並んでいました。
彼女はご主人に聞いたそうです。「最後にまる一日休んだのって、いつ?」
ご主人は天井を見上げて、少し考えてから、こう答えました。
「休みって、何?」
そして、そのあとに続いた言葉がありました。
「いつも忙しくてごめん」
自分が限界まで削られている状態でありながら、彼はまだ、彼女に気を遣っていたのです。
彼は、彼女を放っておいたわけではありませんでした。一緒にいる時間が取れていないことも、それが彼女を寂しくさせていることも、ちゃんとわかっていた。わかったうえで、それでも働き続けなければならない立場にいた——ただ、それだけだったのです。
年収の高さと引き換えに失われるもの。それは「一緒に過ごす時間」だと、私たちはつい考えます。でも彼女が見たのは、もっと奥にあるものでした。休むという概念そのものが消えてしまうほどのプレッシャーを、彼が一人で抱え続けていたという事実です。
条件で選んだはずの結婚でした。けれど今、彼女はご主人が少しでもリラックスできる環境をつくることに力を注いでいます。
若い頃はブランドに身を包んでいた彼女が、あるとき言った言葉が忘れられません。
「彼が事業に失敗しても、私は彼を支える」
これは、年収条件を否定する話ではありません。彼女は条件で選んだことを後悔していないと思います。ただ、選んだ先にあったのは「数字」ではなく、一人の疲れた人間だった。そこで目をそらさなかったから、二人の関係は続いているのだと思うのです。
年収という数字の向こうに、どんな暮らしと、どんな人がいるのか。婚活で見るべきものは、たぶんそこにあります。
意外な"堅実ゾーン"にも目を向ける
ランキングを眺めていて気づくのは、上位には医療・法務・金融・会計・大学教育・情報技術といった、専門性の高い職種が並んでいることです。
システムコンサルタント・設計者が889万円、公認会計士・税理士が811万円、研究者が802万円。派手さはないけれど、専門性を積み上げてきた方々がしっかりと評価されている領域です。
婚活の現場でも、こうした職種の方は「派手さがないから」と検索条件から外れてしまうことがあります。けれど、専門性は年齢とともに積み上がる資産です。今の額面よりも、これからの年収カーブがどう伸びるかという視点を持つと、お相手の見え方はずいぶん変わってきます。
条件は「額」ではなく「設計」で決める
私たちが大切にしているのは、ライフデザインから逆算して考えるという発想です。
・どこに住みたいか
・子どもは何人希望するか
・共働きを続けたいのか、一時期は片方が家庭に入りたいのか
・親の介護の可能性はどうか
これらを整理すると、「わが家に必要な世帯年収」が見えてきます。
ひとつの目安になるのが、厚生労働省「2025(令和7)年 国民生活基礎調査」の数字です。子ども(18歳未満)のいる世帯の平均所得は857万3千円、中央値は766万円。全世帯の平均575万2千円・中央値451万円を大きく上回ります。
ただし、同じ調査で子どものいる世帯の母親の81.2%が「仕事あり」と回答しています。この800万円前後は、多くの場合、夫婦二人で到達している水準です。一人で1000万円を稼ぐのか、二人で積み上げるのか。到達点が同じなら、選択肢は一気に広がります。
年収は、その方の人生の一側面にすぎません。けれど、生活に直結する大切な要素でもあります。だからこそ、避けるのではなく、正しく知ったうえで、自分たちの設計に落とし込むことが必要です。
データは、条件を厳しくするためではなく、視野を広げるために使いたいもの。「1000万円は143職種中5つだけ」という事実は、条件を諦める理由ではなく、これまで見ていなかった選択肢に目を向けるきっかけになるはずです。
あなたにとって本当に必要な「暮らしの数字」は、いくらでしょうか。一緒に整理していきましょう。