【婚活小説】「人生、次のフェーズへ」エピソード#4
- 成婚者エピソード
- 婚活のコツ
- 結婚準備
目次
- 30代商社マン、翔のリアル婚活ジャーニー(フィクション)
- 第4話「“心地よさ”が、恋になる。」
- 「条件があう」よりも「共感のある」関係
- 「仮交際」から「真剣交際」へ
30代商社マン、翔のリアル婚活ジャーニー(フィクション)
名古屋・千種の結婚相談所「ブライダルサロンbouquet(ブーケ)」の佐藤まさよしです。
私たち夫婦が今までお手伝いさせていただいた、「海外赴任が決まった男性会員」6名のエピソードをまとめ、一つの物語(小説)にしてみました。
ここでの登場人物はカウンセラーの佐藤香織以外は、架空の人たちです。ですが、皆さん、おおよそこのような状況で入会されて、成婚退会後に一緒に海外へ赴任されています。
これから婚活を始めようと考えている方、
実際に「海外転勤」の可能性の高い方、
海外へ一緒について行きたいと考えている方へ。
私たち「ブライダルサロンbouquet」のサービスをイメージしてもらいやすいように、フィクションで紹介させていただきます。
『人生、次のフェーズへ』~海外駐在が決まった僕が、結婚相談所で見つけた「本当のパートナー」
海外転勤が決まり、一緒に赴任してくれるパートナーを探そうと決めた『高橋翔』さんが、結婚相談所「ブライダルサロンbouquet」を選び、代表カウンセラー『佐藤香織』と共に婚活をし、最高のパートナー『中村遥』さんと出会う物語です。
全8話、お楽しみください。
第4話「“心地よさ”が、恋になる。」
週末の午後、名古屋・栄のカフェ。
仮交際に進んで最初のデート。
翔は、遥と待ち合わせをしていた。
「こんにちは。今日はすごくいい天気ですね」
そう言って現れた遥は、淡いグレーのワイドパンツに、シンプルな白のシャツ。
どこか“仕事帰りのような落ち着き”がある。
けれどそれが、翔には妙にしっくりきた。
「ですね。こういう日は、外でのんびりしたくなります」
カフェのテラス席に座り、日差しを避けるパラソルの下でアイスコーヒーを飲みながら、自然と会話が始まる。
不思議と、間が怖くない。
沈黙しても、言葉を探さなくても、不安にならない。
「よく、ひとりでもカフェに行くんですか?」
と遥が尋ねた。
「結構行きますね。休日はランニングして、そのあとコーヒー飲みながら読書したり」
「わたしも似てます。走るのは苦手だけど、散歩した後に本読んで過ごす時間が好きで」
そんな共通点が次々に見つかっていく。
カフェでの時間は2時間近くになっていたが、翔はまるで1時間にも感じなかった。
「条件があう」よりも「共感のある」関係
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その後も、2人は週末ごとに会った。
名古屋港水族館で、イルカショーを見て一緒に笑った日。
大須で食べ歩きをしながら、焼き小籠包の熱さにふたりして驚いた日。
仕事帰りに待ち合わせて、名駅の夜景を見ながら歩いた日もあった。
どの瞬間も、翔は「無理をしていない自分」を感じていた。
「好きって、こういう“心地よさ”の中にあるんだな」と、いつからか思うようになった。
佐藤にも、そのことを素直に話した。
「最初は、“条件に合うかどうか”ばかり見てた気がします。
でも、遥さんとは話してるときに、“結婚生活の風景”が自然に思い浮かぶんです」
佐藤は静かに頷いた。
「高橋さん、ちゃんと“共感のある関係”を選べてると思います。
条件よりも、“毎日を一緒に過ごせるかどうか”に目が向いてきた証拠ですね」
「仮交際」から「真剣交際」へ
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ある日、2人は名古屋城近くの公園を歩いていた。
春の終わり。
桜の花びらが風に舞っている。
ふとしたタイミングで、翔は聞いた。
「遥さんって、仕事の中で“やりがい”ってどんな時に感じますか?」
遥は、少し考えてから答えた。
「子どもが“できた!”って嬉しそうに言ってくれたときですね。英語を通じて、自己肯定感が育つのを見るのが嬉しいです」
「なるほど。それってきっと、結婚しても変わらない考え方ですよね」
「うん。仕事も大事だけど、家族の時間もすごく大事にしたいって思ってます。どこに住んでいても」
その“自然な価値観”の一致が、翔の胸をすっと満たしていった。
(やっぱり、この人と、もっとちゃんと向き合いたい)
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その夜、デートの度に佐藤へ報告している「交際管理」へ「振り返り」を入力した。
その中で、今後の交際について、翔はこう送った。
「真剣交際」に進みたいです。
これまでの恋愛では感じたことのない“確信”が、そこにはあった。
「遥さんとなら、海外でも、名古屋でも。どこにいても、人生を歩んでいける気がします」と。
翌朝、すぐに佐藤からメッセージが届いた。
「昨日のデートの振り返り、ありがとうございます。中村さんと真剣交際へ進みたいお気持ちが固まったのですね。」
「中村さんの担当者さんへもお気持ちを確認しますので、お返事をお待ちくださいね。」
結婚相談所では、出会いのきっかけ、だけではなく、このような交際サポートもしてくれるのか。
翔は、少しドキドキしながら佐藤からの返事を待った。
次の日。
「お待たせしました。中村さんの担当者さんからも、同じ気持ちですとお返事がありました。」
「おふたりとも、いいタイミングで“お互いに選び合って”いらっしゃったのですね。
真剣交際、おめでとうございます。」
それは、翔にとって“恋の実感”と“未来への決意”が重なった瞬間だった。
(第4話・了)