新型格差の婚活
目次
- 格差の中での婚活
- 幸福が生まれるとき
格差の中での婚活
『婚活』『パラサイトシングル』の命名でおなじみの社会学者、山田昌弘氏の
『新型格差社会』 朝日新聞出版(2021年4月刊行)
《家族格差》《教育格差》《仕事格差》…コロナ禍でより可視化された格差を直視し、これらの格差を踏まえた新しい形を省察する提言書ともいえる本です。
2020年の婚姻数は厚労省の速報値で、
2019年の12.7%減少
コロナは結婚を考えるカップルに減収や失業など経済的影響や感染リスクと暗い影を落としました。
また婚姻数に続き、子どもの出生についても
2020年の出産数は2019年の出産数よりも
およそ2万5000人下回りました。
実際、昨年4月の緊急事態宣言直後は当相談所もお見合いや交際が停滞し、入会希望者も激減しました。
ここ最近は感染対策の下、入会面談や定期的な面談、お見合いや交際も再開しつつあります。
面談を重ねていく中で、特に女性がコロナの影響で退職を余儀なくされたり、転職活動に苦労している様子には、大変胸を痛めてきました。
そうした社会的立場がまだまだ弱い女性の就労状況を男性が鑑みることなく、女性の就業形態にこだわり、正社員として共働きを求める姿には、コロナ禍における社会の雇用状況をもっと知って欲しいと感じています。
婚活は個人対個人の付き合いですが、個々の背景にある社会状況に目を背けて、互いの学歴、収入、職業、そして就業形態にこだわり続けていると、ご縁が繋がりにくくなっていきます。
幸福が生まれるとき
著書の中で印象的だった、さりげない一文
『幸福は、自分の人生を他人から肯定されるところにうまれます。』
ぱっと身近なもので思いつくのは、SNSの《いいね》です。実際に会ったことのない人であれ、肯定されることで自分は承認された、肯定されたと心が浮きます。
婚活においては、相手からお見合いの承諾を得たり、相手から交際希望の返事をもらうこと、そして相手が自分の話をよく聞いてくれることで、自己肯定感が高まり、小さな幸福を積み重ねることになります。
とはいえ、数多くのお見合いを繰り返し、交際人数を増やしていくのは成婚を困難な道へと押しやってしまいます。(幸福度の低下)
相手と対話を重ねる中で、自分の価値観と違ったとき、まずは受け入れようという姿勢、持ってみませんか?自分が肯定されて心地良いことは、相手にとっても同じだから。度量が大きい人は年齢を経るほど本当に貴重な存在ですよ。
婚活するすべての人が良いご縁に繋がりますように。