③カラマーゾフの兄弟~過去の恋とのたたかい~
苦しみと陶酔
世界文学史上の最高傑作のひとつ
カラマーゾフの兄弟3/ ドストエフスキー
亀山郁夫◎訳 光文社
この第三部では、三男アリョーシャの心の父ともいえる、
ゾシマ長老の死、そして父フョードルが
何者かに殺される死といった、二つの死が訪れます。
そんななか、長男ドミートリ―とその恋仲だった
グルーシェニカのそれぞれの恥辱と苦しみ、
そして陶酔が描かれているのがとても印象的です。
グルーシェニカが、かつての恋人に対して
胸の内をさらけ出します。
「ああ、ばかだった、わたしはばかだった、
五年間も苦しんできたなんて!
でも、苦しんできたのはこの男のためなんかじゃない、
憎しみで苦しんできたんだ!~」
恋愛が終わりを迎えるとき、
別れを告げられた方の苦しみを
こうも巧みに表現するとは、やっぱりドストエフスキーはすごい。
長い年月を生き抜いてきた古典作品には
生きるヒントが満載です。
本の中ではロシアのグリムとも呼ばれた、
『一本の葱』の話が出てきます。
もしあなたが火の湖にいて、
そこに一本の葱が差し出され、
それにつかまり火の湖から引き揚げてもらう直前、
いっしょに引き上げてもらおうと
たくさんの人たちがあなたにしがみついてたら・・・?
婚活するすべての方が良いご縁に繋がりますように☆