半分の花火
記憶を無くしていく母の最後の願い
何度読み返しても涙腺がゆるんでしまう本に
出会いました。
百花(ひゃっか) / 著:川村元気 氏
発行:文藝春秋
川村元気氏といえば、
『世界から猫が消えたなら』では命、
『億男』ではお金、そして
『四月になれば彼女は』では恋をテーマに
本を出されています。
(どの作品も読みましたが、『億男』では
お金の価値に目からウロコの連続でした!)
今回の作品は記憶がテーマ
認知症を患い、記憶を失っていく
母と息子の物語です。
幼少期をさかのぼっての母と息子の関係、
そして息子が結婚して
誕生しつつある新たな命と、消えゆく命。
親について
自分が作る新しい家族について
自分自身について
さて、タイトルにもある【半分の花火】は
作品中で母と息子の記憶に深くかかわってきます。
花火なんて終わったら、
色や形を忘れちゃってかなしいね、と言う息子に
母はこう言います。
『 色や形を忘れても、
誰と一緒に見て、
どんな気持ちになったのかは
思い出として残る 』
これはきっと花火だけに限りませんよね。
あなたにも たくさんの思い出が
積もりますように。