女性のご両親へのご挨拶時の作法
- 結婚準備
目次
- 座布団を降りて(外して)頭を下げる
- NHKは「正直」であることで成婚に導いている
- 「まひろ」は平安時代の結婚相談所?
座布団を降りて(外して)頭を下げる
1/18日NHKブギウギを題材にお話しします。 主人公スズ子のところに、スズ子の付き人を辞めた小夜が、恋人の米兵サムとともに訪れる場面でした。 小夜は、米兵サムからプロポーズされ、サムとともにアメリカにわたることを決意していますが、スズ子は反対です。 そこで小夜はサムとともに、スズ子に自分の気持ちを分かってもらうためスズ子宅(愛助宅)に赴きますが、スズ子宅のまえで躊躇していたところへ、帰宅した愛助と出くわし、愛助は小夜とサムを伴い帰宅します。 そこで小夜、サム、スズ子が愛助を含めて、丸い座卓を囲んで、やり取りをします。
そしてスズ子は、小夜がサムと一緒にアメリカに渡ることを認めることになるのですが、スズ子は、サムに向かって、自分が座っている座布団を外して直接畳の上に座り直し、サムに、小夜ちゃんをよろしくお願いします、と頭を下げます。スズ子と小夜は肉親ではありませんが、小夜に家族はないため、ここではスズ子が、いわば小夜の後見人として自らへりくだって、サムに小夜のことをお願いした、ということになります。
座布団を外して畳の上に直に座って、頭を下げるというシーンを、久々に目にしました。 この作法の定番シーンといえば、言わずと知れた、男性が、結婚相手の女性のご両親宅に伺って、意を決して「お父さん、〇〇さんを私にください」と言うときです。
このようにすべき(畳んの上でしかできませんが)というわけではありませんが、このような作法もある、ということは知っておいてもよいかもしれません。
そもそも日本国憲法では、第24条において「婚姻は、両性の合意のみに基づいて成立」すると定められているので、戦前のように家長(戸主)に、結婚の許可をもとめる必要は、当然にないのですが、娘を嫁に出す側の心情への配慮としては、男性の口から「お嬢さんと結婚したい」「お嬢さんを幸せにします」という言葉は、やはり、聞きたいでしょうから、和室でそのようなシーンになった時を想定して、この作法は覚えておいてもよいと思います。お相手のご両親も、この作法で男性の誠意をくみ取るでしょう(たぶん)。
NHKは「正直」であることで成婚に導いている
サムが、小夜に魅かれた理由は、小夜が、素直で正直、小夜と接していると力が湧いてくる、小夜は僕の太陽だ、というものでした。
NHKは、別の番組でも「正直」で恋を成就させています。「光る君へ」です。 先週なので1/14放送回での話です。
恋人に送る和歌の代筆をしている主人公まひろのもとへ、小さな木片を持った男が訪れ、和歌を書いてほしいと依頼します。まひろは、桜に題をとった和歌を代筆して渡します。
しばらくして、その男がまたやってきて、相手の女から、別の女のことを言っているではないか、一緒に桜を見たことはない、といって和歌を突き返されたと言います。当時の作法としては、女は和歌を受け取り、自分の気持ちを表した返歌をするのが通常であったようです。そこで、まひろは、二人の思い出の花はないのか、と尋ね、その男から出会った去年の夏、夕顔が咲いていたという話を聞き、別の和歌を書いて渡します。
その後、またもや和歌を突き返されました、といってその男が現れます。まひろは、男のことについて聞き方が足りなかったか、と思い男にさらに事情を尋ねます。男は、自分は細工師であること、相手は身分の高い女性で学もあるので自分とは釣り合わないと思い、字が書けないにもかかわらず、字が書けると偽って代筆してもらった和歌を送ったことなどを、まひろに話しました。それを聞いたまひろは、自分とまひろが気になっている三郎とのことを重ね合わせながら、その男に、ほんとうのことを言ったほうがよいのではないか、うそをついたことを詫びることで仲が深まるかもしれない、相手が和歌を受け取らなかったのは、和歌などいらぬ、本当の姿を見せてくれという意味なのではないかと、告げます。
そして、その男は、まひろの忠告に従って相手の女に真実を真実を打ち明け、恋は成就します。
ここでも「正直」が、恋の成就のカギになっています。そういえばNHKには「正直不動産」なんていうドラマもありました。「正直」はNHKで「旬」なのでしょうか。
「まひろ」は平安時代の結婚相談所?
なんとなく、脚本を書いた方も現代の婚活と婚活支援業を取り入れているのかな、なんて思います。 まひろの代筆仕事は結婚相談所ではないにしても、恋を成就させるために和歌の代筆をしているのですから、恋愛ひいては結婚の手助けをしているわけで、現代的にいうと婚活支援です。
まひろは最初、男の事情とはお構いなしに、その才を活かして難なく桜の和歌を書いて渡します。桜の和歌が突き返されたので、相手の話を聞かなかったのはまずいと思い、2人の思い出の花はないかと尋ね、今度は夕顔の和歌を書いて渡します。それさえも突き返されたので、さらに男の事情を尋ね、男が偽って和歌を渡していたことを聞き、正直に話したらどうか、和歌などいらぬ正直に話してくれ、ということかもしれない、とアドバイスし、男はその通りにして恋が成就します。
このあたりは、現代の目でみれば、恋愛カウンセラー、婚活カウンセラーです。
もっとも、まひろは、思いを寄せている三郎と自分との関係を振り返りながら、自分のことを三郎に正直に話していないこと、再会した三郎から和歌はいらない、と言われたことと重ね合わせて、細工師の男に(男のふりをして)、正直に話したらどうか、和歌などいらぬという意味かもしれぬ、と話しているので、実は、自分に心当たりのあることをアドバイスしたら、結果として細工師の男にも大当たりだった、という演出になっています。
婚活カウンセラーである自分としては、その人の事情や考え方を十分に理解しないと婚活カウンセリングはうまくいかないよね、婚活では、自分の気持ちを素直に伝えることが大事だよね、ということをドラマにして見せられたように感じてしまいます。
また、細工師の男と相手の女が、まひろのもとを訪れてお礼をした際に、まひろは、代筆仕事もこれではあがったりだな、といったり、まひろが細工師の男に2回目の和歌を書いて渡して、お代はいらぬといったとき、代筆屋の主人は、まひろの言ったことを否定して「成果はお客様次第」と言わせているのも、なんなとなく現代を意識しているような気がします。現代に制作されているので当たり前といば、当たり前ですが。
「婚活1000本ノック」や「ナースが婚活」という番組もあります。婚活は盛り上がっています。「ナースが婚活」の原作は、結婚相談所「 医師のとも 良縁」の代表カウンセラー柳川圭子さんです。
あなたの願いごとがかなえられますように~COME TO LIFEの願い