『暖簾の向こうの縁結び』
こんにちは。
結婚相談所 縁~port 婚活必勝ブログへようこそ!
婚活に励む皆様にとって、少しでも勇気付ることや、何かのヒントになっていただければ嬉しいです。このブログは完全オリジナルストーリーとなっておりますが、婚活中に起こりうる異性とのやり取り、婚活の流れやチャンスをどう掴み、どう活かすか。ここを感じ取っていただけるようにストーリーを作りました。是非最後までご一読いただき、婚活の流れを感じ取ってください。
皆さんにとって結婚って何でしょうか?
皆さんにとって条件って何でしょうか?
このブログを通じてそういった見えない感情を感じ取っていただきたいと思います🩷
それでは婚活ストーリー、スタートです。
ストーリー概要 と ストーリー構成
💡 ストーリー概要:
東京の下町で小さな居酒屋「蔵人(くらびと)」を切り盛りする38歳の男性店長・片桐 直人。常連客には慕われ、店は繁盛しているが、私生活では長く独身。ふとしたきっかけで入会した結婚相談所を舞台に、仕事と恋愛の両立に葛藤しながらも、一人の女性と本気で向き合うことで変わっていく。
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🧑 主人公:片桐 直人(かたぎり・なおと)
38歳、独身
小柄な居酒屋「蔵人」の店長兼料理人
温厚で人情深いが、恋愛に関してはやや不器用
両親は他界。弟が一人いるが疎遠
店を守ることに夢中になり、気づけば38歳独身
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📖 ストーリー構成
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第1章:いつもの夜に、少しの孤独
常連に囲まれながらもふと感じる「空虚さ」
元同級生が結婚した知らせに心がざわつく
お客さんの紹介で、しぶしぶ結婚相談所に登録
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第2章:プロフィールの壁
居酒屋店長という肩書きに女性の反応は厳しい
「安定してない」「夜の仕事がネック」と言われ、初回はマッチングも失敗続き
担当アドバイザー・橘(たちばな)との面談。「結婚って、なんだと思いますか?」という問いに言葉が詰まる
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第3章:はじまりの一杯
2ヶ月後、ようやく一人の女性とマッチング
山本 萌(35歳、図書館司書):控えめで読書好き、父が居酒屋を経営していたことがあり親近感
初対面は居酒屋とは真逆の静かなカフェ
萌の一言「料理って、人をつなぐって言いますよね」に心が動く
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第4章:仕事と恋のバランス
直人は交際を続けながらも、繁忙期で時間が取れない
「忙しいのはわかる。でも、私と向き合ってくれてる?」と萌に言われ衝突
常連たちがさりげなく応援。「たまには店、休みなよ」
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第5章:家族になる覚悟
萌から「私は結婚して、ただ“奥さん”になるだけじゃなく、あなたの仕事も支えたい」と言われる
弟とも再会。兄のことを誇りに思っていたと打ち明けられる
萌の父の命日に、二人でその居酒屋跡を訪れる。そこに、新しい夢が浮かび上がる
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第6章:暖簾をくぐる日
直人、店を定休日制に変更。スタッフも雇い、萌との時間を作る決意
プロポーズは萌の好きな本の一節を引用して伝える
「この暖簾の先に、あなたと一緒にいられる未来があると信じてます」
第一章 いつもの夜に、ひとさじの孤独
では、小説形式で
「居酒屋の男性店長が結婚相談所を通じて結婚する物語」
を丁寧にお届けします。
今回のブログでは【第一章~第三章】までを綴ります。
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第一章 いつもの夜に、ひとさじの孤独
東京の下町に、小さな居酒屋「蔵人(くらびと)」がある。
カウンター八席、テーブルが二つ。静かな路地に佇むその店は、派手な看板もなく、暖簾の先にしかわからない味と空気がある。
「直ちゃん、いつものやつ頼むよ」
「へい、煮込みとハイボールね。今日は仕事、早上がりですか?」
店主・片桐直人、38歳。白いシャツの上に黒い割烹着を着て、慣れた手つきで鍋をかき混ぜる。
カウンター越しに交わす何気ない会話は、毎日同じようで、どこか温かい。彼の作る料理は素朴で、どこか懐かしい味がすると評判だ。
けれど、その夜、彼の心の奥には、小さなざわつきがあった。
「そういえば、〇〇中の斉藤、ついに結婚したらしいよ。子どももできたってさ」
常連の話題に、直人は思わず手を止めた。
「あいつも、もうそんな歳か」
「お前もそろそろじゃない?って、余計なお世話か」
「いや、まぁ……わかってんだけどな」
ふと見上げた天井には、古びた電球の灯り。
気づけば、10年この店を続けている。週6営業、ほとんど休まずに厨房に立ってきた。仕事は充実している。でも、帰り道の静けさに、誰かの存在がふと欲しくなる夜がある。
その週末、彼は初めて“その扉”を叩いた。
「結婚相談所・ひだまりパートナーズ」
エレベーターの扉が開いた瞬間、直人は思わず引き返したくなった。
(やっぱ、場違いだったか……)
だがその時、出迎えた女性スタッフの柔らかい笑顔に、少しだけ肩の力が抜けた。
「こんにちは、片桐様ですね。お待ちしておりました」
「……ええ、まぁ。場違いかもしれませんが」
「そんなことありませんよ。結婚に“遅い”なんてありませんから」
彼女は、橘というアドバイザーだった。
年齢は30代後半、品のあるスーツに落ち着いた声。まるで相談所の空気そのものを体現しているような人だった。
「では、最初にお伺いします。片桐さんにとって、結婚とは何ですか?」
直人は、即答できなかった。
仕事のことなら答えられるのに、人生の問いには、言葉が出てこない。
「……正直、わかりません。ただ、店を閉めたあと、一人で飯を食ってるとき、誰かと食べられたらって、思うことがあります」
橘はふっと微笑んで言った。
「それで十分です。始める理由に“立派さ”は必要ありません」
こうして――
居酒屋店長・片桐直人の、婚活の日々が始まった。
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それでは物語の【第二章】をお届けします。
二章では、主人公・直人が結婚相談所で最初の壁にぶつかる様子を描いていきます。
どんな壁にぶつかり、その壁とどう向き合うのでしょうか。
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第二章 プロフィールの壁
第二章 プロフィールの壁
結婚相談所「ひだまりパートナーズ」での初回面談を終えた直人は、スタッフの橘に促されて“プロフィール作成”に取りかかることになった。
「職業欄は、“居酒屋店長”で大丈夫ですね?」
「ええ、まあ、正確には“経営者兼調理人”……ですかね」
「素晴らしいですね。ですが、少しだけ言葉を工夫して“飲食業経営者”と表現してもいいかもしれません」
橘はプロだ。言葉を選びながらも誠実さを崩さず、直人の想いに寄り添おうとしてくれる。
しかし、いざプロフィールが完成し、数名の女性に「お見合い申し込み」を送っても、結果は芳しくなかった。
3日、5日、1週間──すべて「ご辞退」の返事。
(やっぱ、ダメか……)
直人は、自分の職業が相手にどう映っているのかを、初めて真剣に考えた。
夜型勤務、不規則な生活、飲食業界の不安定さ……
店はそれなりに繁盛している。借金もなく、スタッフも育ってきている。
でも、それを数字で説明する術を、直人は持っていなかった。
「片桐さん、気落ちしないでください。最初の一歩は、誰でもつまずきます」
橘は静かに励ましてくれた。
「でも、やっぱり飲食って、印象が悪いんですかね?」
「悪いというより、“見えにくい”んです。あなたがどんな思いでお店をやっているか、そこを伝えられたら、印象はきっと変わりますよ」
そう言って、彼女は小さな提案をした。
「プロフィールに、“お店を始めた理由”を書いてみませんか?」
その夜、直人はカウンターに一人座り、紙とペンを手に取った。
氷を入れたグラスの音が、店内に静かに響いている。
(俺がこの店を始めたのは、ただ、親父が残した味を絶やしたくなかったからだ)
父が営んでいた小料理屋。突然の病で店を畳むことになり、大学を辞めて、直人は厨房に立った。
あの時の決断に、今でも悔いはない。
(家族の味を、他人に届ける。それが、俺の生き方だったんだ)
翌週。更新されたプロフィールには、こんな一文が添えられた。
> 「家庭の味を、知らない誰かと分かち合う。それが、私の仕事であり、生き方です。」
数日後──
初めて「お見合いOK」の通知が届いた。
相手は、35歳の女性、山本 萌。
職業は図書館司書。趣味は読書と料理。
そして、備考欄には、こう書かれていた。
> 「父が居酒屋を営んでいたので、なんとなく懐かしさを感じました。」
直人は、不思議な期待と不安の入り混じった気持ちで、面談当日のカフェに向かった。
それが、“出会い”という名の、最初の扉になるとは知らずに──。
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🔸次章予告:
第三章 はじまりの一杯
・直人と萌の初対面
・会話はぎこちないが、心に残るやり取り
・“料理”が二人の心をつなぎ始める
第三章 はじまりの一杯
では、物語の【第三章】をお届けします。いよいよ、萌との出会い。ふたりの初対面の様子を、丁寧に描いていきます。
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第三章 はじまりの一杯
日曜の昼下がり、カフェの窓際。
片桐直人は、慣れないスーツの首元をそっと引っぱりながら、スマートフォンの時計を何度も確認していた。
「13時、か……」
いつもの厨房では、時間なんて秒単位で管理しているくせに、こういう時だけ、妙にそわそわする。
ドアのベルが鳴った。
顔を上げると、淡いベージュのワンピースに身を包んだ女性が立っていた。
目が合い、彼女が会釈する。
「……山本さん、ですか?」
「はい。片桐さんですね。はじめまして」
萌の声は、柔らかく、少し緊張を含んでいた。
二人は軽く挨拶を交わし、ぎこちない笑顔のまま向かい合って座る。
「今日は、ありがとうございます。こんな……オフの時間まで」
「いえ、私のほうこそ、ちゃんと会ってみたいと思っていたので」
開口一番、そう言われて、直人は内心で少しホッとした。
プロフィール写真の通り、というより、想像よりもずっと話しやすそうな人だった。
「お仕事、居酒屋をされてるんですよね。プロフィールに“味を分かち合う”って書いてあったの、すごく素敵でした」
「……そうですか?」
「実は父が昔、横浜で居酒屋をやってまして。小さい頃、カウンターの端で宿題してたの、まだ覚えてるんです」
「へぇ……。それ、うちと同じだな。俺もよく店の端っこで、おでん食べながら算数してましたよ」
思わず、二人とも笑った。
その瞬間、直人は感じた。
この人とは、“話せる”。
話題は、料理の話へ。
「最近は、おでん作るんですか?」と聞かれ、直人は思わず熱がこもる。
「出汁は昆布と鰹だけじゃ弱いんで、鶏ガラを軽く入れるんです。あとは、牛すじでコクを足して──って、すみません、つい……」
「いいえ。すごく楽しそうで……聞いてて温かい気持ちになります」
「そうですか? 料理って、言葉にしない想いが出るから……たぶん、俺は話すより料理の方が得意なんです」
「でも、今こうして話せてますよ?」
笑って言われたその一言が、直人の胸の奥を不思議と柔らかくした。
約1時間のカフェでの面談は、終始穏やかだった。
最後に、連絡先を交換し、お互い「またお話できたら嬉しいです」と素直に言葉を交わして別れた。
駅へ向かう帰り道。
直人は、歩きながら思った。
(……もう一度、会いたいな)
こんなふうに思ったのは、何年ぶりだろう。
その夜。
萌から、1通のメッセージが届いた。
> 「今日はありがとうございました。
“誰かと一緒に味わう料理”って、やっぱりいいですね。
今度、片桐さんのお店にも行ってみたいです。」
心の中に、あたたかい“出汁”のようなものが、じんわりと広がっていった。
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🔸次章予告:
第四章 仕事と恋のバランス
・交際が始まるも、店の繁忙期と重なり、すれ違いが生まれる
・直人、萌の「支えてほしい」という本音に戸惑う
・常連客たちの意外な応援とひと言が、彼を動かすきっかけに
次回ブログへ続く……
次回、
結婚相談所 縁~port
婚活必勝ブログをお楽しみにね🩷
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