相談所には分厚いファイルを持ったマダムがいると思っていた
- 男性向け
- 女性向け
- 婚活のお悩み
こんにちは。
婚活サロン Blossom Days –ふたり日和–の花帆です。
結婚相談所に入る前、
私の頭の中には、ひとりのマダムがいました。
落ち着いた色のスーツを着て、相談所の奥にどっしりと座っている。
私が結婚の相談に行くと、
壁一面に並んだ棚から、分厚いファイルを取り出してくる。
そして、ファイルをぺらぺらとめくりながら、
「あなた、この人がいいじゃない」
と、1枚の写真を差し出すのです。
「え、でも、まだ何も……」
「大丈夫。私には分かるの」
何が分かるのか、私には分かりません。
けれど、マダムには分かるらしい。
「この人は、ちょっと……」
などと言おうものなら、
「何を言っているの。あなたには、この人が合っているわ」
と、一蹴される。
「次の土曜日、空けておきなさい」
いつの間にか、お見合いまで決まっています。
私は、まだ「会います」とも言っていません。
それでもマダムの中では、すでに二人はお似合い。
私の気持ちだけが、どこにも見当たりません。
お見合いを断ろうとしても、
「一度くらい会ってみなさい」
と、拒む私などお構いなしに、お見合いへ押し出される。
そして気づけば、
マダムのペースにすっかり絡め取られ、
自分の意思とは関係なく、
勧められた人との結婚が決まっている。
一度ファイルを開かれたら、もう後には引けない。
私にとって結婚相談所は、
自分で結婚相手を見つけられない人が、最後に行くところ。
足を踏み入れたら、有無を言わせず結婚させられてしまうところ。
それくらい、覚悟のいる場所でした。
なぜ、そこまで具体的に想像していたのか。
テレビドラマで見たのか。
昔の映画に出てきたのか。
そもそも、そんな場面を本当に見たことがあるのか…。
今となっては、自分でも分かりません。
それでも私の中では、
結婚相談所といえば、
マダムと分厚いファイル。
この二つは、しっかりとひと組になっていました。
まだ何も知らなかった私は、
会ったこともないマダムを、本気で警戒していたのです。
それから時が経ち、
40代になった私は、自分から結婚相談所へ入会しました。
ところが、どれだけ待ってもマダムは出てきません。
分厚いファイルもありません。
代わりにあったのは、スマートフォンに並ぶ、たくさんのプロフィールでした。
誰かが結婚相手を決めてくれるのではなく、
その中から、自分で会ってみたい人を選ぶ。
申し込むのも、
もう一度会うかどうかを決めるのも、自分です。
「あなた、この人にしなさい」
そんなことを言う人は、どこにもいません。
思っていたより、ずっと自由でした。
そして、自由になったらなったで、
私は画面に並ぶプロフィールを前に、考え込みます。
「この人は、どうだろう」
「もう少し見てからにしようかな」
見ても、見ても、なかなか決められない。
誰かが勝手に決めるのではないかと、あれほど恐れていたのに、
いざ、すべてを自分で決めるとなると、それはそれで困るのです。
そんなときだけは、
「あなた、この人がいいじゃない」
あのマダムの決めぜりふを、少しだけ貸してほしい。
そう思ったことは、ここだけの話です。
婚活サロン Blossom Days –ふたり日和–の公式ページ
■おすすめ記事