【婚活小説】「人生、次のフェーズへ」エピソード#7
- 婚活のコツ
- 成婚者エピソード
【30代商社マン、翔のリアル婚活ジャーニー(フィクション)】
名古屋・千種の結婚相談所「ブライダルサロンbouquet(ブーケ)」の佐藤まさよしです。
私たち夫婦が今までお手伝いさせていただいた、「海外赴任が決まった男性会員」6名のエピソードをまとめ、一つの物語(小説)にしてみました。
ここでの登場人物はカウンセラーの佐藤香織以外は、架空の人たちです。ですが、皆さん、おおよそこのような状況で入会されて、成婚退会後に一緒に海外へ赴任されています。
これから婚活を始めようと考えている方、
実際に「海外転勤」の可能性の高い方、
海外へ一緒について行きたいと考えている方へ。
私たち「ブライダルサロンbouquet」のサービスをイメージしてもらいやすいように、フィクションで紹介させていただきます。
『人生、次のフェーズへ』~海外駐在が決まった僕が、結婚相談所で見つけた「本当のパートナー」
海外転勤が決まり、一緒に赴任してくれるパートナーを探そうと決めた『高橋翔』さんが、結婚相談所「ブライダルサロンbouquet」を選び、代表カウンセラー『佐藤香織』と共に婚活をし、最高のパートナー『中村遥』さんと出会う物語です。
全8話、お楽しみください。
【第7話「遠くても、近くにいる」】
海外赴任の日が、刻一刻と近づいていた。
翔は、名古屋市内の社宅を引き払う準備を進めながら、遥との新生活の拠点となるシンガポールの住居や生活インフラの手配にも追われていた。
一方で、遥も仕事を調整し、渡航準備を着実に進めていた。
子ども英会話教室の退職は円満に終え、講師仲間や保護者からの応援に背中を押されていた。
「寂しいけど、あなたの挑戦を応援したい。がんばってね」
「海外に行っても、子どもに英語教えてあげてください!」
遥は笑顔で手を振りながら、どこか自信に満ちた顔でいた。
(“支えるだけの妻”じゃなくて、“一緒に挑戦するパートナー”になれている気がする)
それは、翔が何よりも望んでいた関係性だった。
⸻
ただ、出発直前には、やはり少しだけ“不安”が顔を覗かせた。
空港に向かう前夜、ふたりは部屋の床に座りながら、コンビニで買ったコーヒーとドーナツを食べていた。
「明日からは、いよいよ海外生活か…」
「緊張してる?」
「うん、ちょっとだけ。でも、遥が一緒だから大丈夫」
遥はコーヒーを口に含み、少し間を置いて言った。
「私も…ちゃんと支えになれるか、不安になるときあるよ。でもね、思ったの。
“完璧な妻”じゃなくて、“変化を楽しめる夫婦”になれたら、きっとやっていけるって」
翔はその言葉に、心からうなずいた。
「本当の意味で“近くにいる”って、物理的な距離じゃないんだろうね。
心が隣にあるって、こういうことなんだと思う」
ふたりの目が合う。
誰かと人生を重ねていくことは、距離や環境の違いに負けない“絆”を育てること。
今なら、それがわかる。
⸻
そして翌朝。中部国際空港。
羽田を経由し、シンガポールまでは約8時間のフライト。
ふたりは搭乗ゲートで手を取り合い、名古屋の空と、ここまでのすべての人々に感謝を込めて小さく頭を下げた。
「行ってきます、日本。行ってきます、香織さん」
「ねぇ翔さん、私たち、ちゃんとここまで来たね」
「うん。これからは、ふたりで“世界のどこにいても帰る場所”をつくろう」
遥は頷き、そっと翔の手を握った。
その瞬間、どんな未来でも歩いていける確信が胸に灯っていた。
(第7話・了)