革命の後の朝、誰がゴミを拾うのか?婚活に「メンテ」の視点
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はじめに:結婚という「革命」の陰にあるもの
婚活において、私たちは常に「劇的な変化」を追い求めています。
・素敵なパートナーとの出会い
・心躍るプロポーズ
・華やかな結婚式
・新居での生活
これらは人生における輝かしいハイライトであり、これまでの独身生活を塗り替える、いわば人生の「革命」です。
しかし、成婚カップルに接し、それまで多くの悩みを聞いてきたカウンセラーとして、私はあえて皆さんに問いかけたいのです。
「革命」が成し遂げられたその先、熱狂が去った後の日常を、あなたはどう生きるつもりですか?
ここで、アメリカの概念芸術家ミエレル・レーダーマン・ユケレスが1969年に発表した、ある強烈な問いをご紹介します。
「革命の後、月曜の朝に誰がゴミを拾うのか?」
ユケレスが提唱した「メンテナンス・アート」
ユケレスは、第一子を出産した後、家事や育児に追われて自身の創作活動がままならなくなった時、ある真理にたどり着きました。
世の中には、新しい価値を生み出す「開発(Development)」と、今ある生活を維持し続ける「維持(Maintenance)」の二つの労働がある。
そして、社会や芸術の世界では「開発」ばかりが賞賛され、掃除、洗濯、育児といった「維持」の労働は、あたかも存在しないかのように軽視され、隠されている・・・
彼女は、この隠された「維持」こそが最も重要で尊いアートであるとし、自ら「メンテナンス・アート(維持芸術)」を提唱しました。
彼女がニューヨーク市の清掃員8,500人と握手をして回ったパフォーマンスは有名ですが、その根底にあるのは「誰かが維持し続けなければ、この世界は一瞬で崩壊する」という切実な認識です。
「風呂掃除」という名の終わりのない維持
この視点を婚活の永遠のテーマである「家事分担」に当てはめてみましょう。
特に、女性が結婚生活に対して抱く不安の正体は、この「メンテナンス = 家事」にあります。
例えば「風呂掃除」を想像してみてください。
多くの男性は「風呂掃除くらい、言われれば手伝うよ」と言います。
しかし、ここには大きな認識のズレがあります。
女性が求めているのは、単に「浴槽をスポンジでこする」という表面上の最低限の労働の分担だけではありません。
・排水溝に絡まった髪の毛を、ヌメリを我慢しながら取り除くこと。
・シャンプーの残量を把握し、なくなる前に詰め替え用を買っておくこと。
・壁にカビが生えないよう、毎日スクイージーで水切りすること。
これら一つひとつは些細な作業です。しかし、これこそが「生活の維持(メンテナンス)」の本質です。
もし誰かがこれらをやらなければ、一週間もすれば風呂場は不快な場所になり、私たちの「快適な生活」は崩壊します。
女性が家事分担で孤独を感じるのは、この「終わりのない、名前のないメンテナンス」を、自分だけが責任を持って管理させられていると感じる時なのです。
「手伝う」という言葉が抱える問題
男性側からの「手伝うよ」という言葉は、無意識のうちに「家事の責任者は君であり、自分は補助役である」という立場を示してしまいます。
それは、ユケレスの問いに答えるなら「ゴミを拾うのは君の仕事だけど、たまに僕も手伝ってあげるよ」と言っているのと同じです。
しかし、結婚生活は二人で創り上げる一つの共同作品です。
「開発(稼ぐこと、大きな決断をすること)」だけが夫の役割で、「維持(日々の生活を回すこと)」が妻の役割、という分業モデルは、現代の共働き世帯においては、もはや心理的安全性を損なう原因でしかありません。
解決の鍵は「料理という共同作業」
では、どうすれば「孤独なメンテナンス」から抜け出し、二人で幸せな日常を維持していけるのでしょうか?
私がカウンセリングの中で強くお勧めしているのが「料理を一緒に行う、共同作業」にすることです。
料理は、生活のすべての要素が凝縮されたプロセスです。
1. 献立を考える(企画)
2. 買い出しに行く(物流)
3. 調理する(開発・制作)
4. 盛り付ける(プレゼン)
5. 片付け、シンクを磨く(維持・メンテナンス)
これを二人で行うのです。 キッチンに並んで立ち、一人が野菜を切っている間にもう一人が使わないボウルを洗う。美味しいご飯を食べた後、二人で「今日のご飯、最高だったね」と言い合いながら、明日もまた気持ちよく使えるようにキッチンを整える。
このプロセスを通じて、男性は「美味しい料理の裏には、これだけの準備と片付けというメンテナンスが存在するのか」という事実に、身をもって気づくことができます。
そして女性は、その気づきを共有してくれるパートナーに対して、深い信頼とリスペクトを抱くようになります。
結び:日常を愛する「メンテナンス・パートナー」へ
「革命の後、月曜の朝に誰がゴミを拾うのか?」この問いに対して、自信を持って「私たちが二人で拾います」と言える関係。
それこそが、現代の婚活において目指すべき「最強のチーム」の姿ではないでしょうか。
華やかな「革命」としての結婚を夢見るのは素晴らしいことです。しかし、本当にあなたを幸せにするのは、その後に続く、名前のない、地味で、けれど温かい「メンテナンスの毎日」です。
風呂掃除の髪の毛に気づき、一緒にキッチンに立って笑い合える。 そんな「メンテナンス・パートナー」を見つけるための婚活を、これからも私は全力でサポートしていきたいと思います。
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結婚相談所 Pacific Bridal
代表カウンセラー 佐野 利昭