週刊東洋経済「アニメ熱狂のカラクリ」⑨

ソニーが築いた「アニメ帝国」の凄み

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週刊東洋経済「アニメ熱狂のカラクリ P54 です。
知合いに「ソニー関係者」いて、本当に羽振りいいです。

トップ画面は、【想形文字工房 いろはにほっ。】さんのイラストです。
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●ソニーが築いた「アニメ帝国」の凄み
企画・制作から配信まで超一流だが、「強すぎること」への懸念もくすぶる

〇「日本アニメ、業界における“台風の目”はどの企業か。」そう問われれば、多くの業界関係者がソニーグループと答えるだろう。
ソニーが手がけた代表的な代表的なアニメ作品が、『鬼滅の刃』だ。
放送後、たちまち社会現象を引き起こし、2020年に公開された劇場版の興行収入が国内だけで400億円を突破したのは、記憶に新しい。
ソニーのアニメビジネスは、2本の“宝刀”といえる強力なグループ企業を源泉としている。

同社に関し業界内から聞かれるのは、畏敬の声ばかりだ。
「ヒットに対する欲望のスケールが他社のスタッフと違う」（アニメプロデュース会社EGG FIRMの大澤信博代表）。
「製作委員会参加企業は、アニプレックスかそれ以外に二分される。
収益最大化への気概、企画・営業の実力ともに申し分ない」（漫画出版社の版権担当者）。
ソニーグループでのシナジー創出も図られる。
17年に海外戦略で連携する音楽レーベル「サクラミュージック」が発足。
『鬼滅の刃』の主題歌で大ブレイクしLiSAもその一員だ。
もう1本の宝刀が、日本アニメの配信で世界最大級の米クランチロールだ。
ソニーは17年日本アニメを配給・配信する米ファニメーションを約165億円で買収すると、21年には1300億円超でクランチロールの買収も断行。
両ブランドの統合を経て、23年3月末の有料会員数は1070万人に上る。

〇集英社との蜜月に異変？
いずれにせよ、ソニーはアニメの企画から制作、配信までのバリューチェーンを超一流の企業群でカバーする。
グループの強大な音楽事業等が、作品の伝達を後押しできる。
だが、強すぎるその存在感には、警戒する声が上がるのも事実。
とくに懸念されているのは、人気原作の提供元としての長年“蜜月”関係を築いてきた集英社との関係だ。
「ソニーは強すぎる。
1社独占は怖い」と、ある集英社の関係者は語る。
「集英社は、ソニーに頼まないとアニメをヒットさせられないような状況は絶対避けたいはず。
原作提供先の新たな選択肢として、集英社の懐に入り込むチャンス」（エンタメビジネスの関係者）。
「帝国」を維持しつつ、「漫画王」との蜜月も保てるか。
強くなればなるほど、悩みは一層深まりそうだ。
（森田 宗一郎）

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