『おとちん』から、夫婦になることの覚悟を学ぶ!(後編)
- 成婚エピソード
- 婚活のコツ
- 婚活のお悩み
目次
- 何とか「ふつう」であろうともがいた夫婦の心の軌跡。
- 「ふつう」からの逃走の果てに見つけた彼女なりの自由!
- 婚活で、あなただけの結婚の動機を探す旅を!
- 30分間3000円の体験カウンセリングとは?
何とか「ふつう」であろうともがいた夫婦の心の軌跡。
こだまさんの著書『おとちん』は、何とか「ふつう」であろうともがき苦しんだ夫婦の心の軌跡を描いた私小説。
こだまさんは小さな頃から「ふつう」から見放されていると感じていました。
まるで何者からか呪われたように。
男性器が「入る・入らない」という暗喩(メタファー)に何を読みとるかは人それぞれだと、きのう書きました。
私たちが生きてきた軌跡の中で、どれだけ物事を真摯に考えたか。
人間としての力量というか、器量というか、もう「人間力」ですかね。
読者が試される感じがあります。
もっというと、向き合う覚悟が問われる。
「一生に一度しか書けない文章」と評した評論家がいましたが、鬼気迫るものがあります。
その意味ではとても不器用ですが、至極真っ当な方でもある。
私は何もしていない。
誰の役にも立っていない。
夫のちんぽも入らない。
存在する意味を見出せないまま、いたずらに時間だけが過ぎていた。
(略)
私たちは性交で繋がったり、子を産み育てたり、世の中の夫婦がふつうにできていることが叶わない。
けれど、その「産む」という道を選択しなかったことによって、「産む」ことに対して長いあいだ向き合わされている。
果たしてこれでいいのか、間違っていないだろうかと、行ったり来たりしながら常に考えさせられている。
皮肉なものだと思う。
(略)
この年に血の滲む思いをしたのが、私たちの最後となった。
翌年からは正月に宿泊しても交わることはなくなった。
どちらから言ったわけでもないけれど、手や口ですることも、身体に触れることも一切なくなった。
すべての性活動が終了した。
「ふつう」からの逃走の果てに見つけた彼女なりの自由!
主人公には一時期、教職に就いていた過去があります(夫は現職)。
その時のトラウマめいた体験や、性的な逃避や、夫と向き合うことからの逃避の果てに、彼女が見出した境地は次のようなものでした。
別に共感しなくていい。
どちらが正しいか白黒をつけなくていい。
そういう人も存在する、と知るだけで充分ではないか。
せめて自分と違う選択を頭ごなしに否定しない人間でありたい。
自戒を込めて、そう強く思った。
(略)
私たちは不運だったかのしれないけれど、決して不幸ではない。
読者の皆さまはどう読みましたでしょうか?
ついつい自分基準の「ふつう」や、常識から他人をジャッジしがちな、偏狭な自分が私の中にも確実にいます。
そして、文庫版のあとがきに収録された、こだまさんの次の一節にくぎ付けになりました。
私は、私のことを一度も好きになったことがなかった。
生まれてこのかた、自分の心も容姿も「醜い」と思って生きてきた。
親がそう言うのだからそうなのだろうと思っていた。
だから、自分を責めてばかりいた。
この好きになれない身体から出てくる子供を、好きになれる気がしなかった。
自分自身を痛め付けたように、子供にも同じことをしてしまうだろう。
ここまで明瞭に言語化できなくても、同じような想いを抱いている婚活中の方たちは、実は案外多いのではないでしょうか。
婚活で、あなただけの結婚の動機を探す旅を!
リアルラブにも40を2、3歳過ぎてから、飛び込んでくる方が多いので、身につまされました。
ご自分の生き辛さの源がどこにあるのか?(ここまで深刻でなくても)
本書は考えるヒントにはなると思います。
アドラーのいう縦の関係じゃない水平な横の関係、それを対等さと言います。
この夫婦が最後にたどり着いた境地は「対等さ」だと思いました。
ひとつは、世間が押し付けてくる「ふつう」との対等さ。
ふたつ目は、彼女の夫との対等さ。
そして婚活で大切なことは、実は、対等さを手に入れたその先の、選択の問題。
「選択は自由なんだ!」という実感を手に入れることなんです。
いやいや、選択は自由なんだと受け容れられてはじめて、対等さが手に入るのかも。
結婚してもいいし、結婚しなくてもいい。
赤ちゃんを産んでもいいし、産まなくてもいい。
それが悦びなら、セックスする夫婦がいてもいいし、そうでないなら、しない夫婦がいたっていい。
人は本来自由ですし、誰も無理強いなんかできない。
義務や犠牲と、愛は紙一重です。
「べき」の枠が外れ、タガが緩んだとき、その桎梏からあなたの心が解放されたとき、本気で「結婚したい」と感じるかも?
そこの可能性だけは捨ててほしくないのです。
このまま一人で朽ちてゆくのは寂しい。
会社なんか辞めてしまいたい。
結婚の動機はなんだって良いのです。
本当の本当の、あなたが生きるモチベーションがどこにあるのか?
それはあなたにしか分かりません。
靴の固結びを解いて、隙間を作ってあげることです。
隙間ができると、
「一緒に生きていくパートナーがほしい」
「信頼できる誰かと一緒に生きていきたい」
そういう気もちが入ってくるから、人は、人生は不思議です。
その選択の自由をどう行使するかは、人それぞれですし、私たちの選択責任に掛かっています。
大人になるとはそういうこと。
両親に対してだけじゃなく、性の問題や結婚、産む産まないという人生の大きな選択の問題は、ひとりで抱えていてもなかなか解決しないケースが多いです。
本書を読みながら、そんなことを考えました。
(つづきは次回)#277
「『おとちん』から、夫婦になることの覚悟を学ぶ!(前編)」:#276
https://www.ibjapan.com/area/tokyo/73022/blog/40078/
30分間3000円の体験カウンセリングとは?
入会検討される皆さまへ
リアルラブは、入会検討時に「30分3000円の体験カウンセリング」を提供しています。
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