未婚率が上昇しているのは、「いい男と出会えない」から?
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未婚率が増えているのは、”いい男”と出会えない、”いい男”が減ったから?
日本の婚活市場において未婚率が増えており、特に50歳時点で一度も結婚をしていない人の未婚率である”生涯未婚率”は増加の一途を辿っています。これは、いろいろな研究から、いい男と出会えない、いい男とが減ったということが言われています。
まず、生涯未婚率はなぜ上がり続けるのか
「いい男がいない」は本当か?婚活市場のミスマッチをデータで読む
「最近、本当にいい男がいない」
婚活現場では、こうした声を女性からよく聞きます。
一方で、男性側からは
「結婚したいのに出会えない」
「婚活しても選ばれない」
という声も少なくありません。
つまり今の日本の婚活市場では、男女ともに“相手がいない”と感じているのに、未婚率は上がり続けているという、一見すると矛盾した現象が起きています。
実際、かつて「生涯未婚率」と呼ばれていた50歳時未婚率は、2020年時点で男性28.25%、女性17.81%に達しました。2015年と比べると、男性は24.77%→28.25%、女性は**14.89%→17.81%**へ上昇しています。男性は約3割、女性は約2割が、50歳時点で一度も結婚していない計算です。公益財団法人生命保険文化センター
この数字だけを見ると、「結婚しない人が増えた」と言えます。ただ、婚活の現場感としては、もっと正確には、**“結婚したい人同士がうまく噛み合わなくなった”**と捉えた方が実態に近いでしょう。
まず確認したいこと:「いい男」は減ったのか?
ここでいう「いい男」とは、単にイケメンや高年収の男性だけを指しません。婚活市場で女性が「この人と結婚したい」と感じる男性には、一般に次のような要素が求められます。
安定した収入や仕事
誠実さ
コミュニケーション力
家事・育児への協力姿勢
精神的な落ち着き
将来設計を共有できること
つまり婚活市場における「いい男」とは、
“結婚生活を現実的に成立させられる男性”
と言い換えた方が正確です。
そして研究データを見ると、女性が重視する条件は、決して「高望み」だけではありません。東京大学大学院医学系研究科の分析では、女性は男性よりも、学歴、職業、経済力、性格、趣味の一致、仕事への理解、家事・育児への姿勢やスキルなど、多くの項目を重視する傾向が示されています。特に**「家事・育児に対する姿勢・能力」については、女性の54%が「重要」、42%が「考慮する」**と回答しており、結婚相手に対する評価軸が、もはや「稼ぎ」だけではないことが分かります。
つまり、現代の婚活で求められる「いい男」は、昔より条件が増えています。
高収入であるだけでも足りず、
優しいだけでも足りず、
家事育児に協力的なだけでも足りない。
複合条件を満たす男性像が“いい男”として見られやすくなっているのです。
婚活市場では「いい男」は構造的に少ない
ここが最も重要なポイントです。
「いい男がいない」のは、女性の理想が高すぎるだけではありません。市場構造として、条件に合う未婚男性が少ないのです。
東京大学の研究では、18〜49歳のうち、結婚意思があるにもかかわらず未婚の人は、女性が848万人、男性が983万人で、男性の方が134万人多いとされています。まずこの時点で、婚活市場は「男性余り」です。
しかし、男性が多いなら女性が有利で、選び放題になるかというと、そう単純ではありません。
なぜなら、女性が結婚相手に求める条件をつけた瞬間に、対象男性が急減するからです。
同研究によると、女性が「自分以上の年収の男性」を求める場合、男性1人あたりの女性数は、
年収500万円未満の女性で 2.5人
年収700万円未満の女性で 13.7人
となります。さらにそこへ**「大卒」**という条件も加えると、
年収500万円未満で 4.9人
年収700万円未満で 21.7人
まで競争倍率が上がります。
要するに、未婚男性は多いのに、“女性が結婚相手として前向きに見られる男性”は少ないのです。
これが、「未婚男性は多いのに、いい男がいない」と感じる一番大きな理由です。
高年収・高学歴の未婚男性は、そもそも婚活市場にあまり残っていない
さらに厳しいのは、条件が良い男性ほど、未婚市場に残りにくいことです。
東京大学の研究では、年収700万円以上の男性について、既婚率は
25〜39歳で84%
40〜49歳で92%
に達していました。
反対に、年収0〜100万円未満では既婚者割合が、
25〜39歳で23%
40〜49歳で33.4%
にとどまっています。
また同研究では、結婚意思のある未婚男性のうち、
年収0〜300万円が 618万人(62%)
年収400万円以上が 196万人(20%)
年収700万円以上は 16万7000人(2%)
という分布が示されています。
この数字が意味するのはシンプルです。
婚活女性がイメージする「普通のいい男」が、
安定収入があり
大卒で
性格も良く
家事育児にも理解があり
年齢も近い
という条件を含んでいるなら、その男性は婚活市場では“普通”ではなく、かなり希少な存在です。
だから「いい男が減った」というより、正確には
“女性が結婚相手として安心できる条件を満たす未婚男性が、市場に少ない”
と言うべきでしょう。
「いい男がいない」の裏には、男性側の経済格差もある
ではなぜ、女性が安心して結婚を考えられる男性が減って見えるのか。
大きな背景の一つが、男性の雇用と所得の格差です。
ニッセイ基礎研究所は、男性では年収と既婚率が比例し、**年収300万円あたりで既婚率が上昇する「家族形成の壁」**があると指摘しています。つまり、年収が低い男性ほど、結婚に至りにくい傾向があるのです。
さらに同レポートでは、20〜30代の非正規男性の既婚率は約5%、交際相手なしが8割とされており、雇用形態や所得格差が、そのまま恋愛・結婚の機会格差につながっていることが示されています。
労働政策研究・研修機構(JILPT)の研究も同様の方向を示しています。
この研究では、非正規就業者は正規就業者と比べて、結婚意欲が14.4%低いとされ、結婚意欲の低下を通じて、現在交際相手がいる確率が間接的に6.1%低いと分析されています。さらに、結婚意欲があり交際相手もいる段階でも、不安定就業に起因する結婚後の経済不安が、独身継続の阻害要因になるとされています。
つまり、婚活市場において「いい男がいない」と感じられる背景には、単なる外見や性格の問題だけでなく、
男性側の雇用不安・低所得・将来不安によって、結婚市場に乗れる男性が減っている
という構造要因があるのです。
「未婚率の上昇」と「いい男に出会えない」は、確かに相関している
ここまでのデータをつなぐと、未婚率上昇と「いい男に出会えない」という感覚には、かなり明確な相関があると考えられます。
理由は3つです。
1. 結婚したい未婚者は多いのに、条件が噛み合わない
結婚意思のある未婚者は男女とも多い一方で、女性が求める条件に合う未婚男性は少なく、マッチング率が低い。
2. 条件の良い男性ほど既婚化しやすく、未婚市場に残りにくい
高収入・高学歴・安定雇用の男性は既婚率が高く、婚活市場に残っている比率が低い。
3. 男性側の経済格差が、恋愛・結婚格差に直結している
低所得や非正規雇用は、交際、結婚意欲、結婚実現のすべてに悪影響を与えている。
この意味で、
未婚率が上がっているから“いい男がいない”のではなく、
“結婚相手として成立しやすい男性が少ない構造”が、未婚率上昇と同時進行している
と見るのが正確です。
ただし、「いい男がいない」をそのまま信じすぎるのも危険
ここで婚活アドバイザーとして強く言いたいのは、
“いい男がいない”という言葉は、半分正しく、半分危険
だということです。
正しい部分は、ここまで見てきた通りです。
婚活市場には、条件の良い未婚男性が本当に少ない。
これはデータでも裏づけられています。
しかし危険なのは、「いい男がいない」を
“理想通りの条件を満たす相手がいない”
という意味で使い続けると、婚活が止まることです。
なぜなら、女性が“普通の男性”だと思っている条件が、実は市場ではかなり希少だからです。
年収、学歴、年齢、見た目、性格、家事育児協力、会話力まで求めれば、当然その人数は激減します。
婚活で大切なのは、「いい男がいない」と嘆くことではなく、
自分にとって本当に必要な条件と、あれば嬉しい条件を分けることです。
婚活市場で本当に問うべきは、「いい男が減ったか」ではなく「結婚できる関係を築けるか」
現代の婚活市場では、
「高収入だから結婚できる」
「若いから選ばれる」
という単純な話ではなくなっています。
女性は経済力だけでなく、家事育児姿勢や人柄も見ていますし、男性側も経済不安によって結婚に踏み出しにくくなっています。つまり今は、条件競争と生活現実が強く結びついた婚活市場です。
その結果として、50歳時未婚率は上がり続けています。
2020年時点で、男性28.25%、女性17.81%。
この上昇は、「結婚したくない人が増えた」だけでは説明しきれません。
むしろ、結婚したいのに、相手条件・市場構造・経済条件が噛み合わず、結婚に至れない人が増えていると考える方が、現実に合っています。
<まとめ>
「いい男がいない」という婚活女性の実感には、感情論では片づけられないデータ上の根拠があります。
結婚意思のある未婚男性は多い一方で、女性が安心して結婚相手と見なせる条件を満たす男性は少なく、しかもそうした男性ほど既に既婚である可能性が高い。さらに、男性の低所得化や雇用不安定化が、交際や結婚の実現を難しくしています。
だから、未婚率の増加と「いい男に出会えない」は、かなり強く相関しています。ただし、それは「理想を下げろ」という話ではありません。本質は、婚活市場の構造を理解したうえで、条件の優先順位を現実的に組み替えられるかどうかです。
婚活を前に進める人は、
「市場にいない理想像」を追い続ける人ではなく、
“結婚生活を一緒に作れる相手”を見抜ける人です。