平均・中央値・エリア・年代で見る男性の年収
- 男性向け
- 婚活のお悩み
- 婚活のコツ
前回は年収と手取りの話をしましたが、今度は男性の平均年収と中央値の話をしていきます。
婚活市場で語られる男性の年収は、平均値だけが独り歩きしがちです。出典元も含めて、フラットに数字を見ていきましょう。
この記事では、平均と中央値の違い、年代差、地域差、未婚かどうか、そして結婚相談所の会員データという5つの角度から、男性の年収の実態を整理します。
平均年収と中央値の違い
国税庁の民間給与実態統計調査(令和6年分)によると、給与所得者全体の平均給与は478万円、男性に限ると587万円です(※1)。
平均は、一部の高所得者の影響を強く受けます。極端に年収の高い人が数人いるだけで、全体の平均は大きく上がります。一方、分布の真ん中に位置する人の年収(中央値)は、そうした影響を受けません。
同じ調査の分布を見ると、男性の給与所得者の49.0%が年収500万円以下です。ここから計算すると、男性の中央値はおよそ500万円になります。
平均587万円に対し、中央値は約500万円。この90万円近い差が、平均という数字の性質を表しています。
(この「約500万円」は当相談所が分布から計算した推計値です。理由は記事末の補足に書きました)
平均を基準に「自分は下だ」と考えている場合、実際には中央値かそれより上に位置していることが少なくありません。
年代によって相場は変わる
年収は年齢とともに上がっていくため、全世代をまとめた数字と自分を比べても、あまり意味がありません。
同じ調査から、男性の年代別の賃金を見てみます(※2)。
20代前半で月24.6万円、30代前半で33.0万円、30代後半で36.6万円。ピークは55〜59歳の44.6万円です。20代前半と比べると、30代後半では約1.5倍になっています。
結婚相談所で活動する男性のボリュームゾーンは30代です(後述します)。その年代の水準は月33万〜37万円あたりということになります。
なお、この金額も残業代・賞与を含まない月額です。賞与や残業代が加われば、年収ベースではこれより大きくなります。
比べるなら全世代の平均ではなく、同世代の水準。これが2つ目のポイントです。
地域によって相場は変わる
年収の相場は、働く地域によっても大きく変わります。
同じ賃金構造基本統計調査(令和7年)から、男性の賃金を都道府県別に見てみます。全国の平均は月額37.3万円。最も高いのは東京の45.9万円で、次いで神奈川40.6万円、大阪38.0万円。最も低いのは青森の29.0万円です(※2)。
注目したいのは、全国平均を上回るのが東京・神奈川・大阪の3都府県のみという点です。残る44道府県は、すべて全国平均以下になります。
つまり全国平均は大都市圏の給与水準に引き上げられた数字で、多くの地域では平均に届かないほうが標準的です。
なお男女を合わせた数字で見ると、全国平均を上回るのは東京・神奈川・愛知・大阪の4都府県になります。愛知県は男女計では全国平均を上回りますが、男性だけで見ると全国平均を下回ります。同じ調査でも、男女計の話と男性の話を混ぜると結論が変わってしまう例です。
比較の対象は全国平均ではなく、自分の生活圏の相場を使うほうが実態に合います。
未婚の男性に絞ると相場は下がる
ここまでの数字は、結婚している人も含めた男性全体のものです。ただ、婚活で出会う相手は未婚の男性ですから、そこに絞った数字のほうが実態に近くなります。
総務省の就業構造基本調査には、未婚の人だけを取り出せる所得の分布があります。そこから中央値を計算しました(※4)。
男性全体の中央値は、年齢とともに上がっていきます。25〜29歳357万円、30〜34歳427万円、35〜39歳470万円、40〜44歳499万円。
ところが未婚の男性だけで見ると、338万円、358万円、365万円、360万円。30代でほぼ横ばいになり、40代では下がります。
ここで一点、補足させてください。この2つは別々のグループではありません。未婚の男性は、男性全体の中に含まれています。全体の一部を取り出すと数字が下がる、という関係です。
なぜ下がるのか。年収の高い人から順に結婚していくためです。全体の中央値が470万円で、そこから未婚だけを取り出すと365万円になるということは、裏を返せば、結婚している人たちの水準は470万円より上だということでもあります。
婚活で出会う相手の相場は、男性全体の統計より低い。これは覚えておいて損のない事実だと思います。
結婚相談所で活動する男性の分布
IBJ(日本結婚相談所連盟)が公開している会員データ(2026年4月末時点)から、実際に結婚相談所で活動している男性の内訳を見ていきます(※5)。
年齢のボリュームゾーンは30代で、全体の44.3%を占めます。成婚した男性のピーク年齢は34歳です。
年収は400〜599万円の帯が36.4%で最多です。600万円以上が約52%を占め、世間一般の分布と比べると高年収側に寄っています。ただし最も厚い層は400万円台から500万円台で、400万円未満の会員も11.6%います。
もう一点、この数字には特徴があります。IBJでは男性は収入証明書の提出が必須です。ここに並んでいるのは自己申告の数字ではなく、証明書に基づく実数です。
では、この分布は世間とどれくらい違うのか。IBJと同じ6つの区分で、世間の未婚男性(35〜39歳)の分布を並べてみます(※4)。
年収600万円以上の割合は、世間の未婚男性が13.6%、IBJの男性会員が52.0%。約4倍の開きがあります。
1,000万円以上は1.6%に対して12.7%で、約8倍。逆に300万円未満は、世間では3分の1以上(35.8%)を占めるのに、IBJでは2.9%しかいません。
婚活市場の中でも、結婚相談所は特に年収の高い層が集まる場所だということです。
理由は仕組みにあります。男性は収入証明書の提出が必須で、入会の基準もあり、費用を払って活動する場所です。そこを通った人が集まれば、分布は上に寄ります。
中央値を手取りに換算すると
男性の中央値である約500万円を手取りに換算すると、およそ390万円。月あたり32〜33万円です。
額面と手取りを混同したまま話すと、結婚後の生活費の見積もりがずれます。年収別の手取り早見表は前回の記事にまとめています。
【リンク:前回記事 https://www.ibjapan.com/area/saitama/55557/blog/176975/ 】
ここまでのまとめ
平均値は中央値と比べて高くなりがちなので、平均と比べて低くてもあまり気にする必要はありません。
エリアで絞った中央値のほうが実態に近いので、参考にすべきはこちらの数字です。
未婚男性の中央値のデータもありますが、結婚したら未婚ではなくなります。婚活をするなら、未婚男性の数値は無視してよいでしょう。
IBJの会員は年収が高めなので、一般的に高年収と見られる数字でも、プロフィールが並ぶと埋もれてしまうこともあります。
お見合いがなかなか組めないとき、年収のせいかなと悩む男性は多いです。ただ、このときに平均値と比べてしまうと分析が外れることがあります。エリアと年代で絞った中央値で見るのがよいでしょう。
また、IBJで活動している場合は母集団の年収が高めなので、中央値の数字に少し足した数字で分析するのがおすすめです。
参考:数字を当てはめてみる
ここまでに出てきた物差しを、具体的な例に当てはめてみます。同じ年収でも、比べる相手を変えると評価がどう変わるかを見てください。
比べる相手は3つです。男性全体の平均、同じ県・同じ年代の男性の中央値、そして結婚相談所で活動する同年代の平均。国の統計は中央値、IBJは平均値なので、IBJ側は上振れしている点にご留意ください。
【例1】27歳・愛知県・年収420万円
・男性全体の平均587万円 → 大きく下回る
・愛知県の25〜29歳男性の中央値385万円 → 上回る(※4)
・IBJで活動する20代男性の平均539万円 → 下回る(※5)
「平均587万円」を基準にすると低いと感じます。しかし同じ県・同じ世代で見れば真ん中より上です。一方、結婚相談所の20代男性の中では平均以下になります。
一般的にその地域で婚活すると同世代よりも収入は高いと言えます。IBJのデータは平均値なので、上振れしてる数字ではありますが、婚活していると高い部類と判断はされにくいです。
ただ、エリアと年齢で絞ると、実際は低いわけではないので、年収で足切りされることは少ないでしょう。
【例2】37歳・東京都・年収780万円
・男性全体の平均587万円 → 上回る
・東京都の35〜39歳男性の中央値601万円 → 上回る(※4)
・IBJで活動する30代男性の平均657万円 → 上回る(※5)
東京都の35〜39歳男性で年収600万円以上は50.1%、未婚男性に絞れば30.6%です(※4)。780万円はその中でも上のほうに位置します。
一方、結婚相談所では600万円以上が52.0%、800万円以上が24.3%。780万円は上位ではありますが、相談所の中で突出した数字ではありません。世間で感じる優位さと、相談所の中での優位さは別だということです。
【例3】42歳・埼玉県・年収560万円
・男性全体の平均587万円 → やや下回る
・埼玉県の40〜44歳男性の中央値516万円 → 上回る(※4)
・IBJで活動する40代男性の平均743万円 → 大きく下回る(※5)
「平均587万円」には届きませんが、埼玉県の同世代の男性の中では真ん中より上です。未婚の男性に絞れば中央値380万円なので、さらに上になります(※4)。
ところが結婚相談所では、40代の平均が743万円。IBJの男性会員のうち600万円以上が52.0%を占めるため、560万円は下から半分に入ります。世間では平均以上、相談所では平均以下。同じ年収で評価が逆になる例です。
【例4】51歳・東京都・年収580万円
・男性全体の平均587万円 → ほぼ同じ
・東京都の50〜54歳男性の中央値654万円 → 下回る(※4)
・IBJで活動する50代男性の平均805万円 → 大きく下回る(※5)
未婚男性に絞ると中央値は413万円まで下がります。婚活で出会う相手という見方をすれば、580万円は167万円上の水準です。
しかし東京都の50〜54歳男性は、年収600万円以上が55.8%。580万円はその手前なので、同世代の中では下から半分に入ります(※4)。
そのため、未婚男性の中央値と比べて高いから結婚しやすいとは言えません。
一方、結婚相談所の50代男性の平均は805万円。年代が上がるほど相談所に集まる男性の年収は高くなるため、相談所の中では下のほうになります。
「男性 年収 平均」で検索すると587万円という数字が出てきます。自分とほぼ同じだと安心してしまいがちですが、それが危険なケースです。
もう一点、年収以外の物差しも見ておく必要があります。IBJが公表している「成婚しやすさ」の指標では、平均を100としたとき50〜54歳の男性は47.8。年齢が上がるほど数字は下がります(※5)。
平均年収の物差しだけを見て一喜一憂しても、あまり意味がないということです。
4つを並べると分かることがあります。例1の420万円は「同世代では真ん中より上」、例3の560万円は「世間では平均以上、相談所では平均以下」、例4の580万円は「同世代では下から半分だが、未婚男性の中では上」。金額の大小ではなく、どの集団と比べているかで結論が変わります。
なお、都道府県別・年代別の中央値は総務省の調査の所得分布から当相談所が算出したもので、2022年時点の数字です。中央値そのものが公表されているわけではありません。IBJの年代別平均と成婚しやすさの指標は2023年の成婚白書によります。調査によって対象も時点も異なるため、おおまかな位置関係の目安としてご覧ください。
補足:「年収の中央値」という数字について
本文で使った「約500万円」を推計値とした理由を書いておきます。読み飛ばしていただいても差し支えありません。
実は、個人の年収の中央値をそのまま公表している公的統計は存在しません。国税庁の民間給与実態統計調査にも、総務省の就業構造基本調査にも、中央値という項目はないのです。あるのは平均値と、階級ごとの人数分布だけです。本文で使った未婚男性の中央値も、この分布から当相談所が計算したものです。厚生労働省の国民生活基礎調査には中央値がありますが、これは世帯の所得(451万円)であって、個人の給与ではありません(※6)。
そのため本文の約500万円は、国税庁が公表している分布から当相談所が計算した推計値になります。他のサイトで見かける中央値も、同じように誰かが推計した数字か、根拠が示されていない数字のどちらかです。
ただし、月額の賃金であれば中央値が公表されています。厚生労働省の賃金構造基本統計調査(令和7年)では、男性の賃金は平均が月37万3,400円、中央値が月32万5,800円。平均のほうが4万7,600円高くなっています(※2)。この金額は残業代と賞与を含まない月額なので、12倍しても年収にはなりません(賞与の中央値が公表されていないため、年収の中央値は計算できないのです)。
年収の正確な中央値は存在しない。ただし平均が実態より高く出ることは、公的なデータでも確認できる。本文の数字はそのように読んでいただければと思います。
(※1)国税庁「令和6年分 民間給与実態統計調査」。同調査に中央値の公表はありません。本文の約500万円は、公表されている給与階級別分布(男性は500万円以下が49.0%)をもとに当相談所が算出した推計値です。
(※2)厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査の概況」。賃金は令和7年6月分の所定内給与額(残業代・賞与を含みません)。中央値は付表3の中位数、年代別は第2表、都道府県別の男性の賃金は都道府県別参考表1によります。
(※3)厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」都道府県別第1表(都道府県、年齢階級別)。年収は「きまって支給する現金給与額×12+年間賞与その他特別給与額」で当相談所が算出した概算です。産業計・企業規模10人以上・一般労働者が対象。
(※4)総務省「令和4年就業構造基本調査」地域編 第23表。有業者が対象で、中央値は同表の所得階級別分布から当相談所が算出した概算です。調査時点は2022年10月。
(※5)会員の年齢分布・年収分布はIBJ公式サイト「数字でIBJチェック」(2026年4月末時点)、年代別の平均年収はIBJ「2023年 成婚白書」、成婚ピーク年齢は「2025年 IBJ成婚白書」によります。
(※6)厚生労働省「2025年 国民生活基礎調査の概況」。2024年の1世帯当たり所得の中央値。世帯単位の総所得であり、個人の給与ではありません。