新婚報告”自分の全てを受け入れてくれる”人がいる幸せ
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みなみさんの成婚へ至るプロセスと、新婚生活の報告が届く
結婚でいちばん深い癒しは、“誰かに選ばれること”ではなく、自分という存在を丸ごと受け入れてくれる人がいると実感できた瞬間に生まれます。これは、30代後半・事務職のみなみさんが結婚へたどり着くまでと、新婚・ロマンス期の心の旅路の報告です。
「両親が変わらなければ、私の幸せはない」──被害者として生きてきた日々
みなみさんは長いあいだ、“家族の不仲”の中で生きてきました。両親の険悪な関係を幼い頃から見続け、自分の幸せも周囲に左右されるものだと信じていたのです。
「両親さえ変わってくれたら、私の人生も変わる」
そう信じるほど、心はいつも振り回され、無力感に飲まれがちでした。
同時に、心のどこかで「私を救い出してくれる男性が現れるはず」と期待していたことにも、のちに気づきます。けれど過大な期待は裏切りを生み、また自分を傷つけてしまう。
そんな“被害者の人生”のままでは、前に進めないと気づき始めたのは、面談を重ね、心の深い部分を整理できるようになってきた頃でした。
「いつもと違うことをやってみる」小さな宣言が運命を動かす
少しずつ、自分にも未来を選ぶ力があると認められるようになったみなみさん。そこで出てきた言葉が──
「いつもと違うことをやってみる」
十数回目のあるお見合い当日、彼女は受け身すぎず、張り切りすぎず、落ち着いた気持ちで臨むことができました。お相手は、穏やかで安心感のある優しい男性。
「全然、苦痛じゃなかったんです」と、照れくさそうに報告してくれた姿が忘れられません。
ただ同時に、心配性な自分も顔を出します。
「デートではよかったけれど、欠点が見えてきたらどうしよう」
「仲良くなるほど、彼が離れていく気がして……」
それは、みなみさんがこれまで築いてきた“自己防衛”のクセ。親密にならないよう距離を取る癖が、無意識に働いていたのです。
「率直な私でいる」を目標に──心の壁をすこしずつ溶かす
交際中の目標はみなみさん自身が決めました。
* 男性といて“楽しい自分”を体験すること
* 心配性に捕まらない
* 忖度しすぎず、リラックスする
* 気を遣わず、ありのままの自分でいる
この“率直な私でいる”という目標が、彼女を支える軸になっていきます。
そしてある日のデートで、勇気を出して正直に伝えました。
「感情のやり取りが苦手なんです」
「恋愛経験がほとんどなくて……」
すると彼の返事は、とてもあたたかいものでした。
「僕も恋愛経験は少ないんです。恋人じゃなくて結婚相手を探しています。一緒にいてリラックスできる人がいい。」
みなみさんの心の防波堤が、少しだけ音を立てて崩れた瞬間でした。
深く理解しあう“似た者同士”──ニーズは自分で満たすもの
ある日のデート後、彼から「今日は特別、親しくなれた気がします」とメッセージが届きました。
本当なら嬉しいはずなのに、みなみさんは返信をスルー。
その理由を尋ねると、
「まだまだだよ!って言いたくなるんです」
と自分でも驚いた様子で語りました。
さらに掘り下げていくと──
「私の何がわかったというの?」
「そんな簡単に男女がわかり合えるわけない」
そこには、不仲な両親を見て育った彼女なりの恐れが横たわっていました。
だからこそカウンセラーのわたしは伝えました。
「もっと深くわかり合いたいと望んでいるのは、あなた。
そのニーズは、あなた自身が丁寧に伝えていく必要があるんです。」
婚活で出会う相手は、あなたの“渇き”を満たすためにいるわけではない──。
この気づきが、みなみさんのパートナーシップを変えたのです。
そして成婚──“丸ごとの自分”を受け入れてもらえる喜び
交際はゆっくりと進み、みなみさんの心の内側にも、小さな変化が積み重なっていきました。
彼のまじめで誠実な一面。
そして男女関係に不器用なところも、実は自分と似ている──そう気づいたとき、みなみさんはふっと安心したと言います。
そして無事に成婚。
そこからは“ふたりの生活”が始まります。
結婚後のみなみさんは、心の声をつづったメッセージを送ってくれました。
「自分の生活の中に、ほかの誰かがいるのって本当に不思議です。
時々、拒否感のような“異物感”に襲われることもあります。」
でも、それも自然なこと。
他人と暮らすとは、ゆっくり距離を縮めるプロセスだからです。
触れ合い、家事を分担し、日々の小さな出来事を共有するうちに──
「彼は、私を丸ごと受け入れてくれる人なんだ」
そんな実感が、確かな喜びへと変わっていきました。
新婚当初は性の感覚に戸惑い、「こんなものなの?」と思ったことも正直に話してくれました。でも今では自然に悦びを感じられるようになり、
「セックスを特別視しすぎていたんだと気づきました」
と笑いマーク入りで赤裸々に語ってくれました。
“丸ごとの私”で愛されるという奇跡
ある平日の昼下がり、新居に一人で居て、「(彼が)このまま帰ってこないのでは?」
急な不安に襲われ、彼に会いたくて泣いた日もあったそうです。
そんな揺れ動く気持ちを、みなみさんは隠さず伝えることができました。
彼はそれを拒まず、受け止め、寄り添ってくれたのです。
「自分を丸ごと受け入れてくれる人がいる──
それがどれほど幸せで尊いことなのか、ようやくわかりました。」
婚活は、自分の欠けている部分を探す旅ではありません。
“丸ごとの私”で愛される経験を取り戻す旅。
みなみさんの物語が、婚活中のあなたの心にもそっと光を灯しますように。
カウンセラーからのメッセージ💬
誰の中にも、ふと不安になる自分がいます。
その自分が安心できる相手なら、無理をしなくても心は少しずつ開いていきます。