「この人で本当にいいの?」──成婚後に迷う女性
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婚活をしていると、誰もが一度は思うのではないでしょうか。
「この人で本当にいいの?」と。
頭では「条件もいいし、優しいし」とわかっていても、なぜか心が動かない。
逆に、気持ちが動いた相手には不安や怒りがついてくる──。
今回はそんな“決められない迷路”の中にいたりこさん(30代後半・事務職)の物語です。
彼女が見つけたのは、「正解の人」ではなく、「自分の心を信じられる感覚」でした。
成婚後も「この人でいいの?」と迷う瞬間、自己肯定感の低下が関係していることがあります。
彼と同棲する?キャリアを取る? 迷走するりこさんの心
りこさんは、仕事も趣味も全力で楽しむアクティブな女性。
仲間とバンド活動をする一方で、事務職として責任ある仕事をこなしていました。
そんな彼女に、婚約中の彼から「結婚を前提に同棲しよう」と提案がありました。
ところが──。
「一緒に住まないと相性がわからない」
その一言が、彼女の心に引っかかりました。
理屈は理解できる。けれど「信頼されていない気がする」と感じてしまう。
彼の気持ちに共感できない自分を責め、「どうして私は素直に喜べないんだろう」と悩んでいました。
さらに、仕事のキャリアアップのチャンスも重なり、
“彼と結婚して落ち着くか”“今の仕事を極めるか”──どちらも譲れず、心が分裂していたのです。
喧嘩の裏にある“本音を言えない怖さ”
デートのたびに、すれ違いが増えていきました。
部屋探しのデートでは、お互いの理想がぶつかり合い、とうとう喧嘩別れ。
「合わせられるか心配だよ」と言われた言葉が胸に刺さりました。
「どっちでもいいよ」って、言ってほしかった。
そう思った瞬間、涙があふれました。
本当は“優しく受け入れてほしい”だけだったのに。
でもりこさんは気づいていました。
前の恋愛でも、同じように衝突を繰り返し、関係を終わらせてきたことを。
「どうせ私が悪いんだ」「また失敗した」と、自分を責めるパターン。
頭では理解しているのに、心が追いつかない。
まさに、思考のどツボにハマっていたのです。
「面倒くさい自分」の正体
カウンセリングでわかってきたのは、りこさんの過剰なくらいの“防衛反応”でした。
彼女が「面倒くさい」と何もかも投げ出したくなり、自分を責めていたのは、実は心の防衛本能だったのです。
彼女の母親は、超がつくほど心配性で過干渉。
学生時代は、帰りが遅れると何十回も電話がかかってくるほど。
ケガをしても心配より先に叱られる──そんな家庭でした。
「母はいつもネガティブで、何かあるとすぐに“危ないからやめなさい”って言う人でした。」
その影響で、りこさんは大人になってからも「私のテリトリーに入ってこないで」と距離を取るようになりました。
親のような結婚生活だけは嫌だと思いながら、心の奥では“誰かに入ってきてほしい”と願っていたのです。
“譲れない私”を手放す練習
「人は人、自分は自分」──りこさんの口癖でした。
それは彼女の強さでもあり、同時に孤独を守るための盾でもありました。
自己肯定感が低い人ほど、他人からの承認を求めてしまう。
そして、思うように得られないとき、自分を守るために“突っぱねる”──。
りこさんも、そのパターンの中に生きていました。
「譲れないことはあっていい。
でも、誰かと生きていくって、“手放しても大丈夫”と思えることなんですよ。」
この言葉に、りこさんは静かに頷きました。
“自分を変えようとする”より、“自分を受け入れる”ほうが難しいことを知ったのです。
「この人でいい」ではなく「この人と生きていきたい」へ
彼との関係は、何度もぶつかりながらも続きました。
けれど、少しずつ変わったのは、りこさん自身の向き合い方でした。
「私は私。完璧じゃなくていい。彼も完璧じゃなくていい。」
そう思えるようになったとき、肩の力が抜けました。
彼と一緒にいる時間に、“穏やかさ”が戻ってきたのです。
「正しい相手」を探すより、「自分が安心できる関係」を築くこと。
それが、りこさんがたどり着いた答えでした。
まとめ:
婚活中に出てくる「この人でいいのか?」という疑問。
その本当の意味は、裏を返すと──“この私でいいのか?”という、自分への疑いなのかもしれません。
りこさんは、自分の中の「面倒くさい私」を責めるのをやめたとき、初めて人を愛せるようになりました。
そして、彼との未来を“選ぶ”というより、“受け入れる”ことができたのです。
「完璧じゃなくていい、これが私なんだって思えるようになりました。」
婚活のゴールは、理想の相手に出会うことではありません。
“自分の心と仲直りすること”──それが、ほんとうのスタートライン。
婚活カウンセラーからのメッセージ💬
「ホントにこの人でいいのか?」と思ったときこそ、成長のチャンスです。
その迷いは、あなたの心が“本音を聞いてほしい”と訴えているサイン。
焦らず、自分を信じて、一歩ずつ。
あなたの中に、すでに“幸せを選ぶ力”が育っています。