“誰も好きになれない”という繊細な痛みに寄り添う
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婚活で”相手を好きになれない”あなたへ──「会っても会っても、心が動かない」
お見合いの帰り道。駅のホームで電車を待ちながら、彼女は小さくつぶやきました。「いい人だった。でも……やっぱり、心が動かない。」
誠実で、優しく、会話も続いた。見た目も悪くない。条件は整っている。それでも──なぜか、心が“醒めたまま”。
婚活でこの悩みにぶつかる女性は、本当に多いです。けれど、これを誰かに話そうとすると、よくこう言われてしまいます。
「贅沢だよ」「そんなに理想が高いの?」
でも、そうじゃない。“好きになれない”というのは、単なるわがままではなく、心の深い領域のサインなのです。
「私、感情が壊れてるのかな?」「どこか欠けた人間なのかもしれない。」
そう自分を責める前に、立ち止まってほしい。それは壊れてるのではなく、まだ守っているだけ。あなたの中の繊細な感性が、ちゃんと働いているからこそ「違和感」を感じ取っている。人と深く関わる“心のセンサー”が、まだ確かに生きている証拠です。
“好きになれない”──心の仕組みとその正体
婚活では、年収・職業・価値観の一致など、「条件」で人を選ぶ傾向が強くなります。でも、結婚の本質はもっとシンプルです。
「一緒にいて、居心地が良いかどうか」
この一文に尽きます。沈黙が気まずくない。会話のテンポが自然。笑うツボが似ている。そういう“ちょっとした呼吸”の重なりに、人は安心を覚えます。
好きになれない苦しみの多くは、実は“感覚のすれ違い”。「条件の不一致」ではなく、「感覚のズレ」なのです。だから、無理に感情を作ろうとしなくていい。あなたの感覚が、まだ正しく働いている証拠です。
“セクシャリティ”との距離感──好きになれない心理の奥にあるもの
もうひとつ、結婚相談所ではあまり語られない大切なテーマがあります。
それは、“セクシャリティ(性のあり方)”との距離感。
たとえば、子どもの頃から性的な話題を避ける家庭で育った場合。「誰かに(性の対象としての)女性として見られる」こと自体に、無意識の抵抗や怖さを感じることがあります。
また、「いい子」「清楚な子」として期待されてきた女性ほど、“ときめき”や“欲求”を表に出すことにブレーキがかかります。
婚活という舞台は、実は無意識のうちに「この人と関われば、恋愛が始まり、性が始まるかもしれない」という緊張を生み出します。
だからこそ、“心が動かない”という感覚は、「愛せない自分」ではなく、「まだ心の奥の扉を開けていない自分」なのかもしれません。
それは、怖れでもあり、同時に誠実さでもある。あなたの心が“安全でない場所”に足を踏み入れないよう、そっと守っているのです。
“感情を置いてきた場所”に戻る旅を
好きになれない自分を責める必要はありません。それは、恋ができないのではなく、恋を感じる回路が少し眠っているだけ。
もしかしたら、過去の傷つき体験や、「ちゃんとしなきゃ」という思いが、あなたの“感情のチャンネル”を静かに閉ざしてきたのかもしれません。
このブログでは折に触れて、そんな“揺らぎが感じられない自分”にやさしく光を当てていきます。
恋愛感情が湧かないのではなく、「感情を置いてきた場所」に、まだ戻れていないだけ。その場所に、もう一度耳を澄ませてみましょう。
カウンセラーの存在が安全基地に
ここで頼りになるのが、仲人型結婚相談所の存在です。ひとりで婚活を進めると、条件や印象で判断しがちですが、カウンセラーという第三者が入ることで、自分でも気づけない「感情のズレ」や「思考の偏り」を整理できます。
仲人は紹介役ではなく、“心の温度を一緒に確認してくれる伴走者”。あなたが焦りすぎたときには「大丈夫」と支え、心が動いた瞬間には「それを大切に」と背中を押してくれる存在です。だからこそ、カウンセラーは、恋愛感情を取り戻すための安心基地であり、あなたと一緒に“感じる力”を育てるパートナーなのです。
私たちカウンセラーは、お見合いや交際のフィードバックだけでなく、会員と一緒になって丁寧に振り返り、次回へつなげる気づきを大切にしています。
今日のステップ|心の感度を取り戻す3つの練習
1️⃣ 五感を使って過ごす一日をつくる。食事の味、風の匂い、街の音──「感じる」時間を意識的に取ってみましょう。
2️⃣ 誰かの“優しさ”を受け取ってみる。コンビニの店員さんの笑顔でもいい。「ありがとう」と声に出すだけで、心の筋肉がほぐれます。
3️⃣ “ときめき”を思い出すものに触れる。映画、音楽、昔好きだった香水──あなたの感情を呼び起こす小さなきっかけを探してみて。
五感を取り戻すことは、自分の内側に眠っている感情を再び感じる回路を刺激します。人の優しさを受け取ることで、心の防衛がゆるみ、他者とのつながりに安心感を持てるようになります。
そして“ときめき”を思い出すことは、愛する力の筋肉を再び動かし始める行為です。
小さな“感情の練習”を重ねるうちに、心の温度は少しずつ戻っていきます。
まとめ|“好きになれない”は、「心が守っている」サイン
婚活で「好きになれない」と感じるのは、あなたが冷たいからでも、恋愛下手だからでもありません。
それは、心がまだ守っているサイン。
あなたの感情は、壊れてなどいない。ゆっくりと安心できる関係の中で、必ず“好き”は芽吹いていきます。