婚活で“愛される準備”はできていますか?
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つながることの怖さを超えて──
婚活で一番難しいのは、「出会うこと」でも「条件を整えること」でもない。
本当に怖いのは、誰かと“深くつながること”。
愛されたいのに、心のどこかで「近づかれたくない」とブレーキを踏んでいる。
婚活2〜3年目、何十人ものお見合いを経ても“あと一歩”が進まない人へ──。
この文章は、事例に基づく、停滞期の苦しみを抜け出し、心の奥で再び“信じる力”を取り戻すための物語です。
出会っても、なぜか距離が縮まらない
「いい人なんです。話も合うし、尊敬できる。でも……いざ結婚相手となると、恋愛感情が湧かなくて。」
結婚相談所に通う菜々(仮名・37歳)は、2年間の活動で30人以上とお見合いした。けれど、真剣交際にはまだ一度も進めていない。思い余って、友人から薦められた婚活メンター早川のセッションを受けることにした。
「もう、“恋愛感情がない自分”が壊れてるんじゃないかと思ってました。」
そう語る彼女に、早川は静かに尋ねた。
「“感情が湧かない”って、どんな感覚?」
菜々:「心が動かない感じです。頭では良い人だとわかるのに、感情がピクリとも動かない。」
早川はうなずいた。「それね、“感じること”を自分で止めてるサインかもしれません。」
心を守るクセが、愛を遠ざける
菜々は、かつての恋人との、結婚直前の破局で深く傷つき、それ以来“安全運転モード”に切り替えていた。
喜びも悲しみも最小限に抑えて、平穏を装う日々。
でもその“平穏”が、婚活では最大の壁になる。
とはいえ、彼女が感情を失っていたわけではない。
実は菜々は舞台やライブが大好きで、一人でもチケットを取って出かけるほど。
そのときは笑ったり泣いたり、感情を爆発させることも多い。
つまり、彼女は“感じる力”を持っているのだ。
ところが、いざ結婚相手と向き合うと、心に鍵が掛かってしまう。
好きになったら、また壊れてしまうかもしれない──そんな無意識の防衛が働いていた。早川から見て、菜々は“選びすぎる女性”の典型だった。
早川:「人って、安心できる相手ほど、怖くなるんですよ。だって本気になるから。」
菜々:「……確かに。舞台は終われば帰れるけど、人との関係はそうはいかないですもんね。」
二人で笑いながらも、彼女の目が少し潤んでいた。
それから数回目のセッションで、早川は確信した。彼女は、婚活でも“感じる準備”を取り戻し始めている。
愛される準備は“委ねる勇気”
それから数か月後。ようやく菜々が「真剣モードで交際できるかもしれない」と思える男性が現われた。決め手は、彼女の“推しの舞台”を一緒に観に行ってくれたことだった。観劇後の食事ではお互いの感想で盛り上がり、「この人となら、もっと深い話ができるかもしれない」と心が動いた。久しぶりに“感情の暖房”スイッチが入った瞬間だった。
ところが、まさにその矢先。菜々の母親が突然倒れた。「看病のために婚活を一時休む」と早川に連絡が入った。彼を待たせるのは申し訳ない、迷惑をかけたくない──そう言って、彼女は「交際を終了したい」と申し出たのだ。
早川は一瞬迷ったが、男性側の相談所に状況を伝えると、思いもよらない返答があった。
「僕はいつまでも待ちます。彼女のペースで大丈夫です。」
その言葉を伝え聞いた菜々は、パソコンの前でしばらく固まって何も言えなかった。早川には、心の奥の硬い氷が、一瞬、溶けていくように思えた。
彼女は感激し、彼の想いを受け入れた。お互いの相談所の合意のもと、半年間の交際延長が設けられた。幸い母親は回復し、その間、二人はオンラインで連絡を取り合い、やがてまたリアルで会えるようになった。
再会の日、菜々は彼にこう伝えた。
「この数ヶ月、家族ってなんだろう、命ってなんだろうって考えていました。あなたが待ってくれたおかげで、私、本当に大切なことが見えた気がします。」
彼は静かに頷き、「あなたのそういうところが好きなんです」と言った。
その瞬間、菜々は決意した。自分にとって本当に必要なのは“条件”ではなく、“信じ合える関係”だと。
彼女は改めて彼に婚約前提の真剣交際を申し込み、交際再開から一月後、彼のプロポーズを受けて成婚した。
感情を感じることが、女性性を開く
成婚報告の席で、菜々は笑顔でこう言った。
「彼の前で泣いちゃったんです。でも、不思議と恥ずかしくなかった。彼を信じて待ってもらってよかった。自分の弱さを見せても、愛してもらえるって、こんなにあったかいことなんですね。」
その言葉に、早川は深く頷いた。
その涙の日を境に、彼女の表情は柔らかくなっていった。
感情を感じることは、あなたの中の女性性が開花すること。
“感じる・受け取る・共鳴する”──それが、愛される準備の三原則です。
婚活で停滞している人こそ、この“感情の回復”が次の扉を開く鍵になります。
婚活のゴールは「成婚できるマインド」
婚活は、“選ばれるゲーム”ではなく、“信じるトレーニング”。
停滞期を超えた人が見つけるのは、“完璧な相手”ではなく、“委ねられる関係”。
怖くても心を開き、誰かと関わる勇気を持った人こそ、真に「成婚できるマインド」を手に入れます。
愛とは、安心して泣ける場所を見つけることなのです。
📝今日のワーク:「愛される準備」チェックリスト
(夜の入浴後や一日の終わり、静かに自分と向き合える時間に行うのがおすすめです。通勤途中やカフェでのひと息タイムにもぴったり。)
1. 仮交際中、相手の前で素直に「助かった」と言えた?
例:デート帰りに荷物を持ってもらった瞬間や、駅まで送ってもらった時に、素直に笑顔で「ありがとう」と伝えてみましょう。
2. 相手の優しさを“試す”代わりに、“委ねる”選択をした?
例:意見がぶつかった時や、自分の希望を言うのが怖い時、“我慢”ではなく“お願い”の形で伝えてみましょう。
3. 心が動いた瞬間を、怖がらずに味わえた?
例:帰り道やカフェでふと相手を思い出し、胸が温かくなったら、その感覚を“消さずに”感じてみましょう。
──ひとつでもYESがあれば、それがあなたの“つながる勇気”です。