“自分軸”で成婚がグッと近づく──勇気と安心のレッスン
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「結婚はコスパが悪い」「婚活はタイパが悪い」と言われる時代。効率やリスクを基準に恋愛を測る人が増えている。
でも、本当にそれで“心”は満たされるのだろうか?
成婚できる心の準備として、今回は、そんなコスパ思考への“もう一つの答え”として、“自分軸”という指針を描く。
誰かに合わせるのではなく、自分の心の中心から関係を育てていく勇気──その先にある安心とは何かを探る。
相手に合わせすぎて、疲れてしまうとき
里佳(34歳・看護師)は、いつも気づけば“相手の顔色を読む恋愛”をしてきた。「嫌われたくない」「気まずくしたくない」──そんな思いが先に立ち、婚活でのデートの最中も常に相手の表情を観察していた。
けれど、相手に合わせるほどに、自分がどんどん消えていくような寂しい感覚があった。気をつかっているのに、なぜか距離が縮まらない。まるで「正解」を探す恋愛ゲームのようで、終わるたびに心だけがすり減っていった。
「どうすればうまくいくのか」と検索しても、“聞き上手になれ”“リアクションを良くしろ”という答えばかり。けれど、どれも自分の中の違和感を埋めてはくれなかった。彼女の婚活は、まさにその悪循環の中にあった。
“自分軸”って何ですか?
ある日の面談で、婚活メンター早川が静かに言った。
早川:「“自分軸”って、相手を無視して我を通すことじゃないんですよ。相手に合わせながらも、自分の気持ちを置き去りにしない力。つまり、“相手を尊重しながら自分を守るバランス”のことなんです」
里佳:「自分を守る……それってわがままとは違うんですか?」
早川:「全然違います。自分軸を持てない人ほど、相手をコントロールしようとしたり、我慢でつながろうとしたりする。逆に、自分の軸がある人は、“こう感じた”と伝える勇気を持っている。だから、関係が安心で成熟していくんです」
その言葉に、里佳の表情が少しだけ変わった。どこかで“素直になるのは危険”だと信じてきた心が、ゆっくりほどけていくようだった。
勇気が“安心”を呼ぶ瞬間
早川:「たとえば、“自分軸”を身につけた相談者がいました。彼女はいつも相手の反応を気にして、自分の意見を飲み込んでいた。でも、あるデートで『それ、私はこう感じたかも』と伝えてみたんです。すると相手が笑って、“そういうふうに言ってもらえると安心する”って」
里佳:「えっ、それで関係が良くなったんですか?」
早川:「ええ。“相手を不快にさせるかも”という恐れを超えた瞬間に、信頼が生まれた。人は“完璧な強さ”よりも“正直な弱さ”に惹かれるんです。もちろん誠意は大事ですよ」
里佳:「なんだか分かる気がします。相手に合わせてるときより、自分の気持ちを伝えたときの方が、相手の表情が柔らかくなる瞬間ってありますよね。怖いけど、話してよかったって思える……それが“勇気のあとに来る安心”なのかもしれません」
早川:「その通り。勇気って、強がることじゃなく“素直に自分を出す力”なんです。弱さを見せた瞬間、関係は動き出します。安心は、勇気のあとにしかやってこないんです」
“自分軸”で築く、二人の安心
セッションの終わり、里佳は小さく息を吐いた。
里佳:「前はいつも、相手に合わせないと嫌われると思ってました。でも今は、ちゃんと自分の気持ちを伝えてもいいんだって思えるようになってきました」
早川:「それが“自分軸”ですよ。相手に合わせすぎず、かといって突っぱねもしない。お互いの違いを尊重しながら、自分を保てる力。恋愛も結婚も、“支え合う”よりも“響き合う”関係の方が長く続くんです」
里佳:「響き合う……なんだかいい言葉ですね。たとえば、お互いに忙しくても“今日は疲れてるね”って言い合える関係、そんな感じですか?」
早川:「そう。それが“安心を育てる関係”です。結婚ってね、安心をもらう場所じゃなくて、“一緒に安心をつくる旅”なんですよ」
里佳は笑いながらうなずいた。
里佳:「コスパとかタイパとか、頭で考えすぎてました。でも、“安心”って計算じゃ手に入らないんですね」
早川:「ええ。安心は、行動の中でしか育ちません。小さな勇気の積み重ねが、あなたの“自分軸”を強くしていく。その軸があれば、どんな相手とでもホンネで向き合えるようになります」
里佳の表情は、最初に来たときよりも穏やかだった。きっとこの先、彼女は“安心をもらう恋愛”から“安心をつくる結婚”へ歩き出していくに違いない。
エピローグ|“自分軸”の先にあった笑顔
数か月後、里佳が成婚の報告に早川のもとを訪れた。彼女の隣には、穏やかな笑顔の彼がいた。手をつなぎながら話す二人の姿には、派手さよりも控えめな安心感があった。
里佳:「あのとき“自分軸を持っていい”って言われたこと、本当に大きかったです。あれがなかったら、彼に出会っても素直になれなかったと思います」
早川:「その勇気があったから、今の笑顔があるんですよ。安心は、行動のあとに育つ。二人で、ゆっくり育てていってくださいね」
二人の後ろ姿を見送りながら、早川は思った。──“自分軸”でつながった関係は、誰かに愛される前に“自分を信じる力”の上に立っているのだと。
📝今日のステップ:勇気と安心を両立させる3つのヒント
1. (毎日のお風呂場で)──「今、どう感じてる?」を自分に問いかける。まず“自分の中の声”を聞くことが、自分軸の第一歩。
2. (お店選びで迷ったら)──相手を安心させようとするより、自分が落ち着ける言葉を選ぶ。たとえば「焦ってた、ごめんね」でも十分。
3.(お相手に意見を求められたら)──”正解を言う”よりホンネを交わす。それが勇気と安心が共存する関係を育てる一番の近道。
婚活カウンセラーの私が、強く思うのは、コスパで測れない“心の価値”こそ、結婚の本当のリターンかもしれないってこと!