結婚はコスパ悪い!恋愛はリスク!婚活はタイパ悪い!
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なぜ“損したくない”人ほど、愛から遠ざかるのか?
「好きになっても報われなかったらイヤだし、時間のムダじゃないですか」──そう話すのは、33歳の紗英さん。仕事は順調で、友人にも恵まれている。でもイザ結婚となると、どこか腰が引けてしまう。婚活にも前ほどは熱が入らない。
SNSを見れば「結婚はコスパ悪い」「恋愛はリスク」「婚活はタイパ悪い」といった言葉が並ぶ。傷つくのはイヤ、裏切られるのも怖い──そんな“損失回避”の気持ちは、今の時代に生きる多くの若者の共通点かもしれない。以下は、紗英と婚活メンター早川との対話だ。
「傷つきたくない」その気持ちは悪くない
早川:「紗英さん、恋愛で“損した”って感じたこと、ありますか?」
紗英:「あります。20代の頃、全部私ひとりが頑張って、最後にフラれたことがあって。それから慎重になりました」
早川:「それは自然な反応ですよ。人は“得する喜び”よりも、“損する痛み”に強く反応するんです。心理学では“損失回避バイアス”って言います」
紗英:「つまり、私みたいに怖がる人が多いってことですか?」
早川:「ええ。でもね、恋の“リスク”をゼロにしようとすると、同時に“幸せになるチャンス”まで閉ざしてしまうんです」
結婚は「投資」じゃなくて「共同事業」
紗英:「でも、また裏切られたらどうしようって思っちゃうんです」
早川:「恋愛を“投資”と考えると、どうしても“損したくない”気持ちが強くなる。でも結婚は“共同事業”なんですよ」
「たとえば、家賃も家事も感情も分け合う。ひとりでは抱えきれないことを、二人で支え合える。それって実は、人生でいちばん“効率のいい安心”なんです」
紗英:「効率のいい安心……なるほど」
早川:「コスパを気にして“ひとりの自由”を守るのも悪くない。でもね、二人で生きると、心の体力が増える。人生の“耐久力”が変わるんです」
婚活でも“安全圏”ばかり選ぶと、心は動かなくなる
紗英:「でも、やっぱり安全圏にいたい気持ちもあります」
早川:「安全圏は心地いいけど、そこに長くいると、心は動かなくなるんですよ。恋って、“共感”と“勇気”の掛け算でできているから」
「婚活だと、たとえばこれまでとちょっとタイプが違う人とお見合いしてみるだけでもいい。理想条件を下げるんじゃなく、“体験の幅”を広げてみる。小さな一歩が、愛の回路を開くスイッチになるんですよ」
“損しない恋”より、“支え合える人生”を
セッションを終えた帰り道、紗英はふと思った。──私はずっと、臆病になって、“傷つかないこと”を目標にして生きてきたのかもしれない。
でも、心が動くって、ちょっと痛くて、ちょっとあたたかい。誰かと分け合うことでしか得られない感情が、確かにある。
スマホを開き、彼女は一つの通知をタップした。婚活アプリではなく、同僚からの「この前の食事、楽しかったね」というメッセージ。少し勇気を出して返信する──「また行こうね」。
紗英の小さな一歩、大きな気づき
結婚への第一歩って、そんな小さな行動から始まるのかもしれない。
“損得”ではなく、信頼しあえる誰かと、“支え合える人生”を目指す。その方が、きっとずっと“コスパのいい幸せ”だ。
「今ならわかる」紗英は頷いた。
そして思う。私の「結婚はコスパ悪い」の先にはなにが、一体どんな人生が待っているだろう?
まとめ
──読者の皆さんも、そこを一度、立ち止まって想像してみるのもいいかもしれませんね。お金や効率では測れない“誰かと生きる時間”のかけがえの無さが、きっと見えてくるはずです。
📝セルフチェック:あなたの“損得思考”を見直すための3つの質問
▪️「この人と会うのは“ムダ”かも」と思ったとき、それは過去の失敗が怖いから? それとも直感的な違和感?
▪️「結婚はコスパ悪い」と思うとき、自分が本当に守りたいのはお金・時間、それともプライド?
▪️“損をしない恋”より、“支え合える人生”を選んだとしたら、今の自分の一歩はどんな行動になる?
次回は、“勇気”と“安心”をどう両立させるかを掘り下げます。
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