婚活で露わになった、”頑固の壁”の奥にあるもの
婚活カウンセラーの早川は、またしても頭を抱えていた。担当している斉藤(仮名)は30代前半、自営で高年収を稼ぐやり手の男性だ。お見合いは順調に成立するが、交際が進むにつれて相手女性から同じような断りの感想が寄せられる。
「彼の意見や視点には説得力があるけど、会話が一方通行に感じる」
「彼と話すと、こちらが意見を合わせないといけない雰囲気で疲れる」。
これが何度も続き、早川のノートには「頑固の壁」というメモが増えていった。
斉藤は自信に満ちた男性だ。決断力と実行力を持ち、物事を効率よく進める力がある。だが、女性たちが感じ取る「会話の同調圧力」や「意見の押し付け」は、彼の無意識の振る舞いから生まれている。
早川は斉藤を傷つけずにこの課題をどう伝えるか悩んだ。なぜなら、斉藤は傷つきやすい一面も持ち合わせており、少しでもネガティブな指摘をすると、次回のカウンセリングを休んでしまうことがあったからだ。
「これはただの頑固さじゃない。彼が自分の価値を守ろうとして築いた壁なんだ。」早川はそう考え、慎重に彼の心に届くアプローチを試みることにした。
婚活で実践、「柔らかい意見交換」の練習
次のセッションで早川は斉藤にこんな話を切り出した。
「斉藤さん、最近のデートでこんなこと言われたことありませんか?『話していると、すごく頼りになるけど、何だか私の意見が埋もれてしまう気がする』って。」
斉藤は少し眉をひそめた。
「ええ、正直、似たようなことは聞いたことがあります。でも、僕は相手を否定したり押し付けたりしてるつもりはないんです。ただ、物事をちゃんと考えて答えを出したいだけで。」
早川は笑顔でうなずいた。
「それは分かりますよ。斉藤さんが真剣に考えているからこそ、そうなるんですよね。でも、相手の立場から見ると、真剣さが『柔らかさ』に欠けて感じられることがあるんです。」
婚活で「意見を共有する」練習
早川は「意見交換を柔らかくする方法」として次の課題を提案した。
1. 「正しさ」ではなく「共感」を優先する 「例えばデート中に『僕はこう思う』という場面があったら、相手の意見を引き出してみましょう。『そうなんだ、どうしてそう思ったの?』と聞くことで、相手の気持ちや考えを尊重する雰囲気が生まれます。」
2. 会話のペースを緩める
「斉藤さんは結論を急ぐところがあります。でも、相手は会話を楽しむプロセスが大切なんです。結論を出す前に『それも面白い考え方だね』と余裕を持った言葉を挟んでみてください。」
3. 「相手の話を受け止める」姿勢を意識する
「『たしかにそれも一理あるね』や『そんな見方もできるのか』といった言葉を取り入れるだけで、会話が対話に変わります。これは意見を合わせるのではなく、相手の話を受け止めるサインです。」
実践の成果を婚活に活かす、結婚生活にも有効
斉藤は最初、「僕の意見が弱くなるんじゃないか?」と不安げだったが、デート中に課題を意識してみると、思わぬ変化が起きた。
「早川さん、この前のデートで、彼女が『映画はストーリーより映像が重要』って言ったんです。昔の僕なら『でもストーリーがないと映画じゃないでしょ?』って反論してたと思います。でも今回は『どうしてそう思うの?』って聞いてみたんですよ。そしたら、彼女が学生時代に映像制作会社でアルバイトをしていた話を思い出して、そのときのサークル活動の話題ですごく盛り上がりました。」
早川は大きくうなずいた。
「それですよ、斉藤さん!相手の意見を引き出すことで、会話のキャッチボールが続くんです。これが婚活でも結婚生活でも大切な『柔らかさ』なんです。」
婚活中のあなたへ
自分の意見をはっきり持つことは素晴らしいことです。ただし、それを押し付けるのではなく、相手の意見を受け入れながら柔らかく交換することで、会話は心地よいものになります。
「結婚」は意見の勝ち負けではなく、共に歩むプロセスの始まり。柔らかな心でキャッチボールを続ければ、きっと素敵な未来が待っています。
もし「自分は頑固かもしれない」「会話で相手を疲れさせてしまっている気がする」と感じるなら、ぜひリアルラブのカウンセリングにお越しください。
あなたの良さを最大限に活かしながら、相手と心地よく向き合える会話術を一緒に見つけていきましょう。柔らかな自信を持ったあなたが、未来のパートナーと出会うお手伝いをします!
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