アリサが婚活で、たどり着いた場所
都会のざわめきが、アリサにはどこか無音の迷路に思えた。結婚というゴールを探し続けて何年も経った。35歳、中堅の広告会社で事務職をする彼女にとって、婚活の日々はまるで出口の見えない旅だった。 理想を掲げていた頃は、前を向いている気がした。しかし、気づけばその理想は枷となり、方向を見失っていた。前に進みたいのに、足元に蔦のつるがどんどん絡まるような感覚だった。
友人のミカから紹介されたカウンセラーの早川と話をするまでは、そんな迷いにすら気づかなかった。初めてのセッションで早川は言った。 「アリサさん、あなたの中の理想は素晴らしい。でも、それがあなたを動けなくしているとしたら?」
結婚の理想を捨て、実験的デートの挑戦
その問いは針のように心に刺さった。「動けなくなっている?」アリサは戸惑いながらも、自分の心の奥に目を向け始めた。
早川との会話は、アリサの中で静かな革命を引き起こした。彼が教えてくれた心理学のスキーマ理論――固定観念を見直し、新しい情報を取り入れることで人は変われる――は、心に灯をともした。 「条件じゃない。安心感や共感、それが私にとって本当に大切なものなのかも。」
その気づきは、これまでの婚活とは全く違う試みへの第一歩だった。
「一度話してみるだけでいいんです。」早川の提案は、耳慣れたようでいて新鮮だった。だが、今回は本気だった。アリサは「理想」という地図を意識的に鞄にしまい込んだ。
結婚というゴールへの輪郭
最初の相手は、趣味も職業も理想とは程遠い男性。だが、彼が語る旅先のエピソードには驚きが詰まっていた。
「そんな視点があるんだ」と、アリサの視界が少し広がった気がした。
次の相手は、未来の夢を真剣に語る人だった。「失敗してもいい」と笑う姿に、彼の柔軟な思考と生きる力強さを感じた。それはアリサが抱えていた硬直した理想を、そっとほどいてくれるような出会いだった。
ある日、アリサは誠実そのものの男性に出会った。肩肘張らずにいられる時間、互いの話をただ静かに聞き合う喜び。その空間に、アリサは深い安堵を覚えた。
「これが私が本当に求めていたものかもしれない。」
だが、そこにたどり着くまでの道のりは平坦ではなかった。彼女は自問自答を繰り返した。「私は本当に結婚を望んでいるのだろうか?」そんな疑念が頭をよぎることもあった。それでも、デートを重ねる中で、「一緒に未来を描きたい」という純粋な気持ちが芽生え始めていた。
理想の結婚を売る、割れたショーウィンドウ
出口の見えなかった旅路に、ようやく光が差し始めた。早川とのセッションでの一言がアリサの胸に響いていた。
「時間は戻せないけれど、これからの時間をどう使うかは選べます。」
アリサは、自分が今一番輝ける瞬間を無駄にしないと決めた。理想を売るというショーウィンドウを離れ、実際に触れられる現実を大切にする道を選んだ。
その信念は、3つの大切な要素に形を変えていった。
1. 新しい考えに柔軟な人 違いを恐れず、共に考えを深められる相手。
2. 誠実であること 自分の弱さを隠さず、真摯に向き合える人。
3. 自然体でいられること 無理せず、心からリラックスできる関係。
そして、彼女はついにその要素を全て備えた人と出会う。条件ではない。安心感だった。彼と一緒にいると、未来への坂道がゆっくりと浮かび上がる。
あなたの結婚物語を紡ぐために
もし、あなたも迷路の中で立ち止まっているなら、少し荷物を軽くしてみませんか?私たちリアルラブのセッションでは、理想と現実を整理し、新しい可能性を見つけるお手伝いをしています。 「譲れないもの」と「柔軟にできるもの」を一緒に見直し、前に進む力を取り戻しましょう。
未来を描くのに遅すぎることはありません。あなたの一歩を応援します。
東京・恵比寿 婚活カウンセリングのリアルラブでは、今回お伝えしたような、少しディープな心理分析をテーマに動画を毎週投稿しています。興味のある方はぜひ訪れてみてくださいね。
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