縁結い処 寿々良

□■□自己啓発×婚活□■□選択理論心理学×算命学□■□

婚活彩々物語<男性編①>

  • 婚活のコツ
  • 婚活のお悩み
  • 恋愛テクニック
縁結い処 寿々良「婚活彩々物語<男性編①>」-1

~柏木桔平 編~⑤

縁結い処 寿々良「婚活彩々物語<男性編①>」-2

第5話:「心を開くということ」

あれから、藤巻楓との仮交際は、順調に回を重ねていた。
カフェでの雑談、季節の話、ちょっとした食事。
お互いに背伸びすることなく、自然体で過ごせる時間は、桔平にとって「安心」という言葉の重みを知る日々だった。

けれど——
どこか、心の奥にひっかかるものがあった。

■沈黙の裏側

三度目のデートの帰り道。
歩く楓の横顔が、どこかいつもより遠く感じられた。

「今日、あんまり楽しそうじゃなかったっすね?」

そう尋ねると、楓は少し驚いたように振り返った。

「え?……そんな風に見えました?」

「いや……なんとなく」

「そうですね、ちょっとだけ……話してて、疲れたかも」

「……俺、なんか変なこと言いました?」

楓は少し言葉を選んでから、こう言った。

「桔平さんって、優しいですよね。いつも私のことを考えてくれてるの、伝わってきます。だけど……」

「だけど?」

「“正しさ”で包まれてる気がするんです」

「……正しさ?」

楓は静かに頷いた。

「例えば、“こういう時はこうしたほうがいい”とか、“こうあるべき”とか。桔平さんの言葉って、どこか“正解”を言ってるみたいで……優しいけど、私の気持ちを聞いてくれてるって感じがあまりしなくて」

■沙穂との対話:変わることは、壊すことじゃない

数日後、カフェでの定期カウンセリング。

桔平は珍しく口数が少なかった。
コーヒーをすすりながら、ぽつりとこぼす。

「……俺、またやっちまってたかもしれません」

「何かあったんですか?」

「楓さんに、“正しさで包まれてる”って言われました。“気持ちを聞いてくれてる気がしない”って。……やっぱ俺、変われてないですよね」

沙穂はしばらく黙ってから、こう言った。

「桔平さん、それは変わってないんじゃなくて、“変わろうとしてる途中”なんです」

「……途中、か」

「ずっと職人の世界で、結果と正しさが全てだった桔平さんにとって、“正しくなくてもいい”って受け入れることは、すごく勇気のいることですよね」

「……怖いです。間違えたら、嫌われるんじゃないかって」

「でもね、楓さんは“間違ってもいい桔平さん”を知りたかったんじゃないですか?」

その言葉が、静かに胸に落ちた。

■ふたりの再会

後日、桔平は楓に「もう一度話がしたい」と連絡をした。
いつもの駅前のカフェ。
春の風が少しずつ暖かくなってきた頃だった。

「この前は……ごめんなさい。気を遣わせてしまって」

楓は首を横に振った。

「こちらこそ、はっきり言いすぎたかもしれません。でも……私、桔平さんと話す時間、自体は好きだったんです。ただ……その奥が、知りたかったんです」

桔平は、いつもよりゆっくり言葉を選んだ。

「……俺、正しいこと言うのが癖なんですよ。現場で失敗したら大事になるし、間違えたら怒られてきたし……。だから、“間違えないように”って、恋愛でもずっとそうしてきました」

「うん」

「でも、それって、自分の弱さ見せないためだったんだなって……今になって思いました」

「弱さって、見せちゃダメなものじゃないですよ。私は、見せてほしいって思います」

少しの間があった。
桔平は目をそらさず、楓を見つめた。

「……俺、もうちょっと、自分出してみます。もし、迷惑じゃなければ、もう少し付き合ってもらえませんか?」

楓は、ふっと微笑んで言った。

「うれしいです。はい、ぜひ」

■エピローグ:自分で選ぶ未来

その日の帰り道。
桔平は、ふと思った。

“結婚なんかしなくてもいい”
あの頃の自分が見ていた未来には、誰もいなかった。
でも今は、そこに誰かがいるかもしれない。
不完全な自分を、そのまま見せてもいいと思える誰かが。

帰宅後、作業着を洗濯機に放り込みながら、スマホにメッセージを打った。

「次、どこ行きましょうか? 桜が咲いてきたら、散歩も悪くないかもですね。」

画面の中に現れた返事は、短くて温かかった。

「いいですね。楽しみにしています。」

春が、静かに、近づいていた。


この相談所を知る

縁結い処 寿々良

東京都 / 八王子市

北野駅 徒歩10分

縁結い処 寿々良の婚活カウンセラー写真

相談所の特徴、料金プランがわかる

相談所の基本情報を見る

この相談所を検討している方へ

あなたに最適な、婚活プランを提案