小説「100日後に退会する女子」 12日目
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目次
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- 退会まであと88日
12日目
落合さんと食事に行ってきた。
「テラス席が良かったんですけど、今日は雨だったから、空いているお店を選びました。」
「ありがとうございます。良いお店ですね。」
「はい、佐倉さんイタリアン好きやからここが良いかなと思って。」
・・・
居心地いいなあ。
気を遣わなくていいし、リードが上手だ。
思わずテンションがあがる。
・・・
「今日は新年度でしたけど、新入社員さんは入られましたか？」
「はい。私の部署にも1人配属になりました。落合さんは？」
・・・
「僕の部署にも3人配属になりました。ただ、この環境下で配属になるんはかわいそうですね。仕事の基本を学ぶために研修やお客様訪問も必要やないですか。それが今は一切出来ない。ホンマにかわいそう。自分が新人の立場やったら文句いうやろなあ。ただ、コロナのせいやから何にも言えないと思う。それもホンマにかわいそう。自分たちの中で消化して行くしかない。歓迎会も中止になってしまったし。自分たちで行ってるんかな？上司からは帰り道で飲みに行くのは自粛しろと言われてるから誘えないし。今誘ったらパワハラとも思われるかもしれない。ホンマに大変やわ。この週末も自粛令出るでしょうし。緊急事態宣言が出るかもしれないし。どうなるんでしょうねえ。芸能人も続々と感染していくし、本当に怖い。実際の知り合いにはまだかかった人はいませんけど、今から現れるのかなあ？暖かくなってきたけど、全然治まりませんね。今日の雨がコロナを流してくれたらいいのにね。めちゃめちゃ雨降るなあ。桜の花も散ってまうんじゃないかなあ。花見も行けないのに散って欲しく無いなあ。あ、佐倉さん手が止まってますよ。遠慮せずに食べてください。ここの料理は手が込んでまして全部美味しいんです。ちなみに・・・」
・・・
頭がクラクラしてきた・・・
どんだけマシンガン打ちっぱなしやねん・・・
だからか。だからなのか。
どう見ても彼女いそうな彼が登録しているのは・・・
マジでしんどい・・・
・・・
ただ、条件はいいんだよな・・・。
もう暫く付き合ってみようと思う。
カウンセラーにも相談してみよう。
・・・
4月1日で、新しい日々の始まりのはずが、
物凄い閉塞感で一杯だ。
・・・
色々ありすぎて整理がつかない・・・
