小説「100日後に退会する女子」 5日目

5日目

今日から婚活が始まった。

5件も申込が来た！

ただ、会いたい人はいない・・・

「火曜日と水曜日は、結婚相談所が休みの所が多いので動きは少ないです。土日月にたくさん動きますよ。」

って言ってたな。

焦らずに待つか・・・でも焦る。

しかし、あのカウンセラー・・・

なかなかエモい事を思い出させるな・・・

「佐倉さんっていう苗字、素敵ですね。ちなみにどんな意味かご存知ですか？ヒントは今の時期。」

「桜だと思います。」

「おお！僕もそう思います。桜の語源をご存知ですか？」

 

「咲く神様。」

「え！？何で知ってるの！？初めて答えられた！その通り！佐倉さん、物知りですね！」

・・・

サは咲く、クラは神様が宿る場所という意味らしい(諸説アリ)。

お花見は、ただ楽しいだけではなく、桜の木に降りて来られている神様と一緒に食事をし、お祓いをして頂く事でもあるそうだ。

 

今年は知事が自粛要請を出しているから、賑やかなお花見は出来ないな。

周りの目もあるし、私も怖い。

しかし・・・

何故、私は桜の知識を持っているのか・・・

ああ、腹立たしい。

・・・

さて、手料理の写真でも探そ。

「普段の自分の雰囲気がわかる写真を載せましょう！候補をLINEください！リア充感が出る写真はダメですよ！」

「どうしてですか？」

「リア充な女性を奥さんにしたい男性は少ないから。会員さんはリア充でない男性がほとんどです。眩しくて目を背けられるんですよ。ははははは！」

・・・ほんまかいな？

キラキラしてる方がいいのではないのか？

とにかくこのカウンセラーは、

強い女性→守ってあげたい女性

でプロフィールは作るべきだと言う。

・・・

たしかに・・・

守って欲しい。

退会まであと95日