婚活テクニック~理想と現実~
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理想と現実
こんにちは。
群馬県の結婚相談所エプーズモアの小野里ちゃこです。
彼女と初めて会ったのは、桜の散り始める頃だった。
黒髪ロングにナチュラルメイクの清楚感漂う女性だった。
潤んだ瞳でまっすぐ真剣な眼差しで話を聞いている、
そんな印象が強く残っている。
彼女の名はJ。
群馬県出身・群馬県在住、30代後半の女性。
30代のうちに結婚・出産をしたいと決意を固め、
無料婚活相談に来てくれた。
初めて当社エプーズモアに訪れたとき、
希望する結婚相手について、彼女はこう答えた。
”生まれ育った群馬にずっといたい。
実家にもすぐ行けるし。
これから結婚するのに、あえて群馬から遠く離れた地へ行こうとは思えない。
群馬県在住の同年代の人と結婚したい。
子供が欲しいから、相手の年齢にはこだわりたい。
43歳までの人がいい。
年収は平均的でいい。
でも、私ちょっと面食いなんですよね・・・”
”面食い”
これほど、主観的なことばは他にあるのかというくらい、適当なことばだと私は感じている。
私は、”面食い”と宣言する女性が選んだ男性に対し、
”あ~!マヂでカッコイイ♡”と惚れ惚れ見つめた事例が過去に一度もない。
(記憶に残る限り)
同様に、
私が”カッコイイ♡”と絶賛する男性を、女友達から同意された記憶も、これまでにない。
たとえば、私にとって成婚相手は自慢の男性だ。(とりあえず現時点までのところ)
だが、
周囲からの評価はそうとも限らない。
”なんで、ちゃこはああいう人を選ぶんだろう!?!?”
”ちゃこのすべてを受け入れる覚悟だの、ちゃこを幸せにするだの宣言したくせに、
ちゃこを泣かせやがって、あー本当にむかつく!!”
”ちゃこを泣かせるなんて、絶対に許さない!”
敵意むき出しで、いまにも噛みつきそうな勢いになることも珍しくない。
(ありがたい。親友からの深い愛を感じる。)
あなたにとっての素敵な人は、
わたしにとって何ら魅力を感じない人かもしれない。
わたしにとっての素敵な人は、
あなたにとって何ら魅力を感じない人かもしれない。
私が変わりものだという説もあるが、そこは、いまは置いておこう。
当初の宣言通り、Jは、
群馬県近郊の同年代の男性にこだわって、お見合いを申し込み続けた。
そして、活動開始から3週間ほど、
お断りが続き、なかなかお見合いが成立しなかった。
婚活カウンセラーである私にとっては、予測通り。
当然の流れだ。
どう?と連絡してみたものの、
”ちょっと落ち込んでいます・・・
でも、妥協したくない。がんばりたい。”
そんな返事が返ってきた。
ひとつ、ふたつ解決策を提示しようとしたが、
Jの決意はまだ固かった。
”子供を夫婦一緒に育てたい。
自分の外見を作りこむようなこともしたくない、
このままの私で婚活して、このままの私で結婚したい。”
その答えを聞いて、
おしとやかに見えるJの中に、芯の強さを感じた。
しばらく、彼女の思うがままに活動させてみよう。
それでうまくいかなくても、彼女には、そうさせるほうがいいだろう。
彼女をそっと見守ろう。
Jは、この後まもなく、
群馬県在住の同年代の男性とプレ交際期間に入った。
その相手は、当初彼女が希望していた条件を適える男性だった。
群馬県在住、結婚歴無し、まさしく同年代。職業も文句なし。
これ以上、何が不満だというのだというほど、満足できる相手のはずだった。
ところが、
Jは、自らこの交際に終止符を打つこととなった。
Jは、ある人を好きになってしまったのだ。
その相手とは、
Jにお見合いを申し込んできた遠方の男性だった。
ふたりは、とんとん拍子で交際を進めていった。
入会当初、彼女Jが結婚相手に求めるもので考えたら、
間違いなく、前出の群馬県在住の男性のほうだった。
ところが、Jが選んだ相手は、
当初の希望から若干異なる環境にある相手だった。
その違いについて、またこれから先の長い結婚生活について、
Jへ想定される諸問題を遠慮なく挙げさせていただいた。
Jの人生を左右しかねない大切な問題なのだ。
私の切実な訴えや問いかけに対し、
彼女はしっかりと聞く耳を持ち、
しばらく冷静に考えてくれることになった。
私は、大切な娘さんをご両親から預かっている立場だ。
結婚の選択だけではなく、彼女のこれから数十年先まで考えた支援をしていきたいと思っている。
会員さんの人生を思慮深く考えられるのに、
なぜ、自分の人生となると、同じように冷静沈着に考えられないのか?ため息交じりに私を見つめている実親の姿をこれまでに何度見てきただろうか。
大丈夫よ、たぶん。最終的には私、幸せになれはずだから。たぶん。
Jは一定期間、熟考してくれた。
私に約束してくれた通り、県内に暮らすご両親にも、一連の経緯と彼女自身の気持ちを相談してくれた。
Jは、まもなく群馬から離れた場所へ嫁いでいく。
「好きになっちゃったんだから、仕方ない♡」
「お見合いでも、恋愛になるんですね。」
「なんでも希望通りにいくわけじゃないですよ~♡
好きになった人が遠くに住んでいるなら、仕方ないじゃないですか♡」
そう屈託なく、初めて会った時と同じまっすぐな瞳でJは答えた。
Jがエプーズモアを卒業してしまう日が近い。
「ちゃこさん、次の会員さんの面談時間までここにいていい?」
とクッションを両手で抱えてサロンのソファーに腰かけていたJ。
エプーズモアの愛おしい大切な会員さんのひとり。
どうか、必ず幸せになってほしい。
成婚退会のときよりも、数倍数十倍幸せを感じられる結婚生活となってほしい。
私が得られなかった幸せの形を、必ず手に入れてほしい。
成婚退会し、群馬を離れても、ずっとあなたの幸せを願っています。
愛おしいエプーズモア会員Jへ。