投稿日：2025/12/20

クリスマスの夜に消えた秘密の炎

クリスマスの夜に消えた秘密の炎。私が「不倫」を終わらせて選んだ未来

私は20代のOL。どこにでもいるような平凡な女性です。

けれど、私には誰にも言えない秘密がありました。それは、40代の会社役員で家庭を持つ彼との、甘くも禁じられた関係。

これは、あるクリスマスの夜に私が下した、人生を変える決断の物語です。

幸せと孤独が交差する、クリスマスの夜

街が華やかな光に包まれ、白い雪がしんしんと降り積もる聖夜。

彼は私の部屋に、二つのクリスマスケーキを持って現れました。

一つは、私たちが一緒に楽しむためのもの。そしてもう一つは、彼が家族のもとへ持ち帰るためのもの。

私たちは一つのケーキを分け合い、笑い合い、甘い時間を過ごしました。外の寒さとは対照的な、心を温める特別なひととき。けれど、夜が更けるにつれ、現実は容赦なく訪れます。

彼は「もう一つのケーキ」を手に、家族の待つ家へと帰っていくのです。

その背中を見送るたび、私は胸の奥に小さな寂しさを抱えながら、それでも彼との時間を大切にし続けていました。

クリスマスの数日後、私は偶然街で、彼とその子どもたちが楽しげに遊んでいる姿を目にしてしまいます。

その瞬間、私の胸の奥深くに封じ込めていた記憶が、鮮明によみがえりました。

かつて私の親が不倫をしていたあの頃のこと。家族が傷つき、音を立てて崩れていく姿。

目の前の幸せそうな彼の家族と、かつての自分の家族の姿が重なり、私はその場をそっと立ち去りました。

「このまま、この関係を続けていいのだろうか」

彼との時間は特別で、愛してしまったことに後悔はありません。でも、彼には守るべき家族がいる。私がそばに居続けることで、誰かを深く傷つけてしまうかもしれない。

何より、自分自身をこれ以上偽り続けることはできない――そう強く感じたのです。

私は彼に別れを告げることを決意しました。

それは身を引き裂かれるほど辛く、苦しい決断でした。けれど、これが私にとっても、彼にとっても、そして彼の家族にとっても最善の道だと信じたからです。

クリスマスの夜に燃えた秘密の炎は、雪のように静かに消えていきました。

でも、その温もりは消えることなく、私の心の中で小さな灯火として残っています。それはきっと、これから先を歩むための糧となるでしょう。

私は新たな一歩を踏み出します。

もう一度自分自身を取り戻し、本当の幸せを掴むために。涙を拭いて、前を向いて歩いていこうと思います。