徒然妻日記 第5話 「歩き方」
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妻の歩き方は少し特徴がある。左足はつま先がまっすぐ出るのだが、右足は若干ではあるがつま先が外側を向いてしまう。端的に言うと、右足だけガニ股になってしまう。
慢性的に腰や肩が痛くなってしまい整体に通っている理由の一つは、この歩き方のせいではないかと僕は思っている。なので、気が付いた時には妻に指摘していたことがある。
「右足が外を向いているよ」
指摘があると妻はつま先の方向を直していたが、数分経つと戻ってしまう。戻ったのが分かったら、僕はまた指摘してみる。
「右足」
すると妻は間髪入れずにこう返してくる。
「左足」
なんか少しリズミカルな感じだな。
僕が「右足」というと、また妻が「左足」という。
まるで運動会の行進のよう。
妻は「左足」といいながらキャッキャと楽しんでいる。
そして、しまいには「左足」というだけで、右つま先の角度は変えなくなってしまった。
旗からみると、「右足!左足!」と掛け声のある“行進”を行っているように見える。
最初はそれが楽しかったもあれば、歩き方が治ればいいなとの思いから、たまに指摘をしていたが、いくら指摘してもつま先の向きを変えなくなってきたので、最近では指摘することは少なくなってきた。
相変わらず、妻は右足だけ若干ガニ股で歩いている。
遠くから妻が歩いてきても、その特徴的な歩き方から、僕はすぐにそれが妻だと認識できる。