子供を授かりたいという想いが強いなら、里親制度も選択肢に
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本気で子を授かりたいなら、里親制度も選択肢に入れてみる
日本の里親制度について、現状里親を必要とする子と実際に受け入れている世帯数の割合は、9対1という状況です。具体的には、要保護児童数(約4万人以上)と、里親家庭で養育されている子ども数(約4,700人)との間に大きなギャップがあります。上述の比率で言えば、施設で暮らしている子どもが多数を占めており、里親家庭による養育が十分に拡大していないというのが現状のようです。
子供を授かりたいけれども、年齢的なこと、体的なこと等の理由から子を授かることが難しいといったケースで、それでも子供のいる人生を送りたいということであれば、里親制度を利用するというのは良いと思っています。もちろん、抵抗感を感じる人が多いことは理解をしていますが、それでも子供のいる人生を送りたいということであれば、一つの選択肢になると思います。
では、子を授かりたいということで、里親制度を申請すれば、誰でも里親になれるかというと全くそんなことはなく、国や都道府県、市区町村などの審査があり、それをクリアーした場合にのみ里親として登録することが出来るようです。
年齢的な制限は、都道府県等によって異なるようですが、以前に50代後半の男性が里親制度について聞いてみたところ、年齢的には厳しいと言われたようでした。ただ、その時は結婚はしておらず制度について聞きに行ったとのことでしたので、正式な回答とも言えないように感じました。
里親の審査については、以下の基準があるようでした。
① 審査・認定基準(里親になるための主な要件)
里親登録・認定を受けるためには、国・自治体・児童相談所が定める基準があります。代表的な内容は以下のとおりです。
◆主な要件
・子どもを養育することに関して、理解・熱意・豊かな愛情を有していること。
・心身ともに健康であること。
・経済的に困窮していないこと(生活に支障がない収入・生活状況であること)。
・研修を受けること(登録前研修・認定研修など)。
・申請者およびその同居人が「欠格事由」に該当しないこと(例:児童虐待の実績、重大な犯罪歴があるなど)。
・住居環境・家庭生活が安定していて、子どもを受け入れるにあたって適切と見込まれること。
・里子(委託される子ども)とのマッチングや交流を踏まえて、適性・意向等を慎重に検討されること。
補足・留意点
・審査には、説明会参加 → 研修受講 →面談・家庭訪問・資料提出 →児童福祉審議会等による審査 →認定登録、という流れを取る自治体が多いです。
・里親制度には種類があります(例:養育里親・専門里親・養子縁組里親・親族里親)で、種類によって要件が若干異なります。
・「動機」も重視され、「子どもを養育するための想い」「子どもの最善の利益を考えているか」が問われます。
② 年齢・年収(収入)・年齢制限について
里親になるにあたって年齢・年収(年収という明確な数値基準があるわけではなく「生活に困窮していないこと」が要件)についての制度上の枠を整理します。
・年齢制限
一律「〇歳以上・以下」という明確な年齢上限・下限が全国共通で定められているわけではありません。多くの自治体が「養育できると見込まれる年齢かどうか」「健康状態・養育継続性」が判断基準となっています。
例:東京都では「年齢制限を一律には定めていない」旨の記述があります。
ただし、「養子縁組里親」など養子縁組を目的とした里親登録の場合には、子どもとの年齢差・養育継続可能性などを考慮する自治体もあります。
・年収・収入の制限
多くの自治体では「定められた最低年収額」が全国一律には定められておらず、むしろ「生活が安定して営まれている」「経済的に困窮していない」ことが要件とされます。
ただし、自治体によっては「原則として世帯の収入額が生活保護基準を上回っていること」という条件を付すところもあります。例:東京都の認定基準では「原則として世帯の収入額が生活保護基準を上回っていること」が明記されています(養育家庭の場合)。
例えば、ある区の説明では「40〜50代夫婦2人世帯の場合、年間世帯収入が約220万円を上回っていることが条件であることもある」と明記されています。
年収の典型的な「数値としての基準」は少ないですが、生活保護基準を下回らない収入水準が目安とされている自治体がある、という点がポイントです。
つまり、里親になるために特別に「年収○○円以上」という全国共通基準があるわけではないものの、収入があまりにも低く「生活が安定して維持できないと判断される」場合には認定が難しくなるという実務的な流れがあります。
③ 助成金・手当(里親として養育する際の支援)
里親として子どもを家庭に迎えて養育する場合、国・自治体等からの支援(手当・措置費など)があります。主な目安を以下に示します。
・主な支援内容・金額目安
「養育里親」(養子縁組を前提としない、要保護児童を一定期間預かって養育するタイプ)において、月額で 約90,000円 の「里親手当」が支給される例があります。
・「専門里親」(虐待経験のある児童、障害・問題行動のある児童など、専門的ケアを要するケース)では、1人あたり月額 約141,000円 の手当例があります。
上記手当に加えて、食費・被服費・日用品などの「一般生活費」も別途支給されるケースがあります。例えば、乳児で月額約60,000円、乳児以外で約50,000円前後という記載があります。
教育費、医療費、通院費、入学・進学・就職準備金など、子どもが成長する過程で必要となる費用も、自治体・国の措置費として支給・サポートされることがあります。
◆補足・注意点
手当支給の対象となるのは、里親に「委託児童」を受け入れた後の養育期間中であり、登録しただけで自動的に手当が出るわけではありません。マッチング・正式委託手続きが完了していることが前提となります。
支給額は自治体ごと・児童の年齢・状況・里親の種類(養育・専門・親族・養子縁組等)によって異なります。上記金額は「典型・目安」です。例えば、ある自治体では「40~50代夫婦2人世帯で年間世帯収入が約220万円を上回ること」という収入目安も記載されており、自治体により基準が異なります。
支援が手厚いとはいえ、「里親になれば完全に無コストで子どもを迎え入れられる」というわけではありません。先輩里親の体験談では、習い事・塾・旅行など里子も実子と同じように生活・成長していく中で「実費を一部負担している」ケースもあるという報告があります。
 
             
                