恋愛できなくても結婚できた昭和、恋愛も結婚もできない令和
- 男性向け
- 女性向け
- カウンセラーの日常
マッチングアプリのペアーズがリリースしたネット記事に興味深いことが書いてあったので、少しご溶解をしたいと思います。
ネット記事によりますと、「“恋愛可処分時間”3世代一斉調査」ということで、昭和世代(1950~1960年生まれ)、平成世代(1980~1990年生まれ)、令和世代(1999~2009年生まれ)それぞれで1週間の中で恋愛に割く時間“恋愛可処分時間”を調査したとのこと。
この結果については、昭和世代が4時間8分、平成世代が6時間36分、令和世代が4時間34分と、平成世代がもっとも多く、昭和世代が一番少ないという結果だったそうだ。これを、「令和世代の恋愛離れ」とか「平成世代がもっとも恋愛を謳歌した世代」などと単純に結論づけてはいけないだろう。
ポイントは、昭和と令和は同等の時間なのに、昭和は皆婚で令和は婚姻激減である事。恋愛時間の一番多い平成、しかも若者人口も多かったのに第三次ベビーブームが起きなかった事だろう。そもそも、昭和平成令和にかけて、恋愛強者の割合は3割で一定である(強者3割、中間4割、弱者3割)。強者3割は時代や環境関係なく恋愛をしまくっていたろうが、大きな影響を受けたのは、受身体質の4割の恋愛中間層であろう。
つまり、見えてくるのは、「恋愛できなくても結婚できた昭和」、「恋愛できても結婚ができなくなった平成」、「恋愛も結婚もできなくなった令和」という構造である。これを中間層の若者を取り巻く経済的な視点で言いかえると、
昭和→一億総中流意識の中で今は辛くても将来は何とかなる安心があった
平成→努力すれば どうにかなるとか言われたけど、就職氷河期など個人の努力じゃどうにもならないと思い知らされた
令和→手取り減り続けるし、どうせ無理だし、リスクなくささやかに生きればいいや
恋愛可処分時間の増減というより、この期間若者の可処分所得が減り続けた停滞感と不安が、結果として今の経済力上位3割しか結婚できなくなっている「婚姻空洞化」につながっているのではないか。
結婚相談所の成婚実績データであるIBJがリリースする成婚白書によると、男性婚活者の中で所得の高い人ほど成婚の可能性が高い傾向にあります。結局は、昭和の経済成長期というのは男性の収入が非常によく、更に経済が成長していたので結婚し、専業主婦世帯で十分にやっていくことが出来ていた世代になります。
一方で令和の現代においては、所得はなかなか上がらずに、インフレによる物価高が著しく、結婚する資金や余裕がないことから結婚に踏み出す人が減っているということだと思います。また、所得が低い人は、結婚どころではなく自分自身の生活や老後の資金についても心配しなければいけない状況で、更に結婚が遠のいていくということになってしまいます。
所得が低い人が、結婚相談所のように成婚の可能性が高いサービスを利用したいと思うけれども、実際にお話を聞いてみると予算オーバーということで、想定以上に高額であったということは多くあります。当相談所でもサービス料金を提示すると、難色を示す人が多いと感じます。特に、マッチングアプリから結婚相談所に鞍替えを希望する人のサービス料金への認識に乖離があり、一歩前に踏み出せない人が一定数いらっしゃいます。
人生をかけて結婚相手を探すのに、サービス料金がとか、コスパがとか言っている時点で成婚の可能性は低くなります。婚活はお金がかかるものだと考えて、予算を組んである程度の支出は積極的にするぐらいの覚悟で婚活に臨んで欲しいと思います。