婚活がない時代、どうしてた?
目次
- 〜「結婚」はどうやって決まっていたのか〜
- 昭和以前:「結婚は家と家の話」
- 1960〜70年代:「職場結婚」が主流に
- 1980〜90年代:「恋愛結婚」が主流に
- 婚活がなかった時代は、「環境に出会いが組み込まれていた」
〜「結婚」はどうやって決まっていたのか〜
現代では、「婚活」はごく当たり前の言葉になりました。マッチングアプリ、お見合いパーティー、結婚相談所——自分に合った方法で出会いを探すことができる時代です。
では、婚活という概念がなかった昔、人々はどうやって結婚相手を見つけていたのでしょうか?
昭和以前:「結婚は家と家の話」
戦前から昭和の中頃まで、結婚は「恋愛」の延長ではなく、「家の事情」が主軸でした。農村でも都市部でも、お見合いが一般的。親戚、近所の人、会社の上司など「仲人」が間に立ち、条件をすり合わせて結婚が決まりました。
恋愛結婚は例外的なもので、「好きだから結婚する」という考えは、あまり一般的ではありませんでした。特に女性は「適齢期」が過ぎると「行き遅れ」と言われ、強いプレッシャーの中で結婚を迫られることも多かったのです。
1960〜70年代:「職場結婚」が主流に
高度経済成長期になると、企業に勤める男女が増え、「職場結婚」が一気に増加します。会社の寮や社内イベント、社内恋愛などが出会いの場でした。
特に女性は「寿退社(結婚を機に退職)」が当たり前の時代。今のように仕事と結婚を両立させる価値観はまだ少数派で、結婚=人生のゴールという考え方が支配的でした。
1980〜90年代:「恋愛結婚」が主流に
バブル期を経て、日本でもようやく「恋愛してから結婚する」が一般的に。職場だけでなく、友人の紹介、趣味のサークル、合コンなど、自由な出会いの場が増えていきました。
ただし、当時はまだ婚活市場というものは整っておらず、「自然に出会って、自然に恋愛して、自然に結婚する」ことが理想とされていました。今のように“戦略的に”結婚を目指す手段は、まだ浸透していなかったのです。
婚活がなかった時代は、「環境に出会いが組み込まれていた」
つまり、婚活がなかった時代の最大の特徴は、「出会いが生活の中に組み込まれていた」という点です。家の意向で見合いが来たり、職場に自然と異性がいたり、友人が誰かを紹介してくれたり。今のように自分から動かなくても、“流れの中で”結婚が決まっていたのです。
今は、選択肢が増えた一方で、「自分から動かないと出会えない」時代。かつては当たり前にあった“お節介”も減り、恋愛や結婚が個人の責任に委ねられています。
婚活が必要になったのは、「自然な出会い」が少なくなったから。でもそれは悪いことではありません。むしろ、自分の価値観を大切にし、自分の意思で相手を選べる、自由で誠実な結婚の形が求められるようになったということなのです。