聖夜に一人、クリぼっちを避けるための最短ルート

20代の賑やかさと30代の孤独

私の若い頃、クリスマスといえば友人たちと集まって、わいわいとパーティーをするのが恒例でした。20代は皆が独身で、仕事終わりに集まってはシャンパンを開け、ケーキを囲んで、賑やかな夜を過ごしていました。あの頃は「クリスマスを一人で過ごす」という選択肢が頭になく、寂しさとは無縁でした。しかし、20代後半になると、周りの状況は一変します。友人は次々と結婚し、あるいは恋人ができて、パーティーの誘いは自然と減っていきました。あの賑やかだった日々は遠い過去となり、気づけばクリスマスを一人で過ごすことが当たり前になっていました。 

見知らぬ街でのクリぼっち

30代になり、仕事で地方に転勤することになりました。見知らぬ土地での一人暮らし。当然、気軽に誘える友人もいません。クリスマスが近づくにつれ、街はイルミネーションで彩られ、あちこちで楽しそうなカップルを見かけるようになります。帰りの車中から見える幸せそうな景色にいたたまれず、家で一人、ケーキを買う気にもなれず、シャンパンやワインの代わりに、コンビニで買った芋焼酎を飲んでいました。テレビではクリスマスソングが流れ、ニュース番組ですらカップルで行くと楽しい場所特集をしているのでテレビをつける気にもならず、ジムやゴルフの打ちっぱなしに行ったり、わざと残業を入れて仕事をしたりしていました。 

仲間がくれた温かい時間

30代後半から40代前半にかけて、少しだけ状況が変わりました。幸いにも職場で結婚している後輩が、私を気遣って一緒に飲みに誘ってくれるようになったのです。妻や家族と過ごすクリスマスがあるにもかかわらず、私のような先輩を飲みに連れ出してくれたその優しさは、今でも心に残っています。ただ、彼らとの時間は楽しくても、それはあくまで一時的なもの。本当の意味で寂しさが埋まることはありませんでした。心のどこかでは、いつか自分も、誰かと一緒にクリスマスを過ごしたい、そんな願いを抱き続けていました。 

最高のクリスマスパートナー

そして48歳になった年、私の人生に大きな転機が訪れました。今の妻と出会い、二人で過ごす初めてのクリスマスは、今までのどんなクリスマスよりも温かく、幸せな時間でした。豪華なレストランに行くわけでもなく、ただ家で二人でケーキを買ってきて、ゆっくりと過ごす。それだけで、私の心は満たされました。妻と出会ってからは、クリスマスだけでなく、日々の何気ない瞬間もかけがえのないものになりました。今では、二人で旅行に行ったり、美味しいものを食べたり、一緒にいるだけで楽しいと思える日々を送っています。 

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