起業・独立開業

起業・独立開業 2026.04.14

グループホームを開業・経営するには?初期費用・資格・フランチャイズの仕組みを解説

グループホームを開業・経営するには?初期費用・資格・フランチャイズの仕組みを解説

グループホームへの参入を検討するとき、まず理解しておきたいのが「グループホームには2種類ある」という点です。

認知症の高齢者が対象の『認知症対応型共同生活介護』(介護保険法)と、障がい者が対象の『共同生活援助』(障害者総合支援法)とでは、根拠となる法律・収益の仕組み・必要な資格・開業の流れがまったく異なります。

また、グループホームの収益は飲食や小売とは異なり、介護保険報酬や障害福祉サービス等報酬という公的報酬が主な収入源になります。

初期費用の規模・人員配置の法定基準・事業所指定の取得プロセスなど、他業種にはない固有の論点が多い業種です。

この記事では、グループホームの開業に必要な初期費用の目安と内訳、2種類のグループホームの違い、事業所指定に必要な資格・人員基準、フランチャイズ・コンサルティング支援の実態を整理します。

「グループホームを経営したい」「初期費用と収益の仕組みを知りたい」という方が、具体的に比較・判断できる材料をまとめています。

自分に合った開業の形を見極めるために、ぜひ参考にしてください。

グループホームの業態と選択肢:2種類の違いと開業形態の整理

グループホームの開業を検討する際、まず「認知症グループホーム」と「障害者グループホーム」のどちらを目指すかを明確にする必要があります。

2つは法律・報酬体系・対象者・必要な資格がすべて異なります。

認知症対応型共同生活介護(認知症グループホーム)
介護保険法に基づく居宅サービスの一種。認知症と診断された要介護1以上の高齢者が、少人数(1ユニット5〜9名)で共同生活しながら介護スタッフのサポートを受ける形態。
共同生活援助(障害者グループホーム)
障害者総合支援法に基づく障害福祉サービスの一種。身体障害・知的障害・精神障害・発達障害のある方が、グループホームで生活しながら日常生活のサポートを受ける形態。「介護サービス包括型」「外部サービス利用型」「日中サービス支援型」の3タイプに分かれる。
民間版グループホーム(サービス付き高齢者向け住宅・住宅型有料老人ホームとの複合)
介護保険の事業所指定を受けず、賃貸住宅として高齢者向けシェアハウス的な共同生活を提供する形態。介護保険の対象外で収益構造・規制が上記2種類とは異なる。

以降のセクションでは、最も一般的な「認知症グループホーム(介護保険法)」と「障害者グループホーム(障害者総合支援法)」の開業を中心に解説します。

独立経営とフランチャイズ・コンサルティング支援のどちらが向くかは、次のセクションで整理します。

グループホームの開業スタイル:独立経営かフランチャイズ・コンサルティング支援か

グループホームの開業で独立経営とフランチャイズを比較するとき、飲食・小売のようなフランチャイズ(ブランドを使って店舗を運営する形態)はこの業種ではほとんど存在しません

「グループホームのフランチャイズ」と称されるサービスの多くは、開業支援・コンサルティング・運営代行・物件紹介を提供する事業者によるものです。

加盟前にサービスの実態を正確に確認することが重要です。

独立経営の特徴

グループホームを独立経営する場合の最大の特徴は、法人理念・ケアの方針・スタッフ採用・運営体制を自分で設計できる点です。

地域の福祉ニーズに応じた独自のケアプログラムを構築し、入居者・スタッフ・地域との関係性を自分でデザインできます。

その分、事業所指定の取得・物件確保・人員採用・介護報酬請求事務・各種監査対応まで、すべてを自己対応する必要があります。

法人設立(NPO法人・株式会社・合同会社・社会福祉法人等)の選択と、行政への各種申請が開業前の重要な工程になります。

フランチャイズ・コンサルティング支援型の実態

「グループホームのFC・開業支援」として提供されているサービスには、以下のような形態が混在しています。

開業コンサルティング型
事業所指定申請の書類作成サポート・物件探し・人員採用・研修・開業後の運営指導を有料で提供するサービスで、コンサルティング料・顧問料を支払う形態。
運営法人への参加・のれん分け型
既存の介護事業法人の傘下に入り、そのノウハウ・人材・システムを活用して新規事業所を立ち上げる形態。
物件・テナント提供型
グループホーム向けに改修済みの物件を賃貸し、運営ノウハウも合わせて提供する不動産系事業者によるサービス。
本来の意味のフランチャイズ型(稀)
ブランド・オペレーション・報酬請求システムを本部が提供し、加盟店として運営するFC契約。

有償のコンサルティング・支援サービスを利用すること自体は選択肢の一つですが、「加盟すれば開業できる」という前提で高額なサービスに契約することはリスクがあります。

事業所指定の取得はサービス事業者が代行できない部分も多く、最終的には法人の代表者・管理者が行政と直接関わる必要があります。

契約前にサービスの具体的な内容・費用・解約条件を必ず書面で確認してください。

グループホーム開業における独立と支援サービス利用の考え方

観点 独立経営が向くケース 支援サービス利用が向くケース
業界経験 介護・福祉業界での就労・管理経験がある 業界未経験で申請・運営のノウハウが欲しい
人脈・ネットワーク 行政・地域福祉との接点・人材ネットワークがある 物件・人材・申請のサポートを補いたい
法人運営の経験 法人設立・行政対応・経理の経験がある 事務手続き全般のサポートが欲しい
コスト 支援費用を抑えて自力で進めたい 費用をかけてでも早期・確実に開業したい

いずれの形態でも、グループホームの運営主体となる法人の設立と、事業所指定の取得はオーナー自身の責任で行う必要があります。

支援サービスがサポートできるのはあくまで準備プロセスの一部であり、指定申請・人員確保・運営管理の最終責任は法人代表者が負います。

グループホーム開業の基本的な流れ

グループホームの開業で工程が重くなりやすいのは、法人設立・物件確保・人員採用・事業所指定申請の4つが並行して進む点です。

事業所指定は物件・人員・設備基準をすべて満たした状態で申請する必要があり、どれか一つが遅れると開業全体が後ろ倒しになります。

開業から指定取得まで最低6ヶ月〜1年以上かかることを前提にスケジュールを組む必要があります。

認知症グループホーム(介護保険法)を開業する場合

  1. 開業形態・法人格の選択 ─ 株式会社・合同会社・NPO法人・社会福祉法人のいずれかを選択して法人設立
  2. 事業計画・資金計画の策定 ─ 収支シミュレーション・資金調達(自己資金・融資)の計画
  3. 物件の確保 ─ 1ユニット5〜9名が生活できるバリアフリー対応の物件(新築・改修・既存建物)を確保
  4. 設備基準の確認・改修工事 ─ 消防法・建築基準法・介護保険の設備基準に適合した改修
  5. 人員採用 ─ 管理者・計画作成担当者・介護職員の採用(法定基準を満たす必要がある)
  6. 事業所指定申請 ─ 都道府県または市区町村へ申請書類を提出(指定まで1〜3ヶ月程度)
  7. 指定取得・開業

グループホーム開業に必要な資格・人員基準については、後で詳しく解説します。

障害者グループホーム(障害者総合支援法)を開業する場合

  1. 開業形態・法人格の選択 ─ 株式会社・合同会社・NPO法人・社会福祉法人等を選択して法人設立
  2. 事業計画・資金計画の策定 ─ 障害種別(身体・知的・精神・発達)と支援タイプ(介護サービス包括型等)の選択
  3. 物件の確保 ─ 入居定員に応じた居室・共有スペースを備えた物件の確保
  4. 設備基準の確認・改修工事 ─ 消防法・建築基準法・障害福祉サービスの設備基準に適合した改修
  5. 人員採用 ─ 管理者・サービス管理責任者・世話人・生活支援員等の採用
  6. 事業所指定申請 ─ 都道府県または市区町村へ申請(指定まで1〜3ヶ月程度)
  7. 指定取得・開業

準備工程でつまずきやすいポイント

最も多いつまずきは、消防法・建築基準法・介護(障害)福祉サービスの設備基準の3つをすべて満たす物件の確保が難航するケースです。

既存の住宅・テナントをグループホームに転用する場合、バリアフリー改修・スプリンクラー設置・非常用設備の追加が必要になることが多く、改修費用が想定より大きくなるケースがあります。

改修前に行政・消防署・建築士に事前相談することを強く推奨します。

人員採用では、特に「サービス管理責任者(障害)」や「計画作成担当者(認知症)」のような特定の資格・実務経験を持つ人材の確保が難しく、採用活動を早期から並行して進める必要があります。

グループホームの初期費用はいくら?

グループホームの開業資金は、物件の取得・改修方法・ユニット規模・地域によって大きく変わります。

日本政策金融公庫「2024年度新規開業実態調査」によると、業種を限定しない開業資金の中央値は580万円(平均985万円)です。

グループホームは物件の改修費用・設備費・開業前の運転資金が大きく、物件を賃借する場合でも数百万円〜1,000万円超の初期費用が発生するケースが多い業態です。

新築や購入を伴う場合はさらに大きくなります。

費用を左右する主な要因は、物件の取得方法(賃借・購入・新築)、バリアフリー改修・消防設備工事の規模、ユニット数(1ユニット5〜9名)、開業前の人件費(採用から指定取得までの期間)、コンサルティング支援費用の有無です。

開業形態別の初期費用の目安は以下のとおりです。

出典:日本政策金融公庫「2024年度新規開業実態調査」、厚生労働省「介護サービス施設・事業所調査」2024年

既存建物賃借・改修型(1ユニット・認知症または障害者GH)
500〜2,000万円(改修規模による)
新築・建設型(1〜2ユニット)
3,000万円〜(土地・建設費が別途発生)
開業支援・コンサルティングサービス利用の場合
上記費用に加えてサービス費用100〜500万円程度が別途発生するケースがある(サービスによる)

グループホームは開業から入居が満床になるまでの間(稼働率向上期間)、報酬収入が固定費を下回る状態が続くことがあります。

この期間の運転資金(人件費・家賃・光熱費等の数ヶ月分)を開業資金に含めて計画することが不可欠です。

グループホーム経営の初期費用・ランニングコスト内訳

以下に、既存建物賃借・改修型(認知症グループホーム・1ユニット9名)を基準とした費用の目安を項目別に整理します。

障害者グループホーム・新築型・複数ユニット型は費用構造が異なります。

初期費用の項目例

費用カテゴリ 主な内容 目安金額(1ユニット・賃借型)
物件取得費 敷金・保証金・礼金・仲介手数料 50〜300万円(家賃・地域による)
バリアフリー改修工事費 手すり・段差解消・トイレ・浴室改修 100〜500万円
消防設備工事費 スプリンクラー・自動火災報知設備・誘導灯等 100〜500万円(建物規模による)
居室・共有設備の整備 ベッド・家具・家電・食器・調理設備 100〜300万円(9名分)
法人設立費用 登記費用・定款作成等 10〜30万円
事業所指定申請費用 書類作成・行政書士等への依頼費(自前の場合は不要) 0〜30万円
開業前人件費 採用から指定取得・開業までの人件費 100〜300万円(期間による)
開業前研修費 スタッフ研修・資格取得支援 10〜50万円
運転資金(開業後3〜6ヶ月分) 人件費・家賃・光熱費等の固定費(稼働率向上期間) 300〜600万円
コンサルティング支援費用 開業支援サービスを利用する場合 100〜500万円(サービスによる)

※改修費用は建物の状態・規模・地域の工事費水準によって大きく変動します。

特にスプリンクラー設置は規模・設置方式によって費用差が大きいため、消防署への事前相談と複数業者からの見積もりを取得することを推奨します。

出典:日本政策金融公庫「2024年度新規開業実態調査」、厚生労働省介護保険関連資料

ランニングコストの項目例

費用カテゴリ 主な内容 目安金額(1ユニット・9名満床時)
人件費 管理者・計画作成担当者・介護職員の給与(最大の固定費) 150〜300万円/月(人員体制による)
家賃・賃借料 建物の賃借料 地域・規模による
食費・食材費 入居者の食事提供コスト 30〜60万円/月(9名)
光熱費 電気・ガス・水道(24時間365日稼働) 10〜20万円/月
消耗品・衛生用品費 おむつ・衛生用品・清掃用品等 5〜15万円/月
保険料 施設賠償保険・損害保険 1〜3万円/月
研修・教育費 スタッフの継続研修・資格取得支援 1〜3万円/月
介護報酬請求事務費 国保連への請求事務(外注の場合は委託費) 2〜5万円/月

グループホームの収益は介護(障害福祉)報酬+利用者負担が主体です。

認知症グループホームの場合、1ユニット9名・要介護3相当・地域区分「その他」での月間介護報酬の目安は約160〜200万円程度(報酬単価は毎年度改定されます)。

そこから人件費・家賃・食費等の固定費を賄う構造です。

稼働率(入居定員に対する実入居数の割合)が収益の最大の変数になります。

満床(稼働率100%)で初めて固定費を賄える設計になることが多く、開業から満床になるまでの期間(一般に6ヶ月〜1年以上)の運転資金確保が事業継続の鍵です。

なお日本政策金融公庫「2024年度新規開業実態調査」では、開業時の資金調達額の平均は1,197万円で、うち金融機関等からの借り入れが65.2%(平均780万円)を占めています。

グループホームでは改修費・運転資金の調達に公庫の「社会福祉・医療事業向け融資」等を活用するケースがあり、事業計画書の作成と早めの相談が有効です。

グループホーム開業で見落としやすい費用

稼働率向上期間の運転資金
開業から満床になるまでの期間、介護報酬収入が人件費・家賃等の固定費を下回ることで発生する月次赤字の累計額。
消防設備の設置・更新費用
スプリンクラー・自動火災報知設備の初期設置費に加え、定期点検・更新費も継続的に発生するコスト。
介護報酬の入金タイムラグ(約2ヶ月)
介護保険報酬は当月提供分が翌月に国保連へ請求・翌々月に入金となるため、開業当初の2ヶ月間は収入ゼロになる期間。
スタッフの離職リスクと採用コスト
介護業界のスタッフ離職に伴う補充採用の求人費・研修費で、継続的に発生するコスト。
行政指導・実地指導への対応コスト
定期的な実地指導(行政による運営状況の確認)に向けた書類整備・改善対応のための時間・コスト。

グループホーム開業に必要な資格・人員基準・許認可

グループホームの開業には、介護保険法または障害者総合支援法に基づく事業所指定の取得が必須です。

指定を受けるためには、法人格・物件の設備基準・人員配置基準の3つをすべて満たす必要があります。

認知症グループホームの人員基準(主なもの)

管理者
特別養護老人ホーム等での3年以上の認知症介護従事経験があること(都道府県が実施する管理者研修の修了が必要なケースあり)。計画作成担当者との兼務が可能。
計画作成担当者
入居者1人ひとりのケアプランを作成する担当者。1ユニットごとに1名以上の配置が必要で、うち1名以上が介護支援専門員(ケアマネジャー)であることが原則。
介護職員
日中は入居者3名に対して1名以上、夜間・深夜は1ユニットごとに1名以上の夜勤体制が必要。「介護職員初任者研修修了以上」が望ましいとされるが、無資格者の配置も可能なケースがある(都道府県・自治体の指定基準による)。
認知症介護基礎研修
2024年度から介護報酬上の加算要件として、無資格の介護職員が「認知症介護基礎研修」を修了していることが求められている。詳細は厚生労働省の最新の告示・通知を確認が必要。

障害者グループホームの人員基準(主なもの)

管理者
常勤で1名配置が必要。サービス管理責任者との兼務が可能
サービス管理責任者
障害者支援の実務経験(3〜5年以上・職種により異なる)とサービス管理責任者研修の修了が必要。入居定員60名ごとに1名以上の配置が必要
世話人
入居者の日常生活上の援助を担う。入居者6名ごとに世話人を1名以上確保することが必要(勤務延べ時間数による換算)
生活支援員(介護サービス包括型の場合)
身体介護が必要な入居者がいる場合に配置。入居者の障害支援区分に応じた人員配置が必要

事業所指定・設備基準

法人格の取得
事業所指定を受けるには法人格が必要。株式会社・合同会社・NPO法人・社会福祉法人等のいずれかを選択して法人設立を行う。社会福祉法人は設立要件が厳しいため、多くの民間事業者は株式会社・合同会社・NPO法人で参入している。
設備基準への適合
1ユニット5〜9名(認知症GH)の居室(7.43㎡以上/人)、共同生活室、浴室、消火設備等の基準を満たす必要がある。詳細は都道府県・市区町村の条例・指定基準によって異なるため、管轄の行政窓口への事前確認が必要。
事業所指定申請
都道府県または市区町村(地域密着型サービスの場合は市区町村)の介護保険担当窓口または障害福祉担当窓口へ申請する。申請から指定まで通常1〜3ヶ月程度かかる。

グループホームのフランチャイズ・開業支援:契約条件の見方

グループホームの開業支援サービスやFC的なサービスを比較・検討するためのチェックポイントと情報収集の手順を整理します。

契約条件・費用のチェックポイント

サービス内容の具体性の確認
「開業をサポートする」という訴求に対して、「何をどこまで・いつまで支援するか」を具体的に確認してください。

事業所指定申請の書類作成代行・物件紹介・人材紹介・研修提供・開業後の運営指導の各項目について、含まれるサービスと含まれないサービスを明確に区分した提案書を求めてください。

費用の総額と解約条件
初期コンサルティング料・月額顧問料・物件紹介手数料・人材紹介手数料等がそれぞれ独立して発生するケースがあります。

1年間の総費用を試算したうえで契約可否を判断してください。

中途解約時の返金条件・違約金の有無も必ず書面で確認してください。

事業所指定取得の実績
支援サービス事業者がこれまでに支援した事業所指定取得の実績件数・地域・期間を確認してください。

行政との折衝経験・書類作成の正確性が指定取得のスムーズさに直結します。

独立性の確保
支援サービスを利用した後、独立して運営できる状態になるかを確認してください。

特定の物件・システム・人材に依存する契約になっていないか、支援終了後に自立的に運営できる知識・体制が整うかを判断してください。

情報収集の手順

  1. 都道府県・市区町村の介護保険担当窓口または障害福祉担当窓口へ事前相談し、地域の指定基準・公募状況を確認する
  2. 厚生労働省・都道府県のWebサイトで最新の指定基準・報酬単価を確認する
  3. 社会福祉士・社会保険労務士・行政書士など福祉専門家への相談を検討する
  4. 開業支援サービスを利用する場合は、複数社から提案を受けて比較する
  5. 国民生活センターの相談事例で同名・類似サービスのトラブル情報を確認する
  6. 弁護士・中小企業診断士に契約書を確認してもらう(特に解約条件・費用の総額・サービス範囲の解釈)

グループホーム経営のやりがい

グループホームの経営は、入居者一人ひとりの生活に寄り添い、その人らしい暮らしを支えるという社会的意義の大きさが最大のやりがいになります。

認知症や障がいがあっても、家庭的な環境の中で穏やかな日常生活を送れる場を地域に提供することは、医療機関でも施設でもない「生活の場」としての固有の価値があります。

公的報酬を基盤とした収益構造は景気変動の影響を受けにくく、入居が安定すると長期的に安定した収益基盤になりやすい点も特徴です。

高齢化の進展・障がい者の地域移行の推進という社会的な背景から、グループホームへの需要は中長期で拡大が見込まれます。

グループホーム経営のよくある失敗とリスク

稼働率低迷による資金繰り悪化
開業から入居が満たない期間が長引き、人件費・家賃等の固定費が報酬収入を上回る状態が続くケースがあります。

稼働率向上期間の運転資金を十分に確保し、地域のケアマネジャー・相談支援専門員との連携を早期から構築してください。

設備基準・人員基準の未達による指定取消リスク
実地指導で設備基準・人員基準の不備が発覚し、改善命令・指定取消に至るリスクがあります。

運営基準を正確に把握し、日常的な書類整備と内部監査の体制を整えてください。

人材確保・離職の連鎖
介護職員が離職すると人員基準を下回り、報酬減算や一時的な受け入れ停止につながるリスクがあります。

待遇・職場環境の整備と採用活動の継続が事業継続の基盤です。

開業支援サービスへの過大な依存
高額な支援費用を支払ったが、実際の申請・運営で十分な支援が得られなかったケースがあります。

契約前にサービス内容を書面で確認し、支援終了後に自立できる体制になるかを判断してください。

介護報酬改定リスク
介護報酬・障害福祉サービス等報酬は3年ごとに改定され、報酬単価が引き下げられると収益に直接影響します。

改定動向を継続的に把握し、事業計画を柔軟に見直す体制が必要です。

【参考】開業業種を比較検討中の方へ:グループホームと結婚相談所の違い

グループホームと結婚相談所は、開業の性質がいくつかの点で対照的です。

初期費用・設備
グループホーム(賃借・改修型)の初期費用は500〜2,000万円以上が目安で、物件の改修・消防設備・居室設備への投資が必須です。

さらに開業から満床になるまでの運転資金(数百万円)を別途確保する必要があります。

一方、結婚相談所を開業する場合、専用の居室・改修設備が不要で、初期費用の構造がシンプルになりやすい傾向があります。

在庫・廃棄リスク
どちらも食品のような在庫・廃棄リスクはありません。

グループホームの主なコストは人件費・食費・光熱費という継続的な固定費であり、これらを報酬収入で賄える稼働率を維持することが事業継続の要になります。

結婚相談所も在庫・廃棄リスクはなく、主なコストは人件費とシステム利用料が中心です。

運営負荷・時間拘束
グループホームは24時間365日の介護体制が必要で、夜勤を含むスタッフのシフト管理・採用・育成・研修が経営者の中心的な業務になります。

行政への書類対応・実地指導への準備・報酬請求事務も継続的な業務負荷となります。

結婚相談所は、相談・面談業務の時間をある程度自分でコントロールしやすい傾向があります。

収益の仕組み
グループホームの収益は介護保険報酬という公的報酬を基盤とするため、景気変動の影響を受けにくい安定した収益構造を持ちますが、報酬単価は3年ごとの制度改定によって変動します。

結婚相談所は会員費用・成婚料という民間ベースの収益構造です。

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