SMART BRIDAL
President ＆ CEO　／　（社）日本仲人の会 理事 吉野 麻衣子さん

私はある想いから、心理カウンセラーや臨床心理療法士の資格を取得し様々な方のメンタルケアを行っていました。ある想いというのは、親戚、友人、職場の人など、自らの命を絶ってしまう人が周りに多く、本人ももちろんですが周りの人も辛い想いをしているので、一人でも多くの人を救ってあげたいと考え活動をしていました。残された家族や周りの人たちは「助けてあげられなかった」「苦しみに気づいてあげられなかった」など、自責の念に囚われて一生辛い想いをして過ごしてしまいますので、メンタルケアを通して寄り添うことで少しでも楽にしてあげられていたのかなと思っています。
様々な方のメンタルケアをしていく中で、世の中にはあまりにも多くの人が恋愛や婚活で悩んでいるのがわかりました。結婚をしても3人に1人が離婚しているという現実も知りましたし、また過去の統計をみても既婚者に比べて独身者や離婚した人の自殺率が高いことも知りました。
そこで「誰もが幸せな結婚ができる」ようにコミットをする結婚相談所を運営したら、自ら命を絶ってしまう人を一人でも減らすことができるのではないか、という考えにたどり着きました。

経歴として、JAやolive des olive、日本電産グループをはじめ、金融機関、アパレル、商社、IT、メーカー、不動産、医療など、様々な企業で働いてきました。メンバークラスから管理本部長、経営企画室長、財務経理部長、執行役員、CFOなどを経験し、新規事業開発、MBO、M&A、IPO、本社移管、組織のスリム化、人材戦略立案など仕事内容も様々経験してきました。
結婚相談所を開業した時は、企業で執行役員や経営企画室長として、コーポレートガバナンスの策定や事業戦略や人事戦略、法務対応などの仕事をしていました。
企業に勤めながら、平日の夜や土日に心理カウンセラーとしてメンタルケアや婚活の個別コンサルティング、講演や講師、イベントなどの司会、ファッションモデルなどもしていましたので、忙しくはありましたが充実した生活を送っていました。結婚してからは通勤に往復4時間かかるようになってしまったので、本業も通勤ではなく在宅勤務に変えました。
振返ってみても、今まで全く婚活に関係ない仕事をしてきたのですが、仕事内容も時間の使い方も素地ができてきていて、婚活の仕事に切り替えてもその全てが役に立ち無駄なことは何一つなかったと思います。

私のように、全く違う業界から転職して結婚相談所を始めるメリットはかなり大きいと思います。婚活される会員様は幅広い年齢層の方がいますし、業種や役職も幅広く、タテ・ヨコ・ナナメと軸が偏ることがありません。
極端かもしれませんが、仮に結婚相談所や婚活の仕事だけを経験していたら、他の業種や役職など立場も分からず、会員様の目線に合わせることが難しく考え方の違いに理解して共感することも難しいのだと思います。活動しても交際相手の環境や状況を想像することができず、結果として憶測や狭い見地からの偏ったアドバイスしかできない質の低いサポートしかできなくなり、会員様の成婚まで導くのが難しくなるのだと考えています。
幅広く世の中の仕事や置かれてる立場が理解できるからこそ、サポートの仕方を柔軟に変えることができるので、むしろ異業種からの転職はとても大切だと思います。

また副業から始めるメリットは、収入を減らすリスクを背負うことなく副収入として収入を増やせますし、全く違う仕事を経験できるため視点が違う思考を持つことができます。人や社会、物事の多様性を感じることができ、新しい発見ができ刺激を受け、本業へのプラス効果やシナジー効果が生まれる可能性が高まります。
時間の有効活用ができるのも副業で始めるメリットとして大きく、会員様の人数が多くなければ本業に支障は出ませんし、かつ一人一人しっかりとサポートができ、自分が望むペースで仕事ができるようになります。

各SNS（Instagram、Twitter、Ameba blog、Facebook、clubhouse）を経由してYouTubeで動画を見てもらい、そこからホームページ（もしくはLINE公式アカウント）で問合せをしていただいています。全てのSNSに於いて、自分自身をブランディングし、ターゲット明確にして情報を発信しています。特にclubhouseでは「恋愛婚活」のカテゴリでクラブを創設し、今では日本で一番人数の多いクラブとなっています。
また、半年ほど前からYouTubeを始めたのですが、最近はこのYouTubeを見てきたという問合せが増えてきました。当初YouTubeは自社結婚相談所で活動する会員様向けに、全員に身につけて欲しい活動の基礎知識を伝えるために撮っていました。基礎動画という位置づけの動画を30本ほどアップするうちに、他の相談所の仲人さんや会員様からも相談を多く受けるようになり、その後は応用動画としてその中でも特に必要な事についての配信を続けています。相談所業務の合間で撮影や編集を行うので時間が限られ大変ですが、最低でも3日に1回の更新頻度で動画投稿を続けています。どのSNSにも言えることですが、SNSは継続することが一番大切です。これからも続けていきたいと思います。

私自身が目指す志が「自らの命を絶ってしまう人を減らす」というものでした。それを達成させる為の手段として「幸せな結婚をする人を増やす」ための結婚相談所事業をスタートしました。ですので、志を主軸とした人生と考えると、主軸をもとに横軸を拡張、展開していきたいと考えています。結婚相談所も主軸に近い横軸の展開というイメージになります。
また、私自身が43歳の時に14歳年下のハイスぺ男子と結婚し、不妊治療を40代から開始、44歳で妊娠中という経験から、女性のキャリアと結婚、出産の狭間で悩んでいる方へのフォローも出来たらいいなと思っています。
これからやりたいことをいつどのようにやっていくか、構想の一部をご紹介するとこのようになっています。
＜昨年度から開始済み＞
・結婚相談所開業
・新人仲人のためのクラブ設立「Matchmaker START-UP」
・各所での講演（先輩アンバサダークラブ、コンサル会社、ほか様々な企業での講演）
＜今年度から開始済み＞
・経営コンサルティング（結婚相談所を主に対象）
・成婚者の結婚後の資産形成サポート
＜短期から中期にかけて開始予定＞
・誕生日、告白、プロポーズ、結婚後の各種イベント毎の二人や家族の絆を深めるサービス
・長期に向けた各種サービス準備
＜中期から長期にかけて開始予定＞
・妊活、子育て、受験、就職、転職、老後など、様々なライフステージにおける各種サービス

結婚相談所を開業したからと言って、すぐに会員様が集まり仕事ができるとは限りません。開業時に「婚活したいから話を聞かせて」とか「周りに独身の方がいるから紹介するね」と言われたから大丈夫、と安心する方もいらっしゃいますが、現実はそう甘くはありませんし、ただ看板を出せば入会してくれるわけでもありません。
自分から情報を発信し続けてお客様の信頼を得ていく必要がありますし、入会していただいた会員様が幸せになれる様に責任を持ってサポートしなければなりませんし、他の結婚相談所の仲人仲間とも連携していく必要があります。上手くいくためには、思っている以上に自分の知識と経験を磨いていくための地道な努力が必要です。
ですがそれ以上に、この仕事をしていて良かったと心から思えて、私自身も幸せになれる素敵な仕事だと思っています。自分が関わったことで、会員様が最初のころよりも魅力的になり、素敵なお相手と出会い幸せな結婚をすることができ、その後も幸せそうな写真を送ってきてくれたりするのが何よりもうれしいですしやりがいになります。

結婚相談所を始めたい方や始めるのに悩んでいる方がいらっしゃったら、是非勇気を出してチャレンジしてみてください。私が運営している、新人の仲人さんや結婚相談所経営者のためのIBJ公認アンバサダークラブ『Matchmaker START-UP』もありますので、安心して開業することができると思います。個人でもコンサルをしていますので、マンツーマンでサポートも可能ですので、いつでも頼ってきてください。一緒に幸せな結婚を沢山作っていきましょう。