起業・独立開業

起業・独立開業 2026.04.09

ハウスクリーニング・清掃業を開業するには?費用・資格・フランチャイズを徹底解説

ハウスクリーニング・清掃業を開業するには?費用・資格・フランチャイズを徹底解説

清掃業での開業を考えるとき、まず直面するのが「どの業態で始めるか」という選択です。

ハウスクリーニング・ビルメンテナンス・エアコン専門清掃・特殊清掃など、一口に清掃業といっても業態によって必要な機材・資格・ターゲット顧客が大きく異なります。

独立してゼロから立ち上げるか、フランチャイズ(FC)に加盟してブランド力や研修サポートを活用するかによっても、開業資金と運営の仕組みが変わります。

この記事では、ハウスクリーニング・清掃業の開業に必要な費用・資格・許認可・FCの比較ポイントを業態別に整理します。

独立かFCかを迷っている方も含め、状況に合わせて具体的に比較・検討できるよう解説しています。

自分に合った開業の形を見極めるために、ぜひ参考にしてください。

ハウスクリーニング・清掃業の業態と選択肢:家庭向け・法人向け・特殊清掃

清掃業で開業するにあたり、まず業態の選択肢を整理しておく必要があります。

同じ「清掃」でも、顧客層・作業内容・必要な機材・単価が大きく異なるため、自分の強みや開業資金に合った業態選びが重要です。

ハウスクリーニング(一般家庭・マンション向け)
個人宅やマンションの室内清掃が中心。エアコン・水回り・換気扇・窓ガラスなどのスポット清掃と退去時の原状回復清掃が主な仕事。単価は1件3〜8万円程度が目安で、個人・不動産会社どちらにも需要がある。
ビルメンテナンス(オフィス・商業施設向け)
オフィスビルや商業施設の日常清掃・定期清掃を法人契約で行う業態。継続的な収入が見込める反面、早朝・深夜対応が多く人員確保が課題になりやすい。規模によっては「建築物環境衛生管理技術者」の選任が義務づけられる。
エアコン・水回り専門清掃
エアコンや浴室・トイレ・排水管など設備別の専門清掃。梅雨前・夏前のエアコン洗浄など繁忙期に需要が集中する。専門機材への投資が必要だが、技術的差別化がしやすい。
特殊清掃
孤独死・事故現場・ゴミ屋敷などの原状回復を行う業態。一般清掃とは異なる専門的な知識・装備が必要で心理的負荷も大きいが、単価が高い傾向にある。廃棄物処理の法規制対応が必須。
企業向け定期清掃
飲食店・医療施設・工場などと定期契約を結ぶ業態。安定収入になりやすいが、施設ごとの衛生基準・清掃仕様の習熟が必要。

ハウスクリーニング・清掃業の開業スタイル:独立かフランチャイズか

ハウスクリーニング・清掃業の開業で独立とFCを比較するとき、集客をどのように構築するかという点が最大の分岐点になります。

技術と機材だけあれば仕事が来る業種ではなく、集客チャネルの設計が収益に直結します。

独立(非FC)の特徴

清掃業で独立する場合の最大の利点は、サービス内容・料金・対応エリアを自由に決められる点です。

得意分野(エアコン専門・退去清掃専門など)に特化したニッチな業態設計ができ、ポータルサイトやSNSを活用した集客で自社ブランドを育てやすい環境もあります。

反面、開業当初は実績・口コミが少ないため受注が不安定になりやすく、集客の仕組みをゼロから構築する必要があります。

フランチャイズ(FC)の特徴

清掃業のFCでは、ブランド認知による初期集客・清掃手順マニュアル・専用洗剤・機材のセット導入が強みです。

開業研修が体系化されており、清掃未経験からでもスタートしやすい点が独立との大きな違いです。

一方、FCによっては本部指定の機材を購入させるスキームが含まれ、独立より初期費用が高くなるケースがあります。

また、ロイヤリティが売上に対して課されるため、売上が少ない開業初期でも本部への支払いが発生する点に注意が必要です。

ハウスクリーニング・清掃業開業における独立とFCの比較

比較点 独立が向くケース FC加盟が向くケース
集客・ブランド SNS・口コミで自社ブランドを育てたい ブランド力で初期集客を早期に立ち上げたい
技術・ノウハウ 清掃経験・資格がある 未経験から体系的に学びたい
初期費用 機材・車両を自己調達でコストを抑えたい 機材セット・研修費込みでスタートしたい
自由度 サービス内容・料金・エリアを自分で設計したい マニュアル・手順書に沿って運営したい

清掃業のFCが提供するのはブランドと研修の仕組みであり、清掃技術そのものはFC加盟後の研修で習得する必要があります。

「未経験だから安心のためにFC」という発想は間違いではありませんが、FCであっても技術習得・集客努力は加盟者自身が主体的に取り組む必要がある点は共通です。

ハウスクリーニング・清掃業開業の基本的な流れ

ハウスクリーニング・清掃業の開業で独立に特有な点は、技術習得・機材調達・集客の3つを並行して準備する必要があることです。

飲食業のような保健所への開業前申請義務はなく手続きはシンプルですが、初期受注を安定させるまでの集客設計が開業の成否を左右します。

独立で開業する場合

  1. 業態・ターゲット・サービス設計 ─ ハウスクリーニング・エアコン専門・法人定期清掃等の業態を絞り、対応エリアと料金設定を決定
  2. 技術習得・資格取得 ─ 清掃専門スクールや業界団体(全国ハウスクリーニング協会等)での研修受講
  3. 機材・洗剤の調達 ─ 業態に応じた高圧洗浄機・ポリッシャー・業務用掃除機等を選定・購入
  4. 車両の準備 ─ 機材を積載できる軽バン・軽トラックを用意(中古車活用が多い)
  5. 開業届の提出 ─ 管轄の税務署に個人事業主として届出
  6. 集客チャネルの構築 ─ くらしのマーケット・自社ホームページ・SNS等、複数チャネルを同時整備

フランチャイズで開業する場合

  1. FC本部の情報収集・比較 ─ 加盟金・ロイヤリティ・研修内容・対応業態を複数チェーンで比較
  2. 説明会・個別面談への参加 ─ 支援体制・既存加盟店の状況・集客サポートの実態を確認
  3. 加盟契約 ─ ロイヤリティ率・テリトリー・契約期間・解約条件を精査のうえ締結
  4. 研修・技術習得 ─ 本部が提供する開業前研修(技術・接客・クレーム対応等)を受講
  5. 機材・備品の準備 ─ 本部指定または推奨の機材・洗剤をそろえる
  6. 開業・営業開始 ─ 本部サポートのもとで営業開始、集客・実績の積み上げ

清掃業開業でつまずきやすい準備上の落とし穴

化学洗剤を使う清掃では廃液の処理方法を事前に確認しておく必要があります。

廃液を無断で下水に流すと廃棄物処理法違反になるケースがあるため、作業前に廃液処理の手順を整えておくことが重要です。

また、初期受注が知人・口コミ中心になりがちなため、開業前からSNSや地域ポータルへの登録・レビュー蓄積を計画的に進めることが収益安定の鍵になります。

ハウスクリーニング・清掃業の開業資金はいくら?

ハウスクリーニング・清掃業の開業資金は、業態と規模によって幅が大きく異なります。

費用を左右する主な変数は、①業態(ハウスクリーニング/ビルメンテナンス/特殊清掃)、②独立かFC加盟か、③機材の自己調達か本部指定かの3点です。

日本政策金融公庫「2024年度新規開業実態調査」によると、業種を限定しない開業資金の中央値は580万円(平均985万円)です。

清掃業(ハウスクリーニング)は店舗や大型設備が不要なため、個人での独立開業であれば100〜300万円程度で始めるケースも見られます。

ただし、ビルメンテナンスや特殊清掃では専門機材の投資額が大きくなり、FC加盟の場合は加盟金・研修費が加わるため、300〜600万円以上を見込む必要があります。

ハウスクリーニング・清掃業の初期費用・ランニングコスト内訳

以下に、ハウスクリーニング(個人・独立)を想定した費用の内訳を示します。

FC加盟の場合は加盟金・機材セット費が加わり、ビルメンテナンスや特殊清掃では機材投資が大きくなります。

初期費用の項目例

費用カテゴリ 主な内容 目安金額(ハウスクリーニング独立)
機材・清掃道具 高圧洗浄機・ポリッシャー・業務用掃除機・スチームクリーナー等 30〜100万円
洗剤・消耗品(初期在庫) 各種洗剤・スポンジ・クロス・保護シート等 5〜20万円
車両費 軽バン・軽トラックの購入(中古) 50〜150万円
研修・技術習得費 清掃専門スクール・業界団体研修・資格取得費 10〜30万円
損害賠償保険(初年度) 作業中の家財・設備への損傷に備える保険 5〜15万円
Webサイト・集客ツール ホームページ作成・名刺・チラシ等 5〜30万円
FC加盟金・研修費 FC加盟の場合のみ 30〜150万円(チェーンによって異なる)
予備費(運転資金) 開業直後の受注空白期間に備える手元資金 30〜50万円

上記はハウスクリーニング(個人・独立)を想定した目安です。

FC加盟の場合は加盟金・本部指定機材費が加わり、総額が300〜600万円以上になるケースもあります。

出典:日本政策金融公庫「2024年度新規開業実態調査」を参考に、清掃業の業態別コスト構造をもとに算出。

ランニングコストの項目例

費用カテゴリ 主な内容 目安金額
消耗品・洗剤補充費 洗剤・スポンジ・クロス等の補充 2〜5万円/月
車両維持費 ガソリン・車検・自動車保険 2〜5万円/月
ロイヤリティ FC加盟の場合のみ(固定型・売上比例型) チェーンによって異なる
ポータルサイト掲載・広告費 くらしのマーケット等の手数料・Web広告費 1〜5万円/月
機材メンテナンス・修理費 高圧洗浄機・ポリッシャー等の点検・消耗品 1〜3万円/月
損害賠償保険料 年払いを月換算 0.5〜1.5万円/月
事務所・保管スペース費 機材・洗剤の保管場所(自宅兼用なら0円) 0〜5万円/月

ランニングコストの合計目安は、ハウスクリーニング(個人・独立)で月10〜25万円程度が目安です。

清掃業開業で見落としやすい費用

廃液処理費
化学洗剤を使った清掃では廃液を適切に処理する義務がある。廃液処理業者への委託費や産業廃棄物処理コストが継続的に発生する。
機材の故障・修理費
高圧洗浄機や業務用掃除機は消耗・故障が多く、修繕・部品交換費が予想外にかさむケースがある。
ポータルサイト手数料
くらしのマーケット等のマッチングサービスでは、受注ごとに10〜20%程度のシステム利用料が発生する。
特殊機材のリース代
エアコン内部洗浄機など特定作業にしか使わない高価な機材は、購入せずリース対応するケースもあるが、月次のリース料が固定費になる。

ハウスクリーニング・清掃業開業に必要な資格・許認可

ハウスクリーニング(一般家庭向け)は、法律上特別な資格・行政への届出は不要で開業できます。

ただし、業態や取り扱う廃棄物の種類によっては許認可が必要になるため、開業前に業態ごとの要件を確認しておくことが重要です。

民間資格(任意取得)

ハウスクリーニング士
一般社団法人全国ハウスクリーニング協会(JHCA)が認定する民間資格。法的義務はないが、顧客への技術・信頼性の証明として活用でき、ポータルサイト上の差別化にも役立つ。
清掃技術士
業界団体が認定する技術証明資格。特定の清掃機材・洗剤の取り扱い技術を証明するものが多く、専門性のアピールに使える。

法的届出・許認可が必要になるケース

建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)
延べ面積3,000m²以上の特定建築物(オフィスビル・百貨店・ホテル等)でビルメンテナンス業務を行う場合、当該建築物に1名以上の選任が義務づけられている(建築物衛生法に基づく)。資格取得には国家試験または厚生労働大臣登録講習会の修了が必要。
産業廃棄物収集運搬業許可
清掃作業で発生した廃洗剤・汚泥・廃油等を収集・運搬する場合に必要。管轄の都道府県・政令指定都市への申請が必要。一般家庭から排出される廃棄物の取り扱いについては廃棄物の種類・排出元によって要件が異なるため、管轄の市区町村または都道府県の環境担当窓口への事前確認が必要です。
古物商許可
不用品の回収・買取を清掃と兼業する場合に必要。管轄の警察署への申請が必要。

ハウスクリーニング・清掃業のフランチャイズ:契約条件と費用の見方

ハウスクリーニング・清掃業のFCを比較・検討するためのチェックポイントと、情報収集の手順を整理します。

主なFCチェーンの比較

以下は主な清掃業FCチェーンの概要です。

加盟金・ロイヤリティは各社の開示方針・プランによって異なるため、公式ウェブサイトまたは加盟説明会にて直接確認が必要です。

チェーン名 加盟金 ロイヤリティ 特徴
おそうじ本舗(SE Holdings) 要問い合わせ 要問い合わせ 住宅清掃に特化。全国加盟店数が多くブランド認知が高い
ダスキン 要問い合わせ 要問い合わせ 家事代行・清掃・レンタルモップなど複数サービスをFC展開
ベアーズ 要問い合わせ 要問い合わせ 家事代行・ハウスクリーニングをFC展開。女性スタッフ中心の運営が特徴

契約条件・費用のチェックポイント

加盟金と機材セット費の区分
清掃業FCでは「加盟金」とは別に「機材セット購入費」が設定されているケースが多い。

総額(加盟金+機材+研修費)で比較することが重要。

ロイヤリティの算定方式
固定額型(月〇万円)と売上比例型(売上の〇%)がある。

開業初期は売上が少ないため固定型の負担が重くなりやすく、売上が増えると比例型が割高になる。

テリトリー制の有無
加盟エリアに他の加盟者が参入しないよう保護されているかを確認する。

テリトリー外の顧客は受注できない契約もあるため注意が必要。

解約条件・違約金
契約期間途中での解約に違約金が設定されているケースが多い。

契約期間と解約条件を必ず事前に確認する。

情報収集の手順

  1. 各チェーンの公式サイトで加盟募集ページ・説明会日程を確認する
  2. 加盟説明会・個別相談会に参加し、担当者に加盟金・ロイヤリティ・機材費の総額を直接確認する
  3. 日本フランチャイズチェーン協会(JFA)が公開する情報開示文書(フランチャイズ・ディスクロージャー)を入手し、既存加盟店の状況・トラブル事例を確認する
  4. 可能であれば既存加盟店オーナーへのヒアリングを依頼し、実際の収益・本部サポートの実態を把握する

ハウスクリーニング・清掃業開業のやりがい

ハウスクリーニング・清掃業の最大のやりがいは、作業前後の変化が目に見える達成感にあります。

汚れた浴室・換気扇・エアコンがきれいになる瞬間を顧客と共有できる体験は、他の業種にはない充実感です。

「生活環境が改善された」「引っ越し先がきれいになった」という顧客の反応が直接届く業種でもあり、リピート・口コミが生まれやすい特性があります。

身体を動かしながら職人的な技術を磨く充実感と、サービス業としての顧客満足が同時に得られる点が、清掃業で独立した人の多くが挙げるやりがいです。

また、初期設備が比較的小規模なため、副業・兼業から始めて徐々に本業へ移行するという段階的な開業も実現しやすい業種といえます。

ハウスクリーニング・清掃業開業のよくある失敗とリスク

清掃業の開業では、技術習得よりも集客・収益管理の見誤りが失敗の主要因になりがちです。

以下に、開業後によく見られる失敗とリスクを整理します。

単価競争への陥り込み
受注を増やすために価格を下げ続けると、作業時間あたりの利益が薄くなり、繁忙でも手残りが少なくなる。適正価格の設定と差別化(専門技術・エリア特化等)が収益安定の鍵になる。
機材の故障・修理費の過小見積もり
高圧洗浄機・ポリッシャー等の精密機材は使用頻度に比例して消耗・故障が多発する。開業計画の段階で修繕・買い替えコストをランニングコストに組み込んでおく必要がある。
集客チャネルの一極依存
くらしのマーケット等のポータルサイト一本に頼ると、手数料負担に加えてレビュー評価への依存度が高まり、1件のクレームが集客全体に影響する。自社集客(SNS・ホームページ)との並行運営が重要。
損害賠償リスク
清掃作業中の家財・床・壁への傷つきは顧客とのトラブルに発展しやすい。損害賠償保険への加入は開業前に必須の準備であり、補償範囲と免責額を確認したうえで契約する。
廃棄物処理の法令違反リスク
化学洗剤の廃液を適切に処理せず下水に流すと廃棄物処理法違反になる可能性がある。業態ごとの廃棄物処理ルールを事前に把握し、適法な処理フローを整えておく必要がある。

【参考】開業業種を比較検討中の方へ:ハウスクリーニング・清掃業と結婚相談所の違い

ハウスクリーニング・清掃業と結婚相談所は、開業の性質において対照的な業種です。

それぞれの特徴を費用・リスク・運営負荷の観点から比較します。

初期費用・設備の差異
ハウスクリーニング(独立)の初期費用は100〜300万円程度が目安ですが、車両・機材・洗剤など物理的な資産への投資が中心です。

FC加盟の場合は300〜600万円以上になることもあります。

一方、結婚相談所の開業は相談スペースがあれば基本的に開業でき、IBJ加盟の場合の初期費用は数十万円程度からスタートできます。

車両・機材・洗剤といった設備投資が不要な点が大きな差異です。

在庫・廃棄リスクの有無
清掃業では洗剤・消耗品の在庫管理と廃棄物処理の対応が継続的に必要です。

化学洗剤の廃液処理には法令上の義務が伴い、在庫の管理コスト・期限切れのリスクも生じます。

結婚相談所はサービス業であり、在庫・廃棄リスクはありません。

運営負荷・時間拘束の違い
清掃業は現場作業が中心のため体力的負担が大きく、引っ越しシーズン・エアコン洗浄シーズンなど繁忙期への集中が生じやすい。

対照的に、結婚相談所は相談対応・書類手続きが主業務で、時間の裁量を持ちやすい運営スタイルです。

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