長年会社勤めをしていると「人生で一度は、会社に所属せず自分で事業をしてみたい!」と憧れるものです。中でもミドル世代である50代は年齢的にリタイアが視野に入ってくるため、その思いは強くなり「脱サラ起業」を真剣に考え始めるケースも少なくありません。しかし「資格もコネもない自分に、起業できるのだろうか」「年齢も年齢だし、失敗したらどうしよう」と踏み出せずにいる方もいらっしゃるのではないでしょうか?
結論から言いますと、資格やコネがなくても、年齢を重ねていても脱サラ起業の成功は十分のぞめます。脱サラ起業で失敗しやすいポイントや解決策、おすすめの業種を知って、ぜひ成功への1歩を踏み出しましょう!
脱サラ起業とは?

まず「脱サラ起業」とは、リタイアや転職などで勤めている会社を離れたあと、独立開業して経営者になったり、個人事業主になったりすることです。つまり、企業に所属してお給料をもらうスタイルではない働き方を選ぶということです。
脱サラ起業のメリット
キャリアチェンジであれば他の企業に再就職する手がありますし、長年働いた会社でそのまま勤めあげてリタイアを迎える選択肢もあります。その中であえて「脱サラ起業」を選ぶ最も大きなメリットは、「何にも縛られず自由に働ける」ことでしょう。
「脱サラ起業」では、勤務時間、勤務場所を自由に決めることができ、定年までという勤務年数の縛りもありません。就業規則やルールから、何のビジネスにするか、どんな働き方をするかまですべて自分に決定権があります。自分の好きなことを仕事にできますし、「趣味や息抜きの時間もしっかり確保しながら働こう」という公私のバランスをとることも可能です。また、収入の上限もないため、事業が成功すれば今までよりさらに収入を増やすことができるかもしれません。
会社勤めと比べて、自由度が高く、可能性は無限大。
それが脱サラ起業の最大のメリットであり、魅力です。「65歳を過ぎてもまだまだ働きたい」「これまでは会社のために尽力してきたが、これからは自分のために好きな仕事をしたい」「人生の後半戦、もう一花咲かせたい」という50代の方が、セカンドキャリアとして起業を選ぶ方が増えているのにもうなずけます。
脱サラ起業で失敗しやすいポイント

そんな自由や可能性にあふれる脱サラ起業ですが、トライしたら必ず成功できるとは限りません。
特に、脱サラ起業で失敗しやすいポイントには以下のようなことがあります。
●資格やスキル不足
みなさんはこれまで、社会人としてさまざまな経験やスキルを積み上げられてきたことでしょう。それらは脱サラ後も大いに役立つと思います。しかし「心機一転!」とあまりに未経験のジャンルのビジネスに手をつけてしまうと、新たなスキルやノウハウを身に付けたり、資格を習得しなければならなかったりする場合があります。思いのほか時間が取られて、すぐに事業に全力投球できない可能性があるでしょう。
●コネ不足
起業すると、幅広い人脈がプラスに働く場面が少なくありません。たとえば、経営に役立つ情報を共有してもらえたり、良いオフィス物件や新規顧客を紹介してもらえたり、信頼できる税理士や弁護士を教えてもらえたりすることもあります。
しかし、会社員だと積極的に人脈を広げなくても仕事はできますから、「起業に役立つコネはほとんどない」という方がほとんどです。もちろん起業してからも人脈は形成できますが、その場合、一から人脈づくりを始めなくてはならない苦労があるでしょう。
●体力不足
自分で事業を起こすというのは、想像以上にパワーのいることです。特に、開業してビジネスが軌道に乗るまでは、たくさん動いたり考えたりする必要が出てきます。
若い頃はバリバリ働けていた方も、年齢とともに体力は衰えます。「40歳を過ぎてから、あまり無理できなくなったな……」と感じている方も多いはず。
特に長時間労働や体を使う作業をともなう業種の場合、1人では体力的な限界がきてビジネスを継続できなくなるかもしれません。コストはかかりますが、従業員を雇う、クラウドソーシングに頼るなど工夫が必要です。
●資金不足
起業は、自分の頑張り次第でいくらでも稼げる反面、事業がうまくいかなければ収入減少に直結します。収入面の不安定さは、起業のデメリットといえるかもしれません。
「退職金を元手にするから大丈夫」と思うかもしれませんが、業種によっては、オフィス物件を借りるための費用や備品の購入費用、資格の取得費用など、想像よりも多額の開業資金が必要になる場合があります。
また、売上が安定するまでの運転資金や生活費も用意しなければなりません。脱サラで雇用保険はなくなるので、万一病気やケガで働けなくなってしまったときの蓄えも必要です。資金に余裕がないと、やむを得ず廃業におちいってしまうケースもあります。
●コミュニケーション不足
・主観的な見解を第一として、自己主張や自己顕示欲が強い
・取引先の業者には強気でクライアントへは物腰が低い
・思いやりの心があまりなくシェアする習慣の薄さ
・過去の実績や経験、プライドにとらわれてしまい、柔軟な発想や対応ができなくない
上記のような主権を握りたいタイプの方は大抵失敗しています。トップダウンで自分の言いなりにしたい人格形成を嫌う世代が若い層に増えてきているからです。会社のきまり、企業理念の大切さは充分わかっていても、右から左へ個人の意見を無視して指示することは、時に孤立への道を選択してしまうことになります。
●宣伝不足
個人事業主として開業した場合、どんな業種であっても、広報活動を欠かすことはできません。
たとえ店舗や事業が魅力的であっても、集客を意識しないと経営は成り立ちません。事業を軌道に乗せるためには、まず地域の顧客やターゲットに自分の事業を知ってもらうことが必要です。
SNSやWEBサイトを使った広報活動が効果的ですが、たとえWEBやSNSに不慣れでも、自分自身で積極的に行うことが求められます。
50代が利用できる起業支援制度
50代が利用できる起業支援制度は、以下のものがあります。
女性、若者/シニア起業家支援資金
日本政策金融公庫が実施している女性または35歳未満もしくは55歳以上の起業家を対象とした融資です。通常の融資と比較すると、利率が優遇されています。最大7,200万円(うち運転資金4,800万円)まで融資を受けることができるため、初期投資が必要な事業にも対応できます。
自治体の支援制度
各自治体がシニア世代を対象とした補助金制度や低利子もしくは無利子の融資制度を用意しています。多くの場合、商工会議所等による創業支援とセットになっています。事業計画書の審査や報告書の作成などがあるため、無条件でお金がもらえるというわけではありませんが、うまく活用すれば返済の必要がない資金を調達することができます。
資金面での支援のほか、シニア世代向けの起業セミナーを実施している自治体もあるので、お住まいの自治体のホームページなどを確認してみましょう。
脱サラ起業の仕事の選び方

脱サラ起業するにあたっては、どのような仕事を選ぶべきでしょうか。脱サラ起業の目的には、年金支給開始年齢までの「つなぎ」や老後資金の確保といった経済的な理由に加え、これまでの経験を活かして年齢を気にせず仕事がしたいというやりがい重視の目的もあります。これらの目的を両立できるような仕事を選ぶことができれば、幸せな脱サラ起業をすることができるでしょう。
初期投資が少額な仕事
起業するのに多額の初期投資が必要な仕事は脱サラ起業には向きません。仮に退職金などで手元に資金があったとしても、それは老後の生活のために残しておくべきです。融資を受けるにしても返済期間が長くなるため、自分に万が一のことがあったとき、子どもに負債を残すことになってしまいます。
初期投資が少額な仕事であれば、起業しやすいだけでなく、廃業の決断もしやすくなります。自分や家族の体調を考えざるを得ない脱サラ起業には適しているといえるでしょう。
損益分岐点が低い仕事
損益分岐点とは、利益を出すために必要な最小の売上のことです。損益分岐点が高いと、利益を出すために多くの売上を上げる必要がありますが、現役のころと同じように働き売上を上げ続けるのはなかなか難しいでしょう。
売上が損益分岐点を超えられないと、手元資金が減少してしまいますが、脱サラ起業ではリタイア後の生活費が減ることになってしまうため、大きな痛手となります。
損益分岐点を下げるためには、オフィスの家賃や人件費といった固定費を増やさない(減らす)ことが重要となります。その意味では、自宅でできる仕事、お客さんのところに訪問する仕事、一人でできる仕事が適しているといえるでしょう。
これまでの経験を活かせる仕事
シニア世代の武器はこれまで社会人として長年働いてきたことによって身に付いた経験です。「起業に向くような業務経験を積んでない…」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、いったん仕事を離れて、これまでの人生の中で「好きだったこと」「楽しかったこと」「うれしかったこと」「得意だったこと」「喜ばれたこと」などを改めて振り返り、書き出してみることで、ヒントが見つかるかもしれません。
また、そうして書き出したものを他の人に見てもらうことで、自分では気づかないような「自分の強み」を見つけることができます。自分にとって「当たり前のこと」は、なかなか強みとして認識することができません。周りの身近な人の目を通して自分を客観的にみることが大切です。
地域や社会に役立つ仕事
「これまで培った知識や経験を地域や社会に還元する」という観点もありますが、より身近な話として、地域や社会と接点を持ち続け、刺激を受けることが健康寿命を延ばすことにつながるからです。特定のグループだけではなく、世代や性別の違う人たちと顔を合わせる仕事のほうが脱サラ起業の健康効果を高めるには適しているかもしれません。
脱サラ起業におすすめの仕事5選

これまでの話を前提に、脱サラ起業でおすすめの仕事を紹介します。
コンサルタント
コンサルタント業は資格が不要で、クライアントと会うときには訪問するようにすれば、事務所を構える必要もありません。初期投資も固定費もかからず、経験を活かすことができるため、脱サラ起業に最適な仕事の一つといえます。
何の実績もないところから始めるので、最初は集客が課題となりますが、現役世代のコンサルタントと異なり、顧問契約を数多くとる必要もないので比較的ハードルは低いでしょう。
営業代行
企業の営業担当者の代わりに商談のアポイントを取ったり、さらに進んで成約するところまで代行する仕事です。多くの場合、アポイントの獲得の場合は1件あたりいくら、成約の場合は契約額の○%という形で報酬が設定されます。
契約内容によっては通信費や交通費の負担がある場合もありますが、それ以外は費用もかからず、営業経験がある方にとっては様々な商品・サービスで自分の経験を試せるやりがいのある仕事といえます。
クラウドソーシング
インターネットを利用して業務の発注者と受注者をマッチングさせるサービスです。近年、ライターの仕事は専門性の高い記事の執筆が求められるため、これまでの知識や経験を活かすことができます。ホームページ制作やロゴデザインといったクリエイティブ系の仕事だけでなく、データ入力やテープ起こし、資料作成といった事務系の仕事も掲載されているので、自分に合った仕事がないか探してみるのもよいでしょう。
代行業
上で紹介した営業代行以外にも、誰かの代わりに何かをする代行業は脱サラ起業におすすめの仕事です。昔からある家事代行やベビーシッター以外にも、ペットの散歩代行やお墓参りの代行など、様々な代行業が事業化されています。
「平日の昼間にしかできないこと」「自分がやるのはちょっと面倒だが、やらないわけにはいかないこと」といった視点で考えてみると、アイデアが浮かぶかもしれません。
結婚相談所
結婚相談所は自宅でも開業できるため、初期投資が少額で済み、ランニングコストもあまりかからず損益分岐点が低い業種です。会員に対するアドバイスには人生経験を活かすことができ、結婚難・少子化といった社会的課題の解決に貢献するやりがいを得られます。
結婚相談所の仕事については、こちらの記事で詳しく紹介しています。
結婚相談所の仕事とは 個性を活かし「おせっかい」がビジネスに≫
50代の起業に結婚相談所がおすすめな理由

脱サラ起業をする際は「特別な資格やスキル、コネが不要」で「体力やお金もそこまで必要としない」ビジネスを選ぶことが、50代での独立開業が成功する近道と言えそうです。
結婚相談所は、オフィスを借りなくてもスマホやPCがあれば事業を始められます。また、起業にあたり特別な資格はいりませんし、やりとりを必要なときだけに留め、1日に限られた時間だけ働くことも可能です。たった1人からでも始められるビジネスなのです。
「じゃあ何が必要なの?」と思いますよね。結婚相談所オーナーのお仕事は、人と人のご縁をつなぐ「縁結び」です。ほぼオンラインで完結するとはいえ、会員さん一人ひとりの人柄を見る力、会員さんと円滑にコミュニケーションできる力は大切です。長年ビジネスパーソンとして活躍してきた50代の方であれば、これまでいろいろな人と交流されてきたことで人を見る目が養われているものですし、基本的なコミュニケーション能力は自然と身に付いているはずです。
さらにミドル世代である50代の方は、年齢を重ねていることで会員さんに安心感を持ってもらいやすいです。これまでの人生経験、恋愛や結婚の体験などからリアルなアドバイスができるため、数ある結婚相談所の中でも「ここにお世話になりたい」と“選ばれる相談所”になれる可能性が高いでしょう。
つまり、資格やコネがなくても、あなた自身が事業の強みとなり得るのです。
IBJでは50代の方も独立開業しています!
資格やコネがなくても、年齢を重ねていても、脱サラ起業で成功できる可能性は十分あります。特に、婚活市場のような今後さらなる市場拡大が期待できるジャンルは、あなたのアイデア次第で大きなチャンスが掴めるかもしれません。自分に合っていて、なおかつ自分の強みを活かせるビジネスを模索してみましょう。
IBJでは、脱サラ起業で結婚相談所の開業を選んだ先輩オーナーの事例をご紹介しながら、お悩み・ご要望などをヒアリングさせていただき、お一人おひとりに合わせたアドバイスとご説明を行います。
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